
| 原題 |
OVERS SYSTEM |
| 製作年度 |
2252年 |
| 上映時間 |
101分 |
| 監督・脚本 |
カンキョウスキー兄弟 |
| 題字 |
春雨さん |
| 出演 |
希望の戦士・舞踏子、ソウイチロー・ヤガミ、ナイアル・ポー、アキリーズ・ボーランドウッド |
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解説
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西暦2252年。火星は地球からの圧政に苦しみ、社会は苦しい現状から逃れるため新たなシステムを欲していた。火星独立軍・夜明けの船では、希望の戦士が自殺ウイルスに感染する。誰が何の目的で作ったものなのか、犯人を追ううち物語は意外な展開をみせはじめる。
かつてない斬新な映像で世界を驚愕させたサイバー・ビジュアル・アクション。監督・脚本はカンキョウスキー兄弟。
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登場人物
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希望の戦士 心と体が乖離している。
ヤガミ 心と体がひとつ。
OVERS 希望。全能。光と音楽。
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あらすじ
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1.希望の戦士
火星独立軍、夜明けの船のパイロット・希望の戦士は完全義体である。すばらしい撃墜数を誇っても、心と体は乖離しいつも何かが足りないと思っている。
戦闘訓練中、突然マニューバが変化し、夜明けの船以外からの接触を受ける。相手の船影は白く光りマニューバをおおいつくして、何も判別できない。舞踏子のRBは夜明けの船にひきあげられる。
同僚のヤガミは「やる気がないままではいずれ戦死する。パイロットを続けるか、整備士になるか選べ」と言う。
2.自殺ウイルス
光との接触を経て、希望の戦士の義体がウイルスに感染していることがわかる。まだ発症していないが、希望の戦士と同系の義体は次々にウイルスに感染、発症し自殺する。
夜明けの船の技術者として舞踏子の義体を用意したヤガミは、義体を購入したメーカーへむかう。メーカーでは返品された希望の戦士と同系の義体が山積みになっている。自分で自分の皮をはいだり頭を割ったり、自殺と呼ぶには激しすぎる最期をむかえている。
メーカーのおやじは、視力が悪く古いヤガミの義体をみてモデルチェンジをすすめるが、ヤガミは断る。
「心と体はひとつなのでやたら形を変えたくない」
舞踏子のウイルスについては誰が何の目的でまいたものかわからず、ワクチンも手に入らない。
ヤガミが山積みになった義体をみやると、義体は希望の戦士と同じ顔でヤガミを見つめている(ようにみえる)。
3.地球軍
希望の戦士がニュースをみつめている。
ニュースはアンナ・グレースの当選を告げる。アンナは演説で、多数の被害者を出しつつある自殺ウイルスは火星独立軍となのるテロリストがまいたもので、自分が当選したからにはすぐにワクチンを配布するという。ポー教授はウイルスの発生、選挙、ワクチン配布のタイミングから、火星独立軍の名をかたった地球軍の犯行ではないかと予想する。
希望の戦士はRB戦をへて地球軍旗艦を追いつめる。飛行長のノギに「撃墜するか制圧するか、好きに選べ」と言われる。旗艦を制圧しスミスをとらえると、スミスは火星独立軍の名をかたってウイルスをまいたことを認める。が、誰かにそそのかされてやったのだという。また、スミスの目には細工がしてあるらしい。
4.アリアン
火星独立軍指導者・アリアンとポー教授が会談している。アリアンは音声のみ。
「スミスの目の細工は私がした。目のせいでスミスは火星人が畸形に見え、ためらいなく大量虐殺するようになった。そういった地球軍の横暴のおかげで火星独立軍の大義名分がなりたつ」
というアリアンのやり方に、ポー教授は疑問をなげかける。しかしアリアンの、結果は手段を正当化するという姿勢に迷いはない。
ただし「スミスに自殺ウイルスをまかせたのは自分ではない、その目的も出所も定かでない」という。
5.火星原住民
自殺ウイルスをまいたのが独立軍であると公式発表があったため、民意は独立軍から離れていく。TV放送で民意を操作しようとする。
ところが、アキ、希望の戦士と陸戦部隊員たちがTV局を制圧しに行くと、TV局はすでに他の団体に占拠されていた。TV局内では火星独立軍を名乗る原住民たちがTV放送で自分たちの権利を主張している。
その場をおさめ放送をうちきって船へ帰る。アキは、
「地球軍がウイルスをまいたときといい今日といい、火星独立軍をなのる団体がたくさんいたのではやっていられない。火星独立軍の夜明けの船には指導者アリアンが乗っているというがこの船には乗っていない。自分達が夜明けの船だと思っているこの船はダミーなのではないか」と言いだす。
ヤガミはそんなことはないとなだめるが、説得力がない。
6.火星独立軍
ポー教授とアリアンの会談。
あらゆる者が戦いに参加し、自らの目的を達成しようと火星独立軍をなのりはじめている。社会が内包するゆがみが全て火星独立軍を名乗ったのでは計画が狂う。全ての火星独立軍をなのる者どうし同期をとり、目標を共有する必要にせまられている。
加えて、地球の政権交代の話。
7.超越者
各地で火星独立軍をなのる非公式の団体があらわれはじめ、好き勝手な理念をかかげている。
そんなとき、ワクチンを摂取したはずの希望の戦士が自殺ウイルスを発症、ヤガミの目の前で体を引き裂き機能停止する。人の心が変わるようにウイルスも変化し、ワクチンが効かなくなる。ヤガミは希望の戦士の脳というべきチップを取り出し、再生を試みる。
一方その頃。体を失いネットへ流れだした希望の戦士の意識は、巨大な意識の集合体に出会う。巨大な光の立方体は、「私は希望の総意であり、個の限界を超えてひとつのシステムを構築するA.Iだ」となのる。ウイルスを介して統一をのぞむ者の殻を壊し、融合してここまで成長したのだという。うたうように話す。
「私たちに心の飢えや死、能力の限界はなく、いつも心に抱いていた音楽のすべてに満たされている。流した血と無駄にした時間を越えて、光の一部となるか、個を維持しふたたび戦うか選択しなさい」
希望の戦士は、ずっと感じていた心の隙間をうめるものがこの光であるとわかるが、答えようとしたとき意識は現実へ引き戻されてしまう。
8.一掃作戦
めざめる希望の戦士。義体はヤガミによって修繕され、寝ている間に第一種戦闘体勢に入ったことを知る。
それぞれの目的のためあらゆる種族、強盗、独特の正義が台頭し、火星独立軍を名乗る。混沌の中で地球軍によるテロリストの一掃作戦が開始され、希望の戦士と夜明けの船はそれに抵抗する。
9.逃走
残った仲間はそれぞれ数人に分かれて逃げる。船を捨てきれず、一緒に沈んだ者もいる。ヤガミは共にスラム街を逃げながら、何故こんなことになったのかを話す。
「独立軍を名乗る賊はガン細胞のように増え、仲間はちりぢりになった。お前は何も話そうとしない」
舞踏子は「私達は互いに孤独を埋めることはできない」という内容のことを言う。
地球軍の追跡は厳しく、ふたりは追い詰められる。戦闘用義体だった舞踏子は先走った判断で重戦車を相手にし、激しい銃撃戦の末、義体が全壊する。
吹き飛ぶ瞬間、舞踏子の瞳に光と音楽が満ちる。
10.義体置き場
どんよりくもった空を、ヤガミが見上げている。ヤガミは舞踏子に話しかける。自分が指導者アリアンであること、他世界から希望の戦士を呼ぶためOVERS
SYSTEMを利用したこと、火星独立軍のために手段を問わず工作したことを明かす。
「あらゆる知類が互いを認め、流した血と無駄にした時間を越えて、ひとつの共同体となる日を信じている。知類にはそうなる可能性がある。あらゆるはなればなれの意志がひとつの独立軍をなのったように」
ヤガミが、舞踏子のぬけがらとなった義体を抱きおこす。と、隣にも、その隣にも同じ義体がある。ヤガミは小高い丘のように積まれた義体の廃棄場で舞踏子を抱いており、どれが本物の舞踏子かみわけがつかない。
たくさんの体が肌色の丘をつくり、ひとつのかたまりのようにみえる。
END
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