↑肝冷斎よ、まだこちらへ
来ぬのか

 

平成20年10月29日(水)  表紙へ  昨日に戻る

文政二年(1819)、柏木如亭(52歳)は伊賀を訪うて、津藩儒・服部竹塢(はっとり・ちくう)のところで世話になっていた。

お世話になっているお礼に、ということで、一幅の山水画を描き、これに一絶句を書き添えて贈ったのである。

その絶句に曰く、

与君頻酌亦何妨。  君と頻りに酌むもまた何か妨げん。

墨汁三升債可償。  墨汁三升 債、償うべし。

所謂人生行楽耳、  いわゆる人生は行楽のみ、

従他俗子咲空嚢。  他俗子の空嚢を咲(わら)うに従(まか)せん。

 あなたと何度も杯をやりとりする――別に問題のあることではございますまい。

 墨汁は三升もある。これだけあれば、これまでの借りを返すような立派な画がたっぷり描けるでしょう。

 「人生は楽しみをなすばかり」とは、いにしえより言い伝えるところ、

 どこかの俗物どもが、わしの財布が空っぽなのを笑うても、どうでもよいのでござるんるん

これは岩波文庫「詩本草」(揖斐高校注)に書いてあった(p194)。(ただし読み下しと現代語訳は肝冷斎であるんるん)

「人生行楽耳」の意味は昨日申し上げたとおりである。

いろいろあるのでもう寝るです

 

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