↑秋のもなかとなりにけり。

 

平成20年9月23日(火)  表紙へ  昨日に戻る

「庸闕ヨ筆記」(巻七)を閲しておったところ、「三十六禽」という考え方があることを知ったので、道に聴いて道に説くはわれらの習いゆえ、(忘れないうちに)今日はその話をしておきます。

世以十二支配十二肖、由来久矣。

世に十二支を以て十二肖に配すること、由来久しきかな。

世間で十二支を十二肖に振り分けているが、その来歴は古いのである。

十二支:子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥

十二肖(あるいは「十二生肖」):ネズミ・ウシ・トラ・ウサギ・リュウ・ヘビ・ウマ・ヒツジ・サル・トリ・イヌ・イノシシ

とは別のものですが、これが一対一で対応することになったのは、戦国以前の時代ではない。が、相当古い時代である。

庸陂V人・陳其元はこの十二種が一対一対応になったのは唐代であろう、と推測しております。なぜかといいますと、隋代(蕭吉の「五行大義」)には、いまだ

一支有三禽。

一支に三禽あり。

十二支の一支には三種のドウブツが対応していた。

からである。すなわち、十二支には合計で三十六のドウブツがいたのだ。支とドウブツが対応するようになったのはそれより遠く以前ではないであろうが、一支に一種のドウブツが対応するようになるのは、さらにその後の時代であろうからである。

なお、「一支」に何ゆえ「三禽」が対応したかというと、一支には「朝」と「昼」と「晩」があり、そのそれぞれで「気」の状態が違ったから、だそうである。

なるほど。そういわれればそう考えるべきかも知れん、という気がしてまいりました。

以下に「三十六禽」「十二支」の対応関係を記す。

子・・・燕(つばめ)、鼠(ねずみ)、伏翼(こうもり)

丑・・・牛(うし)、蟹(かに)、龞(すっぽん)

寅・・・狸(たぬき)、豹(ひょう)、虎(とら)

卯・・・猬(はりねずみ)、兎(うさぎ)、狢(むじな)

辰・・・龍(りゅう)、蛟(みずち)、魚(うお)

巳・・・鱔(うなぎ)、蚯蚓(みみず)、蛇(へび)

午・・・鹿(しか)、馬(うま)、獐(のろ)

未・・・羊(ひつじ)、鷹(たか)、雁(かり)

申・・・猫(ねこ)、猨(てながさる)、猴(さる)

酉・・・雉(きじ)、鶏(にわとり)、烏(からす)

戌・・・狗(いぬ)、狼(おおかみ)、豺(やまいぬ)

亥・・・豕(ぶた)、玃(おおざる)、猪(いのしし)

「五行大義」には、

此等皆上応天星、下属年命、三十六禽各作方位、為禽蟲之長。・・・

これらみな上は天星に応じ、下は年命に属し、三十六禽おのおの方位を作し、禽・蟲の長たり。云々・・・

これら三十六禽は、空では天の星に対応し、人間世界ではその年の運勢に係わり、また、これらがそれぞれ三十六の方位を示し、また、それぞれのドウブツが鳥やケモノの種族を率いているのである。・・・

と書いてあるのだそうです。

庸陂V人はこれが十二に減ってしまったのは怪しからん、みたいなことを言っておりますが、わたくし的にはだから何だ、とか、こうだ、とかいうことは特にない。今日は以上です。

 

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