四章 サービスの展開方法
一、客数と客単価
売上を構成する要素として「客数」×「客単価」という考え方をします。ですから、売上高を上げるためには、客数を伸ばすか客単価を引き上げるかの二つの方法が考えられます。
ところがこの「客数」×「客単価」という発想自体が実に販売側の見方なのです。
客単価というのは、ひとりのお客様がいくら買うか、という数字です。前にも述べましたが、お客様の買い物は数字になったとたんに、そこから生活が消えてしまいます。お客様の様子が見えずしてサービスを充実させることは不可能です。
だいたいお客様が「あの店の客単価を私が上げてあげましょう」といって来店するわけがないのです。そのことに気付かず、客単価を上げることばかり考えて販売をしているとお客様は必ず離れていきます。
前章で効果と効率について申し上げました。売上を伸ばすときに客単価を上げるという手段をとることは、効率的なことです。しかし、効率を追求すればするほど効果は下がりお客様はお店の販売姿勢に不満を抱くことになります。
だから、販売計画を立てるときに、客単価目標を立てその目標を達成することは大変に効率的ではありますが、お店の将来を考えると実に危険なことなのです。
基本的に小売業は客数商売です。たとえ客単価が低くても、来店客数が多ければお店は必ず伸びます。なぜならば客数が増えれば増えるほど、客単価は上がるという関係にあるからです。ここが不思議なところです。
なぜ客数が増えると客単価が上がるかというと、客単価というものが、お客様がそのお店に対して持っている忠誠度(ロイヤリティ)を表すものだからです。
客数が増えるということはお店のファンが増えるということで、その結果として客単価がついてきます。しかし、忠誠度はあくまで結果として上がるわけで、売上拡大のための手段として操作しようとすると、お客様は離れていくのです。
お店の販売計画を立てるとき、売上目標や客単価目標を作りますが、本当に大切なものは接客数目標といえます。そしてさらに言えば、固定客数目標が最も重要です。固定客の数がお店の繁栄を約束してくれるからです。
そして固定客作りを決定するのが「サービス」です。