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檸檬俳句へ
~Every Day Hot Go Sit Go~ 河合橘風
| 赤蜻蛉 台風一過 乱舞する | 自然を生業とするものにとっては来てほしくない台風。 いつも被害にがっかりするが、台風一過のすがすがしい空気 と赤蜻蛉の群れを見ると一瞬ではあるが心が晴れやかになる |
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| ウインカー 源氏蛍の 恋の邪魔 | ||
| 水上の忍者 水黽 憧れる | ||
| 蓑虫は リサイクルした 家に住み | ||
| 天鼠飛ぶ マジックアワーの シルエット | ||
| 顔写す センチコガネの 胴覗く | |
食べるものは糞なのだけれど、 まるで何度も研磨したような美しさの胴部分は 接写するカメラが写りそうな輝きを持つ。 ただ一言、自然の芸術である。 英名:Earth-boring dung beetle |
| 一文字 四つ星並ぶ セセリチョウ | 檸檬の秋花が咲くと元気よくやってくる。 申し訳ないが秋花は作業で摘んでしまう。 羽の裏側の整然と一直線に並んだ 白い模様が星に見える。 |
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| 青眼の 青松虫が おもてなし | |
露地のみかんの摘果中や収穫中に遭遇する。 普段は鳴き声だけで、青い眼だと言うことも気づかない。 青眼とは喜んで迎える目つきのこと。 フランス人形のような眼に、おもてなしされてしまう。 |
| 電灯を 持つ手にあそぶ 蜉蝣や | ||
| 朝昼で 鳴く蝉変わる 普門寺や | ||
| 抜け殻に 蝉の鳴き声 染渡る | ||
| 季節はずれ レモンの花に チョウ嬉し | ||
| 夜盗虫 月夜に照らされ 闊歩する | ||
| 秋風に つくつく法師 声優る | ||
| 凛とした 黒い涙の ツチイナゴ | |
無農薬レモネーディアの温室の中で世代交代をしている。 眼の下の黒い模様が涙に見える。 しかし泣いている様子ではなく、触覚などは凛としている。 トノサマバッタとの見分けにも応用できる。 |
| 妖精か クサカゲロウの 飛ぶ姿 | ||
| クサカゲロウ ティンカーベルに つい重ね | ||
| ハサミムシ 子育て上手 子沢山 | ||
| 勝ち虫の 群影写る 水面かな | ||
| 柚子坊は 以外や檸檬 これ好み | |
無農薬レモン栽培でアゲハチョウの幼虫がレモンの新芽を むしゃむしゃと食べてしまい困らされる。 柚子坊と言われるが柚子よりレモンの方が 格段に好みのようである。 |
| 一直線 尺取り虫は お昼寝中 | |
そんなに多くはないが柑橘類の葉をむしゃむしゃと食べる。 見つけると手で取って踏んでで殺すのだけれど、 触った感覚は人肌という感じ。 お昼寝中は忍法枝化けの術のようだ。 |
| 髪切り虫 きーきーと鳴きけり 子供かな | ||
| 掛け合わせ てんとう虫の 星の数 | ||
| 静かなり 夫婦逆転 唖蝉や | ||
| でき悪し 我空蝉に なりにけり | ||
| 実を落とす 蚊の音邪魔し 遅れけり | ||
| ボウフラと いっしょに住ませる 金魚かな | ||
| 黄金虫 溺れる姿 我重ね | |
暑さ厳しくなるとくみ置きした水の中で黄金虫が溺れている。 必死でもがくのだが泳ぎは苦手で、脱出できない。 まるで自分の姿のようでつい手をさしのべる。 |
| 蒸し暑さ 羽黒蜻蛉が 涼誘う | |
初夏蒸し暑い日に木々の陰でひらひらと優雅に舞う。 捕まえて見るとその構造色の美しさに惹かれる。 涼しげに感じるのは私だけだろうか。 つい追いかけたくなる気持ちにさせられる。 英名:Ebony Jewelwing |
| ダンゴムシ 嫌われ者の 掃除かな | ||
| カブトムシ 端午の節句は 間に合わず | ||
| オニヤンマ 道路を往復 一直線 | 夏水やりをしていると道路上を一直線に往復して飛ぶ。 太陽の光に羽がきらきらと光り、 飛ぶ姿はとても勇壮に見える。 1年に何度も見る事ができないので 新鮮な気持ちにさせられる。 英名:Golden-ringed Dragonfly |
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| 病葉を 摘む手悔しい ハマキムシ | ||
| ジョロウグモ 手招き優し 宿場町 | 秋の女王と言われる女郎蜘蛛は澄んだ初冬の青い空を背景に 凛とした美しさを見せてくれる。 迫り来る短い命を知り全うする姿は 古き時代の宿場の賑わいの陰の哀愁にも感じる。 |
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| カマキリの 首かしげし 仕草かな | ||
| カマキリや 顔を洗いし 朝寝坊 | ||
| アキアカネ ふるさと遠し 黄金色 | ||
| ハサミムシ 内弁慶か 夜行性 | ||
| 蛇の目蝶 温室の中 雨しのぐ | ||
| タテハチョウ 梨園で踊る 梨の露 | ||
| ハモグリガ 嫌われ者の 絵が上手い | 通称エカキムシと呼ばれるミカンハモグリガ。 こいつだけはなかなか防ぐことができない。 無農薬レモン栽培ではこいつに葉をぐにゃぐにゃにされる。 儂人泣かせの1番手である。 |
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| キリギリス 飛び立つ姿 果報者 | ||
| 強き風 諸戸もせずに 飛ぶイナゴ | ||
| 足持ちて ショウリョウバッタで 我あそぶ | ![]() |
ショウリョウバッタの足をもつと逃げようともがく。 その様子がゆりかごのようでおもしろい。 子供の頃の遊びを思い出し、しばし少年時代に。 |
| 優曇華を 見つけて吉兆 クサカゲロウ | クサカゲロウの卵も縁起の良いとされるもの。 古来からこの卵を優曇華という花と 間違えてきたところがおもしろい。 アブラムシが大発生しないようにと大事に思う。 |
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| 蟻地獄 助けしアリは 我が身なり | ||
| 赤蜻蛉 唐辛子見て 首かしげ | ||
| ベニシジミ 溶け込む紅に 目奪われ | ||
| 吉兆虫 豪華絢爛 法隆寺 | |
吉兆虫と呼ばれる玉虫はいつみても美しい。 子供の頃玉虫の羽が法隆寺の宝物に使われている 事を学んだ。 運気が上昇する前兆だと自分に言い聞かせ 作業に汗を流す。 英名:Juwel Beetle |
| 頭たれ コメツキあそぶ 子供かな | ||
| 腰くびれ アシナガバチの フラダンス | 農作業中一番出会うのがアシナガバチ。 怖いムシだが、じっと見るとくびれた腰のラインが美しい。 おしりを振る仕草から、フラダンスを想像してしまう。 こんな感性はいったい・・・。 |
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| 赤蜻蛉 芭蕉の句に 苦笑い | ||
| 羽休め 待針二つ 糸蜻蛉 | ||
| 大きさに 空城の計 ガガンボや | ||
| またはずれ マクナギニ学べ 空予報 | |
雨の前に見る事ができるマクナギ。 下手な天気予報よりよくあたる。 毎日の天気を気にする生業のため、 天気予報より虫の習性で判断することもある。 |
| 雨蛙 迷彩服に いつ着替え | |
環境に配慮して栽培していると雨蛙が温室の中に たくさん見る事ができるようになる。 時々、保護色なのか迷彩模様の雨蛙に出くわす。 ソルジャーなのか?不思議に思う。 |
| 雨蛙 檸檬の葉の上 じっと待つ | |
雨蛙は温室の中ではなぜか吞気にしている。 この中は外敵が少ないことを知っているのだろうか? じっとしていてくれるので、写真を撮るのには好都合だ。 |
| 籾殻の 中でお昼寝 瑠璃蜥蜴 | ||
| 放屁虫 草取る我が手 つい先に | |
汗が額からしたたる夏、 温室の隅の草を取っているとミイデラゴミムシに出くわす。 和名のとおり、びっくりさせるとおしりから100度のガスを噴射。 やけどをしないように反射的に手を引っ込める。 |
| 団子虫 悪のレッテル かわいそう | 河合果樹園の無農薬技術は団子虫のおかげで成り立つ。 家庭の奥様方には嫌われ者なのがかわいそうである。 ホームセンターでは団子虫用の家庭で使う農薬が売られている。 正義の味方も時の誤解でで悪者にされてしまう。 |
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| 団子虫 葉脈残す 芸術品 | |
有機物を分解する団子虫。 無農薬レモンの温室の中で落ち葉を葉脈だけを残す。 芸術品に思える。 |
| 打ち水に アオスジアゲハ 涼求め | |
猛暑の中、打ち水をしているとどこからともなくやってくる。 ヤブガラシにいるのは知っているけれど、どうしてだろう。 やはり水をストローで口に含んで涼を楽しんでいるのだろう。 |
| 逆さまに 祈り太郎は 獲物待つ | |
蟷螂が逆さまにとまって獲物を待つ時、 大鎌は合わさり、まるで手を合わせて祈っているようだ 。 誰が名付けたのか祈り太郎とはよく言ったものだ。 撮影する時は必ずこちらを向いてくれるいい子だ。 |
| 夜盗虫 二十度感じ 昼の部へ | 夜盗虫はその名の通り、夜活動する。 無農薬で作っている初恋リーフの大害虫だ。 ところが20度以下の気温になると、日中もはを食べ出す。 活動温度ごとに害虫を分類するとおもしろい。 |
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| 憎らしき アゲハを打つ手 転写され | 無農薬レモンの葉を食べてしまうアゲハチョウの幼虫。 見つけたら人力で捕殺するしかない。 素手でとんでいるにっくきアゲハチョウを柏手に打つ。 アゲハチョウの羽の鱗粉が手にきれいに残る。 芸術には殺生が伴うものなのか? |
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| 背に纏う クサカゲロウの 食歴よ | クサカゲロウはアブラムシだけでなく イセリアカイガラムシも食べてくれる。 食べた虫のカスを背に纏いカイガラムシと共生関係にある 外敵から身を守っている。 一体誰に教わるのか、このDNAはすごい。 |
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| コクワガタ ハウスミカンの 味覚え | |
コクワガタは普通はみかんなど食べないと思っていたら・・・。 ハウスミカンの美味しさは共通なのか? ただ優先順位からするとやはりみかんは コクワガタにとっては下の方だろう。 |
| 蟷螂の 威嚇姿に 犬が吠え | 蟷螂は危険を感じるとキングギドラ並みのポーズを取る 。 我が家の愛犬は蟷螂におびえて吠えてしまった。 大きさに関係なく向かってくる。 このポーズから「蟷螂の斧」という言葉が生まれたのだろう。 英名:Praying Mantis |
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| 勝和餅 二川銘菓 蚕様 | 歌川広重の東海道五十三次 、三十三番目の宿は二川宿。 二川の浮世絵には「名物かしわ餅」の看板がある。 秀吉が聞き間違えて勝和餅に。 二川は蚕で栄えたため様がつく。 |
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| 空を背に 蜘蛛の巣にいる 手品師や | 逆光で蜘蛛の巣を見ると糸が見えない時がある。 蜘蛛だけがみえるその光景は 手品師が空中浮揚のマジックをしているようだ。 二本ずつ足を対にしてたたたずむ蜘蛛が人に見える。 |
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| アメンボと 水底歩く 肉球や | アメンボが陽の光を浴びてすいすいと泳いでいる。 水底に写る陰が犬の肉球に見える。 つい微笑んでしまう。 英名:Water Strider |
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| 蚊の羽音 チェーンソー音 リンクする | 山奥深くチェーンソウで木を切る音がする。 遠くで聞いているとブーンという音が、 耳元に飛ぶ蚊の羽音に聞こえる。 私だけだろうか? |
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| 演技派か スグリゾウムシ 死んだふり | 有機物と共に温室の中にスグリゾウムシを 持ち込んでしまうことがある。 手で捕殺しようとするところりと地面に落ちる。 ぴくりとも動かず死んだふりをする。 |
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| キセルガイ 環境浄化 指標なり | |
醗酵浄化栽培をすると土の中にキセルガイが増えてくる。 一種の指標となり得る存在である。 不思議なのはいったいどこからやってくるのだろう。 何万年も土の中で休眠することができるのだろうか。 |
| 羽停めて アサギマダラの 零飛行 | 何千キロもの旅をすると言われるアサギマダラ。 温室の中で出ることができずに旅をあきらめかけていた。 かわいそうになり旅の続きをさせて上げることに。 羽ばたきを停めて旅立つ姿は零戦に見えた。 |