5月9日
◆極上の原作ものテキストアドベンチャー「とらドラP!」
ゴールデンウィークもつつがなく終わりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
私はというと、今年のGWはずっと家に小森霧こもりきりでした。食料調達のために2〜3度外出したくらい。地元の書店に売ってなかった「以下略。」もまだ買ってません連休明けにやっと買ったというありさま。
そんなニートもどきの生活の中、心の潤いとなっていたのが、PSP用ゲーム「とらドラP(ポータブル)!」。
結論から言うと、「とらドラP!」は、ファンならまず買って損をしないと言えるほどの傑作。原作・アニメを知らない人でも、読んで(見て)ちょっとでも気に入ったならゲームも買うようにお勧めしたいです。私がプレイしたキャラゲーでここまで満足感を得たのは、アーケード版ジョジョの格闘ゲーム以来かもしれません。
この作品は、高校生の不器用ながらも熱い恋愛模様を描いたライトノベル「とらドラ!」を元にしたゲーム。アイテムを取ったり会話中で選択肢を選ぶことでシナリオとエンディングが変化するという、オーソドックスなビジュアルノベル型テキストアドベンチャーゲームです。
原作とアニメを私が見たいと思い始めたのは、アニメに関するネット上の評判を見てから。TV放映が終わろうとしている3月になってから原作読破&アニメの有料配信(バンダイチャンネルほか)を視聴、ここ最近私がトップクラスで気に入っている作品です。

店舗予約特典「ねんどろいどぷち大河スク水ver.」、画面はゆり先生エンディング(一応バッドED扱い)
アイテム「ヒマワリの種」をいくつ取ったかによって、CGの中で咲くヒマワリの花の数が変わります。
ゲーム版シナリオのスタート地点は、原作の第7巻(アニメ第19話)が終わった直後。主人公である竜児が病気で入院した際にこれまでの記憶をすべてなくしてしまったという設定のストーリーになっています。この、スタート地点の時期設定が絶妙でして、原作における起承転結の「転」の部分で竜児が記憶喪失になっているんです。
これまでの人間関係に大きな変化が生じ、竜児もヒロインたちも多かれ少なかれ心に傷を負ったクリスマスイブの日。その直後、竜児の中でそれが「なかったこと」になってしまった。しかし周りの人たちの記憶は当然存在していて、記憶喪失中の竜児がとる行動は彼ら、特にヒロインたちの想いに影響を与えつづける。記憶を取り戻したとき、記憶喪失中の出来事も過去の思い出も心に刻まれているであろう竜児は、ヒロインたちとの人間関係にどう決着をつけるのか……。
こういった期待と妄想に胸を膨ませた私は、財布を痛めることへの抵抗に失敗し、限定版をアマゾンでポチッと注文するに至った次第です。
| 長 所 | 短 所 |
- ロード時間がとても短く、プレイが快適
- 原作&アニメファン納得のシナリオ
- アニメのキャラクターデザインを忠実に再現したグラフィック
- 会話テキストはすべて音声つき(主人公含む)
- 歯ごたえのある難易度(計画性の高いプレイが要求される)
- クリアに必要な条件がわかりやすい
- セーブ・ロード機能の充実
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- マップ移動中にセーブ・ロードができない
- AIマップがやや見づらい(あえてそうしている?)
- ツーショット会話時、ごく一部のセリフ・音声・表情が会話の評価(シンクロ率UP等)と一致しない
- 携帯ゲームソフトなのに外で遊びづらい。特にブロック崩しは危険(笑)。
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その他注意点
- 原作orアニメのストーリーは事前に把握しておこう(あえてそうせずにゲームを始めるという遊び方もあり)
- 簡単にオールクリアはできない。根気よくプレイしよう
- 最初に辿り着きやすい「あるエンディング」には精神的ダメージを受けやすい
- シナリオ進行率(既に読んだテキストの割合)を100%にするのは至難。100%にしてもご褒美は特にない模様
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・システム
本作は読み込み時間の短縮に相当こだわったそうで、その通りロードは確かに非常に早い。ローディング画面の表示時間は「ない」と言っても差し支えないほどです。
セーブ・ロード機能も充実しています。通常のセーブに加えて、一時的かつ簡単に行える「クイックセーブ・クイックロード」機能も装備。さらに、過去のテキスト(バックログ)が表示されたシーンにジャンプできる「バックジャンプ機能」を利用して、バックログに残っている範囲内のプレイをやり直すこともできます。マップ画面でセーブ・ロードできない点以外で、困ることは全くありません。
・シナリオ
非常にすばらしいと思いますし、失望させられる要素はほとんど見受けられませんでした。ハッピーエンドに関しては多くのファンが大満足している模様。バッドエンドはどれも切ない結末ばかりですが、それもハッピーエンドを見るためのモチベーションに転化していきましょう。
・音声
登場人物の声はみんなアニメ版のキャストそのままなので、ファンは違和感なくゲーム世界に没入できます。
この手のゲームで主人公に声がつくことを嫌うプレイヤーもいるようですが、本作は小説とアニメを元にしたゲームであり、主人公=プレイヤーの分身という解釈を成り立たせるのは無理があります。主人公の声もフルボイス、というのは妥当な判断でしょう。
BGMも非常に聴き心地が良く、プレイの快適さを聴覚から手助けしているといっても過言ではありません。
・ゲーム性
本作には好感度のパラメータは存在しません(ツーショット会話(後述)内を除く)。あくまでイベント・選択肢・アイテム・ツーショット会話の結果によってフラグが成立するかしないか、それのみによって進むシナリオが決まります。
ハッピーエンド(+それ以外のいくつかのエンディング)にたどり着くためには必要アイテムをすべて取る必要があるのですが、それらのアイテムはゲームの序盤から終盤にかけていたるところに散らばっています。序盤から様々なルートをたどってアイテムのありかや取得条件を把握することがクリアへの近道となります。
・ツーショット会話
本作の特徴のひとつである、モーションポートレイト画像を使った会話イベント「ツーショット会話」の成否もゲームクリアのために重要な要素です。
通常は、シンクロ率アップ(背景が青色になる)を多めにさせるようにしましょう。相手をドキドキ(背景がピンクになる)させすぎると会話失敗になるので、相手を喜ばせれば100%成功するわけでもありません。
それと、1ヶ所だけ「シンクロ率ダウンしかしない」会話イベントも存在します。ネタバレになるため詳しくは説明しませんが、ハッピーエンドを見るための重要イベントなので必ず成功フラグは存在します。もしその会話イベントを目にすることがあったら、成功するまで頑張って繰り返しプレイしてみてください。
・ミニゲーム
「手乗りタイガー伝説」はシンプルな横スクロールアクション。ダメージを受けてもミスにならないので、時間制限にだけ気をつけてプレイすればOK。慣れたらハイスコアにも挑戦してみましょう。
神経衰弱はいまひとつ遊び勝手が悪い印象。連続でカードを合わせないと高得点が取れないので、最初に順番にカードをめくって配置を知っておかないと話になりません。
ブロック崩し。脱衣系ゲームで(注: 水着どまりです)、かつボイスがエロいため、人前でのプレイには不向き。いかに低位置のブロックにボールを当てないかが勝負の分かれ目。
・その他
すべてのエンディングに到達することでおまけシナリオがプレイ可能に。「はじめから」を選ぶと、本篇とおまけのどちらをプレイするかを選択できます。
エンディングテーマは2曲用意されており、それぞれ4バージョン(3人ボーカル+ソロバージョン×3)存在します。どのバージョンも、エンディングで初めて演奏されたときのみスキップ不可。
すべてのイベントCGを見ると、ボーナスCGが1枚追加。先生エンディングのCG差分も集める必要あり。
原作かアニメのストーリーを把握していればゲーム中の様々な事象を理解できて十分に楽しめますが、あえて何も知らない状態でゲームをプレイして、後日小説やアニメを見るのもありかもしれません。
個人的な評価を点数で表すなら、ズバリ100点中98点。
非常に良質なテキストアドベンチャーゲームであることは間違いありません。この手のキャラゲーに抵抗感のない人は、ぜひこのゲームをプレイし、骨の髄まで楽しみつくしてみてください。
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