+++青い薔薇+++


170 名前:風と木の名無しさん[sage] 投稿日:04/07/02 20:06 ID:oOLPDPBn
青い薔薇、ジルの必殺アイテムっつー事で、
花には眠くなる香気、トゲには痺れ薬が仕込んである。
口説き技にも投げ技にも使えます。


総監室に青い薔薇の花束が届いたので、飾ってみた。
「なんだか凄い色ですねぇ…ロスマリネ」とルネ(使用人)が言った。
「夏っぽくていいさ」
何もしなくても汗をかくような状態だったのでロスマリネは青い薔薇を歓迎した。

しばらくしてジュールが部屋を訪れた。今日は安息日なので暇なのだ。
「暑いねぇ…ところで青い薔薇。どうしたの?」
「名無しさんからのプレゼント。今日の紅茶もね」
「ほら、マリアージュフレールの紅茶だ。これは青い薔薇がブレンドされてるタイプらしい」
「パリの紅茶専門店だね…名前は聴いてるよ。アイスティーなんて初めてだ」
「香りは殺がれるけど、そこに実物があるしね。けっこう美味しいだろ?」
二人は籐の椅子に腰掛けて、テーブル上の青い薔薇を中心に見ながらアイスティーを飲んだ。
グラスの氷が、カラカラと涼しげな音を鳴らしていた。特権を持つ者にのみ許された贅沢な時間だった。
ひととおり紅茶についての薀蓄話をし終えて、ロスマリネはジュールに微笑んだ。
「少し、仕事が残ってるんだけれど、手伝ってくれる?」
「いいよ」
ロスマリネはいくつかの書類をジュールに渡した。
青い薔薇を挟んで、差し向かいで仕事を進めた。簡単な確認作業だった。
小一時間ほどで終了しそうだ。

淡々と作業を進めながらミスをチェックする。
「ここ、おかしいね」ジュールが言った。
ロスマリネが書類を覗き込んだ。指摘された箇所を確認したが、どこがおかしいのかさっぱりわからなかった。
「どこがへんなの?」
疑問を投げかけながら、ジュールの目を見た。しかしその途端、その眼の色がおかしい事にビックリした。
「光の加減かな。ジュールの眼、色が変わって見えるよ」
「何色?」
「緑色…に見えるんだけど」
ジュールはロスマリネがもってきた鏡を覗き込んだ。
「本当だ」 
「病気だったら大変だ。痛いとか、ない?」
「そういうのはないけど…」 
「ねぇ、病院いこう」
「大丈夫、なんでもないから」
「あとで、変になっても知らないからね!」
ロスマリネがむくれてジュールを睨んだ。こんな時の彼は妙に可愛い。

「緑色の眼は嫌いか?」いきなりジュールが言った。
「好き嫌いの問題じゃないだろ!」
ジュールは逆にロスマリネの眼を覗き込んでいた。
「君の菫色の眼も珍しいし、本当に綺麗だよね」
「僕の眼の色はどうでもいいんだ!」
二人はまるで恋人同士のように接近していた。
「白い肌も、薄紅の唇も…本当に綺麗だよ」
耳もとで囁くその声は、愛の言葉のように響いた。聞き慣れたジュールの声でもなかった。
「プラチナブロンドの巻き髪も奇跡みたいだ」
ジュールが髪も撫ぜた。すばやく、その腕がいきなり体にまわされる。
「なっ…、ジュール、離せ…」
いきなりの事で戸惑い、もがくロスマリネの背中で指先が、動きまわっていた。
ジュールは即座にその唇も奪った。力ずくでキスを続けた。
ロスマリネは途中からジュールに抵抗しなくなった。体が震えている。

唇を離した。
「あ…あぁ」ロスマリネはすばやくジュールから顔を背けた。
「…こっち向けよ、ロスマリネ」声が聞こえた。
ロスマリネは横目でちらりとジュールを見た。
しかし、そこにいるのはジュールではなくて、なぜかジルベールだった。
「え…?」
ジルベールはクスクス笑っている。
「お、お前…が、どうして?」

この時、ジルベールの傍らにマスクとかつらが置いてあるのが見えた…。

まさかジルベールごときに騙されて、、、辱めを受けたのか? と思うと頭が混乱した。
とにかくこの場をしのぐために体を動かそうとすると、思うように動かなかった。
「…お前、何をした?」
ジルベールが青い薔薇を指差す。
「これには薬がいろいろと仕込んであるのさ…」
すばやくロスマリネのタイを解き、シャツのボタンを外す。
「やめろ…これ以上…何を……」
「決まってるじゃないか…それに、毒を喰らわば皿まで…っていうだろ?」

どうしようもなく、まるで夢の中に引きずり込まれるように、ジルベールに身を任せていた。

「ねぇ、このまま続けようよ」ジルが言った。


備考…某メーカーがリアル青薔薇の開発したので、ネタにしました。
マリアージュ フレールって仏蘭西語では「花の結婚」って意味かね?…ちょっと暗示的な単語になった。