+++おままごと+++
785 名前:風と木の名無しさん[sage] 投稿日:05/03/13 22:14:31 ID:FYf2vWes
マリネはセルジュ可愛がってるし、ジルなんかに取られるのはしゃくに障る。
そこで、マリネもお節介なセルジュに助けを求める。
「実は、自分もオーギュストに脅されていて、破廉恥な行為を強制されている」
こうしてセル、ジル、マリネは三人一緒に駆け落ちする事になってしまう。
だが、マリネの前では、セルジュといちゃつくわけにはいかず、欲求不満のジルが、
「約束と違うじゃないか!」早速オーギュストのところに帰ってしまう。
残されたセルジュとマリネは、がんばって新生活をはじめる。
786 名前:風と木の名無しさん[sage] 投稿日:05/03/14 22:31:42 ID:ir8Tb8wd
ロスマリネはすぐに仕事を見つけてきた。
もともとロスマリネにはカリスマがあるというのか、社交性も抜群で、
あっというまに重要なポストに就くことができた。
彼は給金の前借りでセルジュに練習用のピアノを買った。
セルジュは器用に家事全般をこなしていた。
ロスマリネには女の真似はできなかったので、セルジュに甘えた。
「セルジュが女の子だったら、僕がお嫁さんにするんだけどなぁ」
ほっぺたにちゅーをすると、セルジュは真っ赤になった。
(↓ここからが↑の続きになってます。)
家事をこなしながら、セルジュはロスマリネの庇護の下でピアノと学業に専念することができた。
絵に描いたような幸せ…とは、こういう事をいうのだろう。すべての事が順調だった。
その反面、オーギュストのもとへ帰ったジルベールの事を想うと、セルジュの心は乱れた。
ロスマリネの前ではオーギュストを非難しながら、その裏で、ずっとジルベールを欲していたのだった…。
ロスマリネも自分と同じ意味ですでにオーギュストを知っているわけだが、彼にとってのそれは、
思い出すのも苦痛な出来事だった。
セルジュに向かっては「好きだ」とよく口にするが、それ以上のことをやる気は起こらないようだ。
「最近どうしたんだい、セルジュ?」ロスマリネが言った。
「ちょっと元気がないような気がする。まさか、またジルベールのことでも考えてるのか?」
「いまさら心配してもしょうがない事です」
「僕に言わせれば、ジルベールは君が考えるほど愚かじゃないと思う。たとえオーギュストが一緒でも、彼だって、自分の将来の事くらいは自分で考えられるんじゃないか?」
「そうですか? そうだといいですけど…」
セルジュはその通りだと思った。ジルベールのことばかり考えている自分の方が、おかしいのだ。
ある日、仕事を終えてロスマリネがアパートに戻ってみると、そこにセルジュの姿はなかった。
残された譜面には『ジルベール』と一言だけ書きつけられていた。
「ジルベール…か」
弾く者がいなくなったピアノのキーのいくつかを彼は鳴らした。何の意味もない…ただの音がする。
もう何も思い浮かばなかった。一人でどこに行けばいいんだろう…。
ここは自分の力で初めて築いた場所だった。セルジュも可愛かった。
何をする気力も湧かないまま、数日が過ぎた。
「迎えに来た。アリオーナ」突然、懐かしい声がした。
「……ジュール…なんでここに…?」
「じつはセルジュが僕に手紙をよこしてね…君の事をよろしくって」
「セルジュが…?」
「おままごとは終わったんだよ、アリオーナ」
「帰っておいで」
ジュールが手を差し出した。少しためらって、ロスマリネはその手を取った。
昔から、どこへ行くのも二人は一緒だった。
きっと、これからも…
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