+++愛の逃避行1+++
77 名前:風と木の名無しさん[sage] 投稿日:04/06/07
06:44 ID:/WkqNkhz
総監は解任されたが、アリオーナはすでに大学入学資格を取っていた。
彼の父親はご褒美かつ社会勉強のためにと、息子に世界一周豪華クルーズをプレゼントした。
落ち込んでばかりもいられない、、、彼は、ここらで流れを変えようと、気力を出して旅に出る事にした。
乗船すると、さっそく乗客の少女達に取り巻かれた。悪くないかも、、、彼はほくそえんだ。
ムチャクチャ抑圧されたむさい男子校生活が嘘のようだった。とりあえずは順風満帆である。
「そう、これだよ、人生はこれなんだよ、、、これ!!!」
ロスマリネは学校時代に忘れていた人生の楽しみを思いだした気がした。
78 名前:風と木の名無しさん[sage] 投稿日:04/06/07
06:46 ID:/WkqNkhz
船がフランス第二の都会マルセイユに近づく。船は美しい城の側を横切る。
彼は密かに海辺に建つオーギュストの居城を眺めた。
船がマルセイユの港に入った。彼は女の子達と街に出かけて華やいだ1日を過ごした。
夕刻、出航の時刻が近づき、新しい乗船客が乗り込むのを眺めていると、ふいに、
身なりのいい男がアリオーナの目を引いた。「素敵な人がいるわね」傍らで女の子達も呟いた。
その男が近づくにつれて…彼はまさかと思った…。
「オーギュスト・ボウ…?」そう、まさしく彼だったからだ。
「まあ…お二人はお知り合いでしたの?」少女の一人が訊ねた。
「ただの親戚ですよ」オーギュストは人当たりのよい笑顔で答えた。
「お茶でもご一緒いたしませんこと?」別の少女が邪気のない笑顔で彼に椅子をすすめる。
洗練された物腰、卓越した話術で、オーギュストは簡単に少女達を魅惑した。
彼のあまりの偽善者ぶりに、アリオーナは反吐が出そうだった…。
早々に自室に引き上げ、いきなりベッドに倒れこむ。…本気で吐き気がしてきた…眩暈もする。
気が、遠くなった。
「お目覚めですか?」気がつくと白衣の天使が微笑んでいた。
ここは医務室なんだな…彼は静かに横になったまま意識した。もう気分は悪くなかった。
医者が現れた…簡単な問診を受けた。
「特に体には異常はない。船旅の刺激で疲れが溜まっていたんだね…適当に休んだ方がいいよ」
「ありがとうございます。そうします」アリオーナは反射的に答えた。
「ところで、保護者の方が心配をしていらっしゃいますわ」白衣の天使が言った。
「保護…?」アリオーナは看護婦に聞き返した、、、一人旅なのに保護…者ぁ…?
「詩人のオーギュスト・ボウ様…意識のない貴方をここへお連れになったのもボウ様ですよ。それはもう、
大変、心配をしてらっしゃいました…お呼びいたしましたから、じきにお迎えにいらっしゃいます」
「あいつが…僕の保護者…?」アリオーナは混乱した。
すぐに、オーギュストは現れた。
「いつから、あなたが僕の保護者になったんですか!?」
…アリオーナが喚いた…オーギュストは落ち着きはらって答えた。
「当たり前だ、、、君は未成年だし、私は君の親戚だろう?。父君のロスマリネ氏にも連絡済みだ。
…君の事を宜しく頼むと言われているよ」
「そんな…冗談は止めて下さい」声が震えた。
アリオーナの頭の中で、、学校での悪夢が再現をし始めた。
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