(遺言)

こんにちは、綱吉くん。
ここはさようならと記述すべきなのでしょうか。
この文章の存在を貴方が知った以上、僕がどうなったかは分かります。
だってこれは遺した貴方へ、最後のお願いの手紙なのですから。

どうか、僕の喪失を悲しまないでください。
僕の事で泣かないでください。
僕が死んだその時、僕は貴方の側にはいません。
僕には、あなたの涙を拭く事は出来ない。
僕の事で泣いてくれる、貴方を慰めるのは僕の役目なので。

今の僕がいなくなったとしても、僕の命はきっと世界のどこかにあります。
新しい命に変わり、どこかにあります。
(あなたの記憶を抱いた、ままで。)
それは大変喜ばしい事。
だから、だから
泣かないでください。

だけど願わくば、なるべく早く生まれ変わりたい。
貴方の、生きている世界に。
貴方が死ぬ間際の枕元でも構いません、
ただ、貴方が綱吉君のままで世界に存在するうちに生まれ変わって、
一瞬でも構わないから、巡り会いたい。
一言、「ただいま」と告げたい。

この醜く、どうしようもない世界に、
僕が早く戻りたいと願うなんて、信じられません。
そう思わせてくれた貴方に、ありがとう。と。

では、つかの間の別れを。










(綱吉の手紙)

お手紙、拝見いたしました。
さようなら、骸さん。
そして、すみません。
残念ながら、俺は貴方の最後のお願いすら聞き届ける事は出来ないようです。
どこまでも甘いと貴方は笑うでしょうね。
いや、怒るかもしれない。
もしかしたら。憎まれるのかも。
でも、俺はそれでも貴方の願いを叶える事はできません。
たとえどんなに憎まれようと、
俺は泣きます。
泣いて、泣いて、涙が出なくなって、それでも、
俺が生きていて、俺が俺であるうちは、悲しみます。

たとえ、貴方が別の形で、この世に再び存在しようと、
俺の知っている骸さんは、たった一人で、
その人の存在はもう消えてしまったから。
俺は、姿形を含めた全てで、あなたを愛しいと思っていたんですよ。
いくら会いたいと思っても、俺の愛した貴方には会えない。
それが、悲しくて、なによりも辛い。
だから泣きます。
悲しませてください。

望んではいけない事といながらも、俺は願ってしまいます。
俺は生まれ変わった貴方よりも誰よりも、
骸さん、
あなたに天国で再会したい。

では、どうかお元気で。