番外 with Hibari




ヒバリさんが俺にすっと手を伸ばした。
その手は俺の頬をやさしく包み込む。目が合うとヒバリさんが微笑んだ。
「僕たちは戦闘機とサクリファイスだから、これから戦う場面もあるよね。でも、安心しなよ。綱吉は必ず僕が守ってあげるから。……誰であろうとも君を傷つけさせない」
俺はすごく照れくさくって、その声は存外ちいさくなってしまった。
「……ありがとう、ございます」
「うん」
ヒバリさんは至極満足そうだった。
「でも、ヒバリさんは危なくないんですか?」
「僕は強いよ」
「そ、それは知ってますけど! 俺はヒバリさんにも傷ついて欲しくない」
「僕はね、綱吉。君だけが居れば、他のことなんてどうでもいいんだよ……敵が死のうと僕が傷つこうと、そんなことは君を守ることに比べたら、とるに足りないことなんだ」
胸がきゅんと締め付けられるようだった。そのときの俺の心情は顔にも表れていたんだろう。ヒバリさんは触れた手をそっと頭に移動させた。
俺は、たまらなくなってその手をはたき落とした。
「……綱吉?」
「……そんなこと、言わないでください。俺だけ無傷で残ったって全然うれしくないです」
俺の声は震えていた。こみ上げる感情は憤り。こみ上げる涙をぐっと抑えて、俺は言った。
「形はなくても! 俺たちはパートナーでしょう?! だったら、ふたりで戦いましょうよ、自分だけ生き残ってもうれしくもなんともない……パートナーは相手がいるからこそ成り立つんです」
「ごめん、」
ヒバリさんはひどく申し訳なさそうに謝って、俺の体を包み込んだ。
「俺が、なにに対して怒っているか、分かっています?」
「……実はあんまり、」
俺は大きくため息をついた。同時にとてもいとしくなる。
愛を知らないこの人はきっと、精一杯、俺を大事にしようとしてくれている。俺は、そんなヒバリさんに少しでも人と過ごす温かさを教えたい。
俺は、そっとヒバリさんを抱き返す。
「ずっとふたりで手を繋いで行きましょうねってことですよ」
「ふぅん。……それでも、相手を殺すことは問題ないでしょ。君を傷つけるやつなんて許せない」
「……全然懲りてないですよね。……まぁ、半殺し程度なら」
まだ、形に見えなくても、俺たちの絆はこうして少しずつ繋がってゆく。