判断能力があっても後見人に仕事を頼めます

 任意後見契約は,判断能力が低下した場合に備えた契約なので,判断能力のある場合には,任意後見契約によることはできず,通常の「委任契約」を締結することにより,対処することになります。
 そして,実際には,このような通常の委任契約を,任意後見契約とともに併せて締結する場合が多いのです。
 何故かと言いますと,任意後見契約は,判断能力が衰えた場合に備えるものなので,判断能力が低下しない限り,その効力を発動することがありませんが,人間は,年を取ると,判断能力はしっかりしていても,身体的能力の衰えは,どうしようもなく,だんだん何事にも不自由を感じるようになってくることがあるからです。
 極端な話,寝たきりになってしまえば,いくら自分の預貯金があっても,お金をおろすこともできません。そのような事態に対処するためには,判断能力が衰えた場合にのみ発動される任意後見契約だけでは不十分です。通常の委任契約と,任意後見契約の両方を締結しておけば,どちらの事態にも対処できるので安心です。つまり、「判断能力が衰えても,寝たきりになっても大丈夫」ということになります。そして,判断能力が衰えた場合には,通常の委任契約に基づく事務処理から,任意後見契約に基づく事務処理へ移行することになります。
 さらにこの委任契約は、判断能力があってもサポートの必要な、身体障害をお持ちの方、難病(例えば人との接触が制限される結核等)の方にも使っていただくことができます。
 このように、後見契約は判断能力がまだ健在な時から使うことができます。病気や身体障がいを持っておられる方も、一人で物事を決めることが不安でサポートがほしいと思われる方も、どんな方でも大丈夫です。ぜひご相談ください。
 また、委任契約を公正証書にするのは費用や手間がかかるので、一般的な形式で契約書を作ってほしいとお考えの方には、「任意代理契約書」という契約書で契約を交わすことが可能です。こちらもどうぞご利用ください。
 このページは日本公証人連合会のホームページを参考にさせていただきました。
 

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