トップへ > フリゲ エントランス > フリゲ紹介RPG > タオルケットをもう一度 


【タイトル】 タオルケットをもう一度2(唐揚げタンポポ)
【ジャンル】 RPG
   ※RPGツクール2000使用

 「簡単に紹介」

 ほのぼのとした雰囲気で始まるRPG。
 ところが、ストーリーが進むに連れてグロテスクな描写が増えていく。もともとのほのぼのとした画風を崩さないまま、グロ要素が増えていく。
 最後の最後は『ゆめにっき』ふうのマップが登場するホラー展開。
 そして見事な鬱エンド。

 休日一日あれば攻略できる。
 「ヒント」というコマンドがあるので「次に何をすればいいのか分からない」状態には陥らないかと。

 前作に『タオルケットをもう一度3』があるそうだが、私はプレイしたことがない。ストーリー的にはつながりはないらしい。現在はネットで入手できない環境にある。
 今作が『タオルケットをもう一度2』。前作のようにネットで入手できなくなる見込みが強いので、今の内にダウンロードしておくことを勧める。
 そして次回作が『タオルケットをもう一度1』になると予想される。

 

 

 ※ 以下、ネタバレ注意(警告1)

 「操作方法」

 Zキー:決定
 Xキー:特殊メニュー
 Shiftキー:通常メニュー
 F12:リセット(タイトル画面に戻る)

 たいていの場合、通常メニューからセーブが可能。フィールド上の白い看板でもセーブが可能。

 「グラフィック」
 『MOTHER』という市販ゲームを意識したキャラクターグラフィックだそうで。私は市販のゲームに疎いのでやったことないけど……。
 最後の最後のパートが、フリーゲームの『ゆめにっき』を意識しているマップ風景。

 

 「戦闘システム」

 RPGツクール2000のデフォルトのシステムを使っている。しかしツクール臭はしてこない。
 通常の「こうげき」であれ「特技」であれ、簡単なアニメーションが展開され、愛らしい。
 キャラクターには固有技があり、各キャラクターが得意とする武器を装備しているときにのみその固有技を使える。

 主人公の武器が鞭で、ヒロインの装備が靴て、どうよ。鞭で叩くとか、靴で踏んづけるて、なんでSMチックなんだ、すげぇサディスティックなコンビだ。
 しかも準ヒロインの武器はおっぱいだし。(準ヒロインは牛だが)

 全体強化系の補助技を習得するので、それを連発してのち、一斉攻撃のパターンでどのようなボスも簡単に倒せる。
 敢えてあまりレベルを上げず、これらの全体強化技を使わない縛りプレイに挑戦してみてもいいかもしれない。

 シンボルエンカウント方式なので、戦闘を避けて進める。上記の方法でボスには善戦できるので、戦闘に煩わされずにすむ、かも。

 

 「その他のシステム(特殊メニュー)」

●お花畑
 花を手に入れると、特殊メニューにて移動できるお花畑に花を植えることができる。
 花は各ステータスを強化してくれる。
 レベルアップとは別にキャラクターを強化する手段。

●ヒント
 ヒントのお姉さんが次の行き先を教えてくれる。
 快適なプレイが約束されるが、最終章ではお姉さんに頼ることはできない。そこで若干詰まることがあるかもしれないが……。よく洞察するか、執念で総当たり的に捜索すればどうにかなるレベル。

●心の部屋
 様々な特技や回復アイテム、装備品が手に入るかもしれないお部屋。特殊メニューから移れる。
 「葉っぱ」とお金があれば葉っぱシリーズと称される装備品を作ってくれる。葉っぱはその辺の木から無料でいくらでも手に入る。お金は、ロッカーの「ホコリ」さえも売却できるくらいなので不要なアイテムを売ればすぐに貯まる。
 今作は第四章および最終章に章立てされていて、第四章までは「思い出の部屋」が存在する。それぞれの章で鍵となるキャラクターやパーツが配置されていて、新しく特技を習得できたり、ステータスが高まったりする。とにかく章を一つ終えたなら足を運んでみるべき部屋。

 

 

 「ストーリー(全体)」 ネタバレ注意(警告2)

 いろいろとやばいストーリー展開。
 ぶっちゃけ、全体のストーリーは、宇宙人の侵略によって人類の存続が脅かされるというもの。
 この宇宙人、マスコットキャラクターのような外観をしているくせに容赦がない。人間の雄は処理場で殺し、雌は風俗店で働かせる始末。
 宇宙人の侵略はストーリーの進行と共に進み、最終的なところは語られないが、人類はきっと滅亡してしまうのだろうな……。

 

 

 「ストーリー(核心)」 ネタバレ注意!!(警告3)

 主人公(♂)の家は牧場を営んでいる。
 主人公になついている牛(♀)がいる。
 そしてクラスメイトのヒロイン。

 彼らの日常的な風景から物語は始まる。
 日常を壊したのは、UFOの存在。オレンジを餌に牛をつり上げ、これを改造してしまう。
 改造された牛は宇宙人らにAタイプと呼ばれる。
 牛を餌に主人公もつり上げられ、改造されてしまう。
 改造された人間はBタイプと呼ばれる。
 ここでいう「改造」された牛や人は、「大量生産できる」ことと「稼動時間に限りがある」ことから、クローン技術とサイボーグ技術の融合したものと推察される。
 改造されて喋られるようになった牛は、改造された主人公と交配を行う。(なんて好色な牛だ! しかも愛の結晶を三匹も授かってしまった!)
 失踪した主人公を探して街に向かったヒロインは、騙され、身体を売るはめになる。(気の毒で言葉もない)



 

 

 「感想(ラストの展開とか)」 ネタバレ注意(最終警告)

 最初に主人公の名前を決められるのだが、デフォルトでは「主人公・♂」となっている。
 にもかかわらず、グラフィックから直感的に主人公を女だと思いこんでしまった私には「主人公・♀」に見え、ヒロインが主人公に惚れていると知るまで(主人公を裏山まで探しに行く直前)性別を勘違いしていた。しかも名前はデフォルトのままで、後々、雰囲気が出ない。かといって、どんな名前がよかったのだか……。タオルケットにでもしておけばよかったのか? タイトルの意味も分からないし。

 牛がオレンジによってつり上げられたり、明らかに罠だろうと分かっていながらもダミーの牛にとびついて捕獲されてしまう主人公。このあたりはまだほのぼのとしていたが……。

 宇宙船の中で気が付いた主人公(B-5だったかな?)を動かすところは衝撃的だった。
 プレイヤーは「ここは宇宙船の中だな」と簡単に予測が付き、主人公には自分がなぜこんなところにいるのか分からない。ここではプレイヤーの優位性がある。
 が、マップを進んでいくと、「精度が上がったな」とか意味深なことをいう宇宙人。そして何のものか分からない肉塊。切断され動かない牛。
 ゴールとなるフロアに到着すると、「ここまで来られておめでとう、性能が上がったね」的なことをいわれざま、ビームで頭を破壊される。ここではもうプレイヤーの優位性なんて消えている。
 「今操作していた主人公は複製された主人公であって、UFOに拉致される前の主人公とは違ったのだ」「さっきの肉塊は初期の試作品(B1〜4)が同様にビームで打ち抜かれた死骸なのだ」「そして切断された牛も同様の目に遭っているに違いない」というようなことに気付かされる。
 宇宙船から脱出したときは主人公のコードはB-12で、記憶はあったとはいえ(脱出の際に記憶は失われてしまうが)、これは以前の主人公とは別人ということではないか……? と思って話を進めていると、やっぱりそういうことで、最後の方の舞台「処理場」ではオリジナルの主人公が生命維持装置によってかろうじて「ただ生かされているだけ」である姿を確認することができる。なんのイベントも挿入されていないが、プレイヤー側で勝手に空しさを感じてしまう。

 宇宙人の侵略が進み、誰もいなくなった主人公の家を訪ねたり、ヒロインの母の死体を見付けたりしたときの空しさも、イベント的に何も語られることがないことで逆に悲しくなる。そんなだから、中盤、終盤の「ポン」や「ホコリ人間」や「ネズミ」のような愛らしいキャラクターの愛らしさを素直に受け入れられなかったりする。それよりも虚無感が大きい。彼らの愛らしい世界は人類滅亡とは無関係でいられる逃避的な空間でもあることだし……。

 んで、最終的にはパーティ全員がストーリー的に死ぬわけで。
 年齢を理由に降板させられたTVアナの「光恵さん」が、真っ先にリタイア。寄生した宇宙人に頭部を破壊され、暴走して主人公側に撃退される。この人、後半は「くうき」と化していたな……。ストーリー的な役割も弱い。「ヒロインに『主人公は誘拐されて都会に連れて行かれたのかも』と考えさせる」役割と「宇宙人の襲来をTVによって告知するため、TV局へ向かおう」展開を導くためだけの存在のような……。戦闘要因として活躍している割には扱いが脇役すぎで、ろくな死に方もしなかったという悲惨な役回り。
 「牛・A-11」は、処理場から救出されるも、既に改造済みで、宇宙人側の望むタイミングによって理性を失うことに。これによって仲間の「ケツあご博士」を無惨に殺してしまうし、あたかも雑魚キャラのうちの一匹のごとく主人公(牛からすれば三人の子供を授かった愛すべき夫)に撃退され、無惨に死ぬ。
 都会の闇で初心を失い、夜の街で茨の人生を歩み、宇宙人の一日21時間労働を強いる風俗店(?)で働かされ、主人公と再会したものの彼は記憶喪失になっていたという過酷な目に遭ったヒロイン「ばりばりうめ」は、それでも健気で、主人公に後で部屋を訪ねるよう約束させるも願いが果たされる前に、宇宙人に寄生された人間(あるいは人間に寄生した宇宙人)に食われるという最後。
 主人公も稼動時間の限界を迎える。
 ……。

 それでもこの物語に救いがあるとすれば、最後の最後、主人公は再起動の際に失った記憶を取り戻し、ヒロインと共に精神的に結びついて安らかに眠るところがそうだ。
 世界がどうなろうとも。
 自分たちのの歩んできた過去や運命がどのように悲惨であったとしても。
 精神的な世界での幸福――
 すなわち、自分自身が幸福なのだと信じれば即座にやってくる客観性を排除した種類の幸福。
 ここに救いがある。

 ……とでも思わなければやってらんない。

 


 トップへ