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【タイトル】 タオルケットをもう一度4海
【ジャンル】 RPG
   ※RPGツクール2000使用

 

 ●タオルケットをもう一度シリーズ●
 シリーズも四作目が出回るようになりました。私のように「タオルケットだからとりあえずやっておくか」というスタンスのフリゲゲーマーも結構いることでしょう。
 このシリーズもののRPGは「1」「2」「3」「4」で直接的なストーリーの繋がりはありません。しかしこれらのシリーズはすべて共通の世界で起きていることなのです。その世界では宇宙が黎明から終焉まで何巡も繰り返されていますし、その宇宙というのも一つではなく複数あるようです。ですから、同一同名の人物が登場したとしても、全く異なった人生を歩んでいるのです。この設定は結果的に手塚治虫の使っていた俳優システムのようなものとして機能しています。ある作品では悲劇のヒロインだった彼女が、別の作品では脇役だったり無口な助っ人だったりするわけです。
 多くの場合、「もーちゃす」という少年が話のメインにやってきます。彼に思いを寄せている女の子も必ず登場しますし、たいていはグロくてエグいめに遭います。また、「魚帽子」と称される魚の帽子を被った定番キャラクターも頻出です。魚帽子は今のところ敵役としてしか登場していません。

 

 ●「4」の特徴●
 今回紹介する「4」だけは、しかし、これまでの作品と違って、「ストーリーは地続きじゃないからどれからやってもいいよ、4からでも」とは言えない内容になっています。「4」からはじめても支障はありませんが、最大限に楽しもうとするならば「1」「2」「3」を先にプレイすることをお奨めします。というのも、「4」は「1」「2」「3」以後のお話だと明確に示されているからです。「1」でラスボスだった魚帽子が、「2」で敵であった宇宙人たちを地球侵略にそそのかしたという事実が明らかになりますし、「3」で地球征服(それどころか宇宙征服)を果たしたロボットたちの親玉をそそのかしたのも魚帽子の仕業だと明かされます。「4」にはこれまでの作品の世界を束ねる役割がありますし、多くの仲間はほとんど詳細な説明もないまま仲間に加わりますし、多数登場する女神についても「4」だけでは「あんた誰?」状態に陥ります。
 そういった性質上、先に過去の作品からプレイすることをお奨めします。

 

 ●「4」のシステム●


 ●パーティ編成システム
 「4」では、「1」で採用されていた助っ人システムを拡張したものが用いられています。ぶっちゃけ、自在にパーティー編成できるようになっただけでゲーム史としての目新しさはありません。第九章からストーリーの縛りが緩くなるため仲間の急激な増加へと繋がり、自在にパーティを編成する楽しみがでてきます。ていうか仲間多すぎです。それぞれのキャラの長所が分かりづらいことから、自然とお気に入りキャラでパーティが編成されます。
 ●技の習得
 メニュー画面から技の習得が可能です。これもこれまで通り、技を習得できるアイテムを購入するかたちをとっています。取り急ぎ回復技を一つ習得しておくといいでしょう。
 ●たね
 「ちからのたね」なら「ちから」のパラメータを高めます。敵を倒すと落とします。手に入りやすいので、じゃんじゃん使いましょう。第九章になってから仲間が増えるので、レベルの低い彼らのために貯めておくのもアリです。
 ●せつめい
 登場人物の説明をしてくれます。ストーリー進行とともに突然コンプリートされるので、さしあたって無視しておいてください。

 ●「4」のストーリー(それなりにネタバレ注意)●
 不思議な精霊と知り合った「もーちゃす」は、特定のロッカーを通じて別の世界へ行けるようになる。ところが出かけた先の過去の世界で海賊に囚われになってしまう。別世界に身を置いていると自然とその世界に馴染んでしまい、もといた世界の記憶を失ってしまう。
 もーちゃすの友人「もか」と「ぱりぱりうめ」は、行方不明になったもーちゃすを探し、ついに別世界にまで辿り着く。ところがもーちゃすにかつての記憶はない。それどころか、海賊「ぷっちーね2世」として生きるもーちゃすはぱりぱりうめを強引に妻に迎え入れ、もかを追い払ってしまう。
 もかはポンの住まう村で世話になりながら、もーちゃすを連れ戻すことを考える。ぷっちーね2世に海へと投げ捨てられたときに助けてくれた命の恩人である人魚の「こうちゃ」とともに、再び旅に出る。
 こうちゃは人間のもかに好意を寄せていて、彼に近づくため、魚帽子の精霊と取引し人間の下半身を手に入れる。
 鳩族の三姉妹の力を借りながら、もかはもーちゃす(ぷっちーね2世)の前に再び立ち、これを打ち破る。しかし、もーちゃすとぱりぱりうめを元の世界へ連れ戻そうというときになってロッカーの前に魚帽子が立ちはだかる。魚帽子の一団は全ての世界を掌握しようと目論んでいた。魚帽子の一人、アールエアからもかへの攻撃をかばったこうちゃは顔に重傷を負う。
 幽閉され、処刑を待つのみとなったもか達の運命やいかに!?

 と、ここまでが1〜7章の展開。いかにもタオルケットシリーズ的な甘ったるい恋愛が中心にある。正直、それはもういいんだよ、おなかいっぱい、モカや紅茶よりコーヒーが好みなんだよ、と思っていたら、第八章で話のタッチが変化する。まさか、まさかのギャグ展開! とだけいっておこう。あとはそれぞれでプレイして確かめてもらいたい。

 

 ●キャラクター一覧●
 パーティに加えられるキャラの特徴を軽く紹介する。

 ○もか○
 タオルケットシリーズは、レベルアップごとにどんどん新しい技を覚えていくというイメージがあったのだが、この「4」はレベルアップに伴って習得する技能が圧倒的に少ない。パーティから外すことのできない主人公「もか」も3つしか覚える技能がない。
 しかしながらよい星のもとに生まれておいでの主人公である。装備品が限りなく優遇されているし、ストーリーの進展に伴って習得する全体攻撃がすこぶる強力。「比較的厳しいゲームバランスだったが、月の魔弾」を習得してからは怖いものなしだった。
 あと、お前、男か女か分かんなくなるときがあって困ったわ(笑) ヒロインのこうちゃが出てきてくれて、もかが男だと見なせるようになったが、グラフィックやもーちゃすへの思いが乙女ちっくで混乱したぞ。

 ○こうちゃ○
 レベルアップに伴って覚えるのは攻撃技能3つだけ。しかしメインヒロインだけあっていくらか優遇されている感じ。蘇生技能もストーリーのどこかで習得する(はず)。
 結局、最後は使い倒した感じ。

 ○ぷっちーに2世○
 「もーちゃす」くん。今回も主人公、と見せかけてそうではなかった。自身のステータスを強化する技能を持つ。最後までご同伴願いましたが、あんまり光るものがなかったなぁ、という印象。

 ○ぱりぱりうめ○
 「2」ではメインヒロインを貫いたが、「4」では「くうき」役。なんということでしょう、レベルアップしても習得する技能が一つもないという徹底した空気ぶり。

 ○鳩ぽっぽちぃ○
 鳩族三姉妹の長女。ブロンドのお姉さん。もふもふされたいです。主人公やヒロインであるもかやこうちゃ、前作の主人公やヒロインであるもーちゃすやぱりぱりうめと違い、三姉妹はレベルアップで習得する技が豊富です。長女は攻撃技能が多め。レベル20の「全体攻撃+2」が打ち止め。
 なんかこのぷかぷか浮いているグラフィックがいい。

 ○鳩かずえ○
 鳩族三姉妹次女。化粧の濃い人。レベルアップに伴う技能の習得はレベル16で打ち止め。すべて全体攻撃。

 ○鳩ぷっち○
 鳩族三姉妹三女。緑の髪のぷっち。このゲームにはプッチが三種類でてくる。作者は好きなのか? 覚える技は全て回復。レベル18までに六つの回復技能を覚える。
 序盤は回復担当で使っていたが、打たれ弱いので自分自身が回復しなくちゃいけなかったりして。だからこそはじめのうちに、もかに回復技能をもたせるのが得策だと思うのだが、どうだろう。(あれ、鳩ぷっち全否定?)

 ○ポンのお婿○
 ご先祖様の犯した罪で呪われているポン。しかしストーリーとともに呪いが解ける。レベルアップとともに覚える技能は二つだけ。
 使っていなかったので知らないが、二度の覚醒イベントでなにか技を覚えるのかなぁ……?

 ○エスカリーテ○
 ポンの呪い、それは不細工としか結婚できないこと。その不細工がエスカリーテ。しかしてその実態は!?
 見た目が悪いので避けていた。知っていたら使い倒したのに。ぷっちーねとか使わなかったのに。技も14個習得する。なにこれひいきですか。攻撃面の強化で役に立つこと間違いなし。

 ○ぴあん○
 性別わかりにくいの二号きたコレ。雄ですよ、雄。どうみたって女キャラのグラフィック。肩書きが初っぱなから「くうき」で笑った。ぱりぱりうめと同じで、本当に空気だった。技は二つ。まあ、強制的にパーティくまなきゃいけない第八章では十二分に活躍してくれるが。

 ○モモちゃん○
 はい牛きたコレきたー!!! いつものオッパイミサイルやってくれー! とか思っていたら、うん、今回はロボじゃないからそんなことできませんよねー。と思っていたら、もっと酷い。ひどすぎる。子供に爆弾持たせて特攻させる技能の鬼畜っぷりがたまらない。レベル18まで順調に技を覚える。
 ただ、後半でやや力不足を感じたような気も。気のせいか。

 ○にゃもにゃも○
 使ってなかったので分かりません。
 レベル19で打ち止め。全部で五つの技能。

 ○裏ぷっち○
 使っていなかったので分からない。
 ぷっちということで打たれ弱いイメージはある。相手の防御力を下げる技能を習得。

 ○こげぷっち○
 使っていなかったのでなんとも。
 技能だけ見ると攻守すぐれている感じ。

 ○猫足昆布○
 にゃんこ先生。「エリザベス」や「火のたま」を極めていくキャラ。

 ○猫頭巾○
 にゃんこマスター。なんだ、この敏捷性は。
 攻撃技能と相手の攻撃力を低下させる技能を習得する。ボス相手だと有効なのだろうか、あまりその手の戦法を試したことがないので分からない。

 ○アームたん○
 アーム技と言えば全体攻撃の代名詞。しかしいかんせん威力不足のようなイメージが。冴えない全体攻撃と根性技(自身のみ有効な防御強化と回復)ばかりとなるとパッとしないなぁ。

 ○うみぶたくん○
 たぶん、回復役としての最高峰。水の技(エリザベス)を極めるのと回復技能を極めるこの仕様は驚愕もの。
 まあ、MP消費の半減したもかが全体回復を連発できるようになったら同じことだが……。

 ○みんぽぅ○
 どこにいたんだ、仲間にできなかったぞい。
 魔拳が得意の無口な女の子。

 ○あごちゅ博士○
 うぉーい、どこで仲間にするんだー?
 防御と攻撃の強化ならおまかせあれ。とくりゃ長丁場のボス戦にはもってこいのキャラ。

 ○いかにゃーお○
 お、おまっ、仲間になれたのか……、乗り物でしかないと思っていたのに……。
 攻撃力強化の技能を覚える。


 

 ●感想●
 それでは、プレイ録などふまえながら感想をば。

 とりあえずゲームを始めた段階ではもーちゃす主人公というつもりになっていて、今回のぱりぱりうめは幸せになれるのか、とか考えていた。きっと誰でもそうだと思う。ところが性別のよくわからないもかが主人公で、突然出てきた人魚のこうちゃがヒロインだというのだから、裏切られたというと違うが、なかなかなじめなかった。やっていることも(シリーズを通してふまえれば)二番煎じのラブラブ展開だし。だからなのか、鳩の三姉妹がキャラ的に魅力を持っていた。この辺りで今作はグロが少なめなのかなと思い始めている。それはまあ実際、当たっていた。最後の最後までいかなければグロはなかった。せいぜいが第七章の最後でこうちゃが顔を(刺されるかして)負傷したところぐらいか。このとき「こうちゃ」=「紅茶」だとか、「もか」=「モカ」だとか、飲み物が名前の由来だと気づいたのも、くさい展開から距離を置こうとした精神の働きによるものだ。ぎっぷるが傍にいたなら始終くっさぁーと叫んでいたことだろう。
 惰性で最後までプレイするだろうことは分かっていたが、ある程度見切りをつけていた。ところが、なんという見込み違いだろう。くさい展開が続き、こうちゃが負傷するシリアスな展開になったその次にやってきた第八章が、まさか、あんなにギャグを重視してくるなんて。「1」でラスボスが最終的に息を引き取ったのもタオルケットの馬鹿馬鹿しい使い方というギャグエンドだったわけだが、あの手のギャグはお約束的なものとして受け止めるものであって、笑う場面ではなかった。ところが「4」は実際に声を出して笑ってしまった。
 はなしのずっとはじめの方に単なる通行人のように配置されていたもかの家族に牛がいたことは、もうほとんどスルーしていたのだが、改めて持ち出されるとシュールすぎる。ステータス画面を開いて、ぴあん(もかの父親、モモの夫)の肩書きが初っぱなから「くうき」だっただけでもツボだった。モモはおそらく人型をしているはずなのだが、グラフィックではどう見ても牛だし。唐揚げタンポポを歌ったかと思えば音痴だし。女神たちに拒否されてるし。ドラクエでいう「ぱふぱふ」に近いはずの技「もふもふ」が技能として普通に入ってるし。魚帽子との第一戦、第二戦の前ふりがやたらとコミカル。
 笑ってばかりもいられなかったのは、「4」が敵を強めに設定してあるから(ゆるゲーと名高いシリーズではありますがねっ)。魚帽子の一人目ヘミオラを経験値稼ぎ一切なしで撃破して調子よく先へ進んでみれば、ロッカーは一方通行で戻れないし、その先は魚帽子の二人目アールエアと戦闘だし。詰みだった。一つ前のセーブからもう一度。で、アールエアが結構強くて、同じギャグを三度も見てしまった、と。
 それにしても「4」はそこはかとなくエロい。変態の仔牛がいるからというのじゃなく、直接的ではない淫靡さがある。こうちゃが人間の下半身を手に入れたことも、いわば、結婚式の後の初夜のため。このことはストーリー終盤でさらっと暗示されるのだが(最後の最後の最後には明示もされる)、ギクリとさせられた。好きな人間の男の子と同じ姿形でいたいという思いで手に入れた下半身というのではないのだ。人間の男の子と交わるための具体的な女性性器のついている下半身を必要としたのは、あまりにエロちっく。はじめは「人間の足を手に入れたぐらいの取引でごちゃごちゃうるせーな、この魚帽子」くらいに思っていたが、実際には「異種間での恋愛を成就させる呪術」めいたものと判明するわけだ。となるとそこにどす黒さや理不尽な代償も納得できるというもの。ラスボスの「ふりくすくす」の下半身はこうちゃのもの。人魚の下半身。ふりくすくすへのダメージはこうちゃへのダメージでもある。ラスボス撃破の直後にもかはこうちゃへ致死量のダメージを与えてしまったことに気づく。もかはこうちゃとずっと一緒にいるという誓いを遵守すべく、ふりくすくすの誘いにのってしまう。かくして、人格に異常を来したもかは、灰色の海で、こうちゃの遺体を食べる。
 約束を守るいかにも倫理的な感情が、倫理とかけ離れた狂気へと彼を転生させてしまったことは衝撃の結末だった。ストーリーの途中で魚帽子たちが幾度か正義と悪は相対的な価値にすぎないという点を強調してきた。魚帽子の一人セラーは最後に言う。「お前達が思う正義なんて幻だ。私たちの悪はお前達がいるからだ。お前達の悪は私たちがいるからだ。」 そんなことをいわれても、主人公パーティは立ち止まるはずがないし、プレイヤーも、シリーズを通して魚帽子が悪役だと知っているから聞き流す。たとえ価値が相対的であるとしても、自分の立場が変わらない限り価値もまた変わらないことをどこかで考えながら。しかしラストで価値の転換が訪れる。もかに価値の転換が訪れることは、彼の背中を押していた誰もが考えていなかったことだろう。まさかこんなかたちでその言葉が牙を剥いてくるなんて。しかも、どうにもしようがない。ただ無力に、空虚の海を漂うしかないような印象で、ゲームは最後に告知していく。
 「タオルケットをもう一度5に続く」
 えっ!? そのエンドもまた珍しい!

 

 ●蛇足●

 「タオルケットをもう一度/裏」てのがあるが、まだプレイしてない。誰か目立つところにレビュー書いてくれ。

 「4」のreadmeに目を通すと二次創作禁止とあった。う〜ん、それ制限しない方がいいと思うけどなー。

 


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