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2007年6月28日
「3月末退去一時要求」

3月末退去一時要求
住民反発強める
三重県桑名市の15階建てマンションで欠陥が発覚し、住民が退去している問題で、分譲した三交不動産(津市)が昨年12月、欠陥を認めて退去者の部屋の買い取りを提示した際、今年3月末までの退去を条件としていたことが27日、分った。条件は社長名の文書で提示され、住民の反発で期限が延期されたが、「欠陥が原因で退去せざるを得ないのに納得できない」と不満の声が上がっている。
問題のマンションは、04年1月に完成した「サンマンションアトレ益生駅西」。同社が欠陥を認め住民に謝罪した昨年12月17日付の社長名の提案書で、90%で部屋を買い取る方針を示した。しかし、文書は「平成19年3月31日かぎり弊社にお引渡しいただきます」と明記。今年1月12日までに退去か残留の決断をすることが盛り込まれ、さらに態度を決めない場合は「本提案をご撤回申し上げる場合がございます」と書かれていた。
住民の抗議で、同社は2月になって退去期限を6月末に延期したが、転居先の都合などで引っ越せない住民とは、個別に交渉しているという。
同社の坂井義行・経営管理本部総務部長は「学校の都合などを考えると3月がいいと単純に考えた。現在は個別に対応しており来年3月まで住みたいという相談にも応じている」と説明している。
これに対し、住民は「今も早期退去を求められている」と話す。転居先の分譲マンションの完成を待って来年3月に退去を希望する無職男性は「9月末の退去を迫られている」。同社から「入居し続けたい人の不安を取り除くため、補修をする。早く出ていってほしい」と言われたという。
同じく来春の退去を希望する主婦も9月末の退去を求められているという。小学校低学年の子どもが学校に慣れ、転居すれば転校せざるを得ない。「学年末まで住めないかと相談したが、『そんなことを言うのはあなただけですよ』と言われた。たった数ヵ月で転居先は決められない」と不満をあらわにした。(保坂知晃)