自重のみによる崩落事例

【事象】

2003年8月26日新潟県新潟市で自重のみによって突然、連絡橋崩落。

2003年9月1日事故調査委員会現地調査開始。

2004年9月7日、新潟県が、事故の原因が不透明なまま設計と施工にミス「共同不法行為」があったとして、新潟地方裁判所に損害賠償を求めて提訴。



【原因】

『見解の相違』

1.落下事故調査委員会:構造設計上の耐力はギリギリの状況であり、自重による持続的な荷重で時間がたって壊れた可能性が高い。設計通り施工しても変形を起こした可能性がある。」

斜材ロッド定着部設計耐力の不足(構造)・U字形補強筋の配筋不具合(施工)、ジャッキダウン時の異常なたわみ(PC床版施工)など、定着部の損傷発生が原因であるとした。




2.日本建築構造技術者協会(JSCA)事故調査タクス・フォース:「構造解析によれば、工事が正しく行われていれば自重のみで落下することはなくジャッキダウンによる構造体の損傷が原因。」と施工上の問題に特定。」

ジャッキダウン時および竣工時に発生した下弦材PC(プレストレスコンクリート)床板の曲げ応力の影響によって、斜材ロッド定着部近傍に過大な曲げ亀裂が発生、その後、時間とともに当該亀裂が進展し、定着部のコンクリートの有効せん断面積が減少し崩壊に至ったと特定。




3.その他の説:「上弦材鉄骨破断説」等

設計内容、施工内容を無視し崩壊した現象だけから原因を探し、崩壊のプロセスと現象を力学的に解明。最初の崩壊起点を特定する。落下事故の原因を溶接欠陥とした。


(参照)

科学技術振興機構JST
http://shippai.jst.go.jp/fkd/Detail?fn=0&id=CD0000143&


数回に渡る裁判所からの質問事項の内容(PC床版の構造・定着部に作用している力の種類・クリープ破壊とせん断破壊の関係・都道府県が建築する場合建築基準法上経なければならない手続きについて・第一回ジャッキダウン時に定着部に亀裂または内部に損傷を生じていたとする根拠・構造耐力不足を間接事実と位置づけるなら当該推認力(主要事実との関係)の明示についてなどごく基本的な質問)および、クリープ破壊・クリープ現象など推定の域を超えない論証資料をみるに、本件の事実確認・事実認定をおこなう能力・資料等が司法(裁判所)に有するのか甚だ疑問ではあるが、いずれにせよ建築物が『自重のみ』によって突然、崩落したことは事実であり、かつ人の生命・身体など社会に対する影響が甚大であるため、本件においては、特に「契約関係」(県当局)および「設計管理」等、分掌関係を明確にし、崩落との因果関係をより高度な推認、間接事実から位置づけることが肝要である。








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(2008/8/10)