女優としての保田圭


・はじめに

・2004年
 ・羅生門 女たちのまぼろし
・2006年
 ・夏ノ夜ノ夢
 ・ネムレナイト
 ・MAMA LOVES mamboW
・2007年
 ・昭和歌謡シアター『新宿の女』
 ・楊貴妃の漢方薬
 ・ちがいますシスターズ
 ・コースター
・2008年
 ・志士たち
 ・THE☆どツボッ!!
 ・猫目倶楽部(ゲスト出演)
 ・レモンスター
・2009年
 ・ミコトマネキン
 ・エブリリトルシング'09
 ・ロマンチックにヨロシク
・2010年
 ・桃色書店へようこそ(ゲスト出演)
 ・マーダーファクトリー
 ・眠れぬ夜の1×8レクイエム

・映像化された舞台

ちがいますシスターズ

2007年8月15日〜19日
東京都 紀伊国屋ホール
全6公演

モーニング娘。卒業後の舞台出演第7作目。
「ネムレナイト」に続き、劇団「大人の麦茶」さんの舞台に、2度目の客演。
保田さんの出演した舞台の中で、今の時点で、私が一番好きな舞台です。

私はどうしてこの舞台が好きなのかと考えると、
保田さんの出番が結構多かったということがあると思います。
ファンとしては、保田さんの演技が多く見られるというのは、非常に嬉しいのです。
とても良い役を頂いたなあと思いました。
さらに今回は、保田さんの演技の新たな側面が観られたということもあります。
それは、会話の演技です。
勿論、これまでの舞台でも会話の演技はあったのですが、
ただそれらは、時間的に短く、
会話の重なりも、1、2回ぐらいのものが多かったように思います。
この舞台では、会話の時間も長く、重なりも、2回3回4回5回と続いてゆきます。
そこがこれまでの舞台とかなり違う点だと思います。
例えば、コハルでの、常連さん達との会話。
「昔取った杵柄」というセリフが出てきますが、そのとおり、
昔の看板娘健在といったところで、堂々とした自信のある感じがよく出ていたと思います。
一方、辻さんとの二人っきりの時の会話。
時には過剰になり、時には途切れがちになる会話が、
お互いの思う所の多さを表現していて、とても良かったと思います。
いずれも間の取り方が大事になってくるのですが、
「楊貴妃の漢方薬」での体験が生きたのか、
適切なタイミングのセリフが多く、会話の重なりにもあまり破綻は無かったように思います。

難点を言えば、今回保田さんのセリフ回しは、
上ずった部分というか、声のトーンが高めの部分が多かったように思いました。
これは、例の弱点が出たというよりは、
役作りとして、敢えてそういうセリフ回しにしたのではないかと思うのです。
保田さん演じる小春には、とても可愛らしい部分があり、
声のトーンを上げることによってその可愛らしさが際立ってくるのですが、
感情が高まった時のセリフになると、更にトーンが上がってしまい、
結果として不自然になってしまっていたようにも思います。
もう少しトーンを落として、
別の要素で小春の可愛らしさを表現しても良かったのではないかと思いました。
また、全体的なセリフ回し自体にも、何と言うか、
まだきちんと身体に付いていない、付け焼刃のような感じの部分も若干あったように思うのです。
この部分は、もう少し稽古を積めばどうにかなったように思うのですが、
良い役だっただけに、とても惜しかったと思います。

しかしながら、ここはもうファンの贔屓目で、
そんな難点など蹴散らしてしまうほど、
保田さんの会話の演技が新鮮で、
そのような演技が観られたことがとても嬉しい舞台でした。
(2009.1.28)