女優としての保田圭


・はじめに

・2004年
 ・羅生門 女たちのまぼろし
・2006年
 ・夏ノ夜ノ夢
 ・ネムレナイト
 ・MAMA LOVES mamboW
・2007年
 ・昭和歌謡シアター『新宿の女』
 ・楊貴妃の漢方薬
 ・ちがいますシスターズ
 ・コースター
・2008年
 ・志士たち
 ・THE☆どツボッ!!
 ・猫目倶楽部(ゲスト出演)
 ・レモンスター
・2009年
 ・ミコトマネキン
 ・エブリリトルシング'09
 ・ロマンチックにヨロシク
・2010年
 ・桃色書店へようこそ(ゲスト出演)
 ・マーダーファクトリー
 ・眠れぬ夜の1×8レクイエム

・映像化された舞台

眠れぬ夜の1×8レクイエム ネイキッドポリスアカデミー

2010年6月9日〜15日
東京都 紀伊国屋ホール
全8公演

モーニング娘。卒業後の舞台出演第16作目。
保田さんは、警視庁特殊巡回機動隊員:南條伊織という警察官役でした。
前作の「マーダーファクトリー」でも、保田さんは警察官役だったのですが、
この2つの舞台に共通していたのは、それだけではありません。
両方の作品に、実際に起こったある事件が影響を与えており、
また、主人公の幼少時のエピソードも、非常に良く似た設定になっています。
一方はシリアスで重く、他方はコメディ的な笑いも多いという違いこそあれ、
今の社会状況が、私たちに、どのようなものとして感じられているのか、
とても興味深い舞台であったように思います。

保田さんが演じた南條伊織は、特殊巡回機動隊の中では、
エリートのグループに属しています。
パンフレットにも、保田さんは、
「今回の舞台の役どころはズバリ!ザ・出来る女です(笑)」と書いています。
役柄としては、上司(水木英昭さん)の信頼厚く、
冷静沈着で、テキパキと行動する女性であったわけですが、
相手役の、小松彩夏さん演じる「桃ちゃん」の、
ポヨーンとした雰囲気との対比が取られていた事もあり、
保田さんのセリフ回しは、全体的には、その役柄を良く表せていたように思います。
前作で目立った「セリフの強調のしすぎ」も、
終盤の、報告書の朗読シーンを除けば、ほとんど無かったように思います。

ただ、細かいことですが、
後半の、保田さんが小松さんと一緒に捕まって、
竹匠さん演じる「羽原君」の秘密が明らかになるシーンでは、
保田さんのセリフが少し先走っていて、
間がうまく取れていないような部分もあったように思います。
じわじわとスピードが上がってくる展開の中で、
それに合わせようとしたのかもしれませんが、
もう少しセリフを溜めても、展開のスピードは削がれず、
かえってメリハリが出たのではないかという気もしました。

保田さんの殺陣についてですが、
保田さんが刀を使った殺陣をするのは、おそらくほぼ初めてだったろうと思います。
(昔、「ハロー!モーニング。」で、見た記憶はありますが。)
男性なら、小さい頃にチャンバラの真似事をした経験があるかもしれませんが、
女性の場合は、そういう人は多くないと思います。
また、この舞台の稽古の時期は、
矢口真里さんとの「Special Live 2010」とも重なって、
スケジュール的にかなり大変だったように記憶しています。
しかし、それらを差っ引いても、
保田さんの殺陣は、非常に残念ながら、形になっていなかったように思うのです。
身のこなし方はそんなに悪くはないのですが、
太刀捌きがほぼ壊滅状態であったように思います。
相手役の小松さんは、「桃ちゃん」の役柄として、あの殺陣で構わないのですが、
保田さんの場合、「桃ちゃん」との対比が絶対的に必要だったわけで、
その対比が上手く取られていなかった為に、
保田さんの言う「ザ・出来る女」という設定が
怪しいものになってしまったような印象でした。

今回の舞台も、「エブリリトルシング'09」以来続く、「強気な女性」の役だったわけですが、
このタイプの役は、やはり保田さんに合っているように思われ、
また、保田さんの演技も、かなり安定しているように思います。
その分、殺陣がもう少し形になっていれば・・・と惜しまれる舞台だったと思います。
(2011.1.23)