女優としての保田圭


・はじめに

・2004年
 ・羅生門 女たちのまぼろし
・2006年
 ・夏ノ夜ノ夢
 ・ネムレナイト
 ・MAMA LOVES mamboW
・2007年
 ・昭和歌謡シアター『新宿の女』
 ・楊貴妃の漢方薬
 ・ちがいますシスターズ
 ・コースター
・2008年
 ・志士たち
 ・THE☆どツボッ!!
 ・猫目倶楽部(ゲスト出演)
 ・レモンスター
・2009年
 ・ミコトマネキン
 ・エブリリトルシング'09
 ・ロマンチックにヨロシク
・2010年
 ・桃色書店へようこそ(ゲスト出演)
 ・マーダーファクトリー
 ・眠れぬ夜の1×8レクイエム

・映像化された舞台

楊貴妃の漢方薬

・2007年5月23日〜29日
 大阪府 HEP HALL
・2007年6月9日〜17日
 東京都 シアターグリーン BIG TREE THEATER
全25公演
(東京公演は、つつみかよこさんとのWキャストのため、保田さん出演は全18公演。)

モーニング娘。卒業後の舞台出演第6作目。
劇団「ファントマ」さんの舞台「楊貴妃の漢方薬」に客演。

個人的な希望を言わせてもらえれば、
ベースとなる役での舞台を、あと何作か経験して、
より確実なものとしていってもらえたらと思っていましたが、
そんなに都合よくは行きません。
この舞台の保田さんの役は、中国・唐時代の玄宗皇帝の正室である武恵妃。
皇帝の后ということで、高貴で威厳のある物腰とセリフ。
と同時に、それと相反するようなコミカルな演技もこなさなければなりません。

「高貴で威厳のある演技」に関してですが、
これは、「宝子」や「りえ」には無かったセリフ回しになっていました。
こういうセリフ回しには、おそらく「型」のようなものがあり、
それをなぞって稽古すれば、誰でもそれなりのものができるようにも思うのですが、
それでも、保田さんの凛とした発声と姿勢は良かったと思います。
それがあったからこそ、それとの対比で、
自分が玄宗に見えていないと知った時の取り乱し様や、
コミカルなセリフ等が効いてくるのだと思います。
しかしながら、威厳のあるセリフ回しには、セリフの強調が必要になってくるわけで、
そうなると、保田さんの弱点である、
「強調のし過ぎ」や「強調点のズレ」が出てくる場合があるのです。
特に、最後の出演シーンでのセリフは、
玄宗皇帝を守ろうとする気持ちを強く出そうとして、力み過ぎているように思いました。
(この部分は、以前「ネムレナイト」で書いたのと全く同じ状態だったように思います。
ファンの目線で言わせてもらうと、そういう所が本当に保田さんらしく、
少しニヤニヤしてしまうのですが。)

この舞台を見たファンの方の感想に、
「間の取り方が重要だ」というようなものがありました。
私もそう思いました。そして、それは本当に難しいと思いました。
特に、安禄山が寿王を馬にして、ライチを求めて駆けて行き、
それを霊方士と武恵妃が妨害しようとする場面。
この舞台で保田さんの演技力が最も試されたのが、この場面だったと思います。
力強くスピーディーな展開の中で、腹筋さん演じる霊方士との掛け合い。
ここでいかに間の取り方が重要であるかがよくわかります。
適切な間を取ることによって、この場面は観客により強く印象付けられますが、
不適切な間だと、一気にぐだぐだになってしまいます。
勿論、ぐだぐだも表現の一つではあるのですが、
「ぐだぐだを演じる」のと、「ぐだぐだになってしまう」のとは、やはり違うと思うのです。
これは非常に難しい場面であり、
今まで保田さんはこういう場面はあまり経験してないように思うのですが、
(強いて言えば、「夏ノ夜ノ夢」での、男女4人での取っ組み合いの場面に似ているようにも思います。)
あと一歩力及ばずという感じで、とても惜しかったと思いますが、
もしかしたらここでの経験が、
次の「ちがいますシスターズ」で大きく生きてきたのではないかという気もするのです。
(2009.1.28)