事故で受けた身体の傷


正式な損傷の名称はわからない。事故直後の一夜で見聞きしたことをご紹介します。

★脳挫傷

左脳にダメージを受け、脳が腫れた状態にある--と説明された。CTの結果も見たが、素人すぎて腫れていない状態がどのようなものなのかわからなかった。腫れがひけば意識は戻るかもしれないが、言語能力は失われるだろうとのことだった。腫れはなかなかひかず、一週間ぐらいは腫れたままだったように思う。腫れは結果的にはひいたのだが待てど暮らせど7年間意識は戻らない。

★骨折

右腕と左足を骨折。右腕は軽症であったが、左足は重症で「歩行は無理かも」と言われた。事故直後は右腕を釣っていた時期もあったがこれはホンの数日だった。左足は長い間牽引されていた。オムツ交換の際にこの左足負傷が結構ネックになった。--脚を持っているように看護婦に言われ、なにせ骨折している脚だしどの程度の力を加えてよいかわからずオタオタしていたら看護婦にどつかれた。でも素人なんだから玄人から適切な指示がなけりゃまともなことは出来ないだろう!とムカついた。患者の家族がやることなのか?しかも事故直後の?--

★内臓

”内臓破裂”は怖いなぁ、と思っていたが、不幸中の幸いで内臓には傷はいってなかったようだ。ただ、肝臓の検査結果の数値が悪いようなことは言われた。この数値は数日で回復したが。

★傷

身体は骨折以外は打ち身程度だった。顔は数箇所切れていた。中でも上唇と鼻の間の傷が大きく上唇が少し裂けた状態にあった。上唇はたらこ状態。傷は7年経った今でも跡となって残っているし、唇の形は事故前の形とは変わってしまっており、上唇は厚く、山があまりないような形になってしまった。

★血圧と脈拍

病室に移された*けんじ*には酸素の管とモニター、点滴、尿の管がつけられていた。症状が安定するまで一週間か二週間、モニタとのにらめっこをしていた。事故当日はわたしの頭もパニクっており、正常値の予測がつかなかったが、あとから考えるとこの一晩に見たモニタの数値はびっくりするほど異常なものだった。
まず、脈拍は100以上、平均130〜140のあたりを表示していた。この数値を見慣れてしまっていたので100を切るととても心配だった。最高は170強までいっていた。時たま0を表示することもあった。冷静に考えれば脈拍は平常時60程度である(ちなみにわたしは80前後もある)。*けんじ*の脈拍はかなり激しい運動をした直後の状態に長い間あったわけだ。
血圧は上が150以上をだいたい表示していた。200を超えて測定器が異常音を出しても付き添っている家族はなんとも感じなくなってしまっていた。異常音がほとんどしっぱなしだったから。血圧が200を超えると看護婦さんが病室に来て点滴の口からなにかの液剤を注入した。「ちょっと血圧が高いので下げるお薬を入れました」と説明して出て行った。その時ふと我に返った。そうだよなぁ、200って異常すぎるほど異常な値だよな、と。と同時に看護婦さんもきちんとみてくれているんだなと妙な安心感を覚えた。

「事故にあって危篤」と聞き、病院に駆けつける間、「脳出血を起こしていなければいいな」「内臓破裂がなければいいな」と少ない知識の中のもっとも危ないと認識していた症状がないことだけを祈っていた。しかし、浅はかな知識では知りえなかった命に危険を来す症状というのがたくさんあるのだと思い知った一日だった。

2001年8月11日(綿)

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