人間機械と失業 第三次産業革命からみた社会・経済論
     経済学に於いて機械を労働人口とみなす考え方

 図解論文 ・ 『人間機械労働人口・論』

 商品(製品) の価値 : 「商品の性能」 = { ( 人間の労働量) + ( 機械等の労働量 ) } = 総労働量

 社会の人々が必要とするものは、すべて商品になる、とする。その、生産された商品は人間的な労働によって成されたものである。従って、「商品の価値」 は 「労働の量」 が、どれだけあるかで決まる。以上の点で異議を唱える人はいない。この限りではマルクス経済学説は正しい。とすると、算定はすべて 「労働の量」 で成されなければ成らない筈である。ところが、マルクス経済学はこの算定の作業で勘違いをしている。

 マルクス経済学は、現状の生産体制による 「商品の価値」 と、2倍の生産力を持つ生産体制でその商品を生産した場合の 「商品の価値」 を “紡績” の例をあげて説明しているが、それは、「貨幣」 による商品の、一種の原価の計算となっている。その結果、同じ商品なのに、異なった 「価値」 となる。
 『商品の価値の大きさは、その商品に実現される労働の分量に正比例し、その労働の生産力に反比例する』 と言うマルクス経済学の 「商品の価値・論」 の誤りを、何故、今日まで見抜けなかったのか?!。(参考文献・人間観の転換 : マルクス物神性論批判 / 保井温著)
 従って、この誤りは、トランジスタの発明による産業革命の “凄さ” の認識を、知識人から奪っていると考える。(「機械の労働量」と労働価値説の成立)

 商品は、人間的な労働によって成された 「労働の固まり」 であり、「性能の具現物」 である。従って、「商品の価値」 は 「性能具現物の価値」 であり、Specification (仕様) で表現される

 「人間機械人口・論」による 「商品の価値」 の内訳は、下表のようになる。(労働価値説・性能価値論)

 「商品」 には二通り の価値がある。
 @ 販売価格 (原価+利潤)=交換価値
 A 性能具現 (総労働量)=性能価値

 ※: 剰余価値の現物 とは、剰余価値から利潤の部分を差し引いた残りの部分。
 貨幣と交換されないもの。買う側の利益となる。

 ※: 性能(Efficiency)の値は、比較による相対値。

 自明の通り、商品の価値は、「労働」 にも 「生産力」 にも正比例する。また、搾取されているとされる労働者にも、剰余価値の 「現物」 が還元される。 「商品の価値」 の絶対的な数値は、算出不可能だが、比較する事によって、相対的価値を算出できる。
 マルクスはこの方法を思いつかなかったのか、あるいは、共産主義社会を実現するため敢えて、「価値形態論」 と言うトリックを使ったのかも知れない。マルクスは、1867年の『資本論』発刊から今日まで139年間、人々をそのトリックの虜にしている点では、天才的な人物である。


 『人間機械労働人口・論』 の経済学的論理の展開 ( 相対値算定法による)

項目 『人間機械労働人口・論』 による定義 備考
商品の価値  性能 = 総労働量 =
 [人間の労働力が造りだす労働量機械等の労働力が造りだす労働量
単位 ; (人口)
 商品の 「総労働量」 とは、原価の労働力によって造り出されたもので、言わば、「原価労働量」 が膨れ上がった量。絶対量の算定は不可能。
すべての労働力の値段

「原価労働量」 の値段
従業員・役員の [人件費(含む・関係費)]減価償却費 (含む・機械、道具、光熱費、材料費、借入金利、各種資産税)] 生産コスト、【単位】 ; (貨幣)
剰余価値  「商品の価値」 − 原価分の労働量 【単位】 ; (人口)
利潤 { 販売価格−生産コスト } = 利潤 ⇒ 「剰余価値」 の一部の値段 【単位】 ; (貨幣)
  剰余価値の一部。剰余価値の全てではない。
現物 ( 剰余価値 − 利潤部分の労働量 )  貨幣と交換されない「機能を果たす物」。
 絶対値は不明。
  【単位】 ; (人口)


 実際に電卓の場合を見てみよう。(下表参照・論理の表現であり、仮定のものです。)

電卓1台に含まれる労働力の量と値段 (コスト) 内訳は、次のようになる。
 人間・労働力・量A(人口) ; 従業員・就業数÷生産台数
 人間・労働力の値段 A(円) ; 人件費÷生産台数
 機械・労働力・量=※500,000(人口) ; (適当な正数を設定し、その労働力・量を定数とする。)
 機械・労働力の値段B(円) ; 減価償却費÷生産台数

 電卓の価値は ; 5,000+500,000=505,000(人口)。 
電卓の機能は同じものと仮定
A:人間の労働力量
 値段  (人口)
B:機械の労働力量
 値段  (人口)
(A+B)
(総労働量・商品の価値と仮定)
コストの労働量
コスト 労働量
コストの許す
販売価格
1955年の電卓
5,000(人口) 5千(人口)
3,000万円
50万(人口)
2,000万円
505,000(人口)
5,000万円 505,000(人口)
5,000万円
2000年の電卓
0.02(人口) 0.02(人口)
300円
504,999,98(人口)
400円
505,000(人口)
700円 7.07(人口)
700円
「原価」



「労働量」
 「旧・電卓 :
 5千万円のコストで、505,000(人口) の労働量を創造。コストの分は、505,000(人口) となる。

 「新・電卓」 :
 700円のコストで、505,000(人口) の労働量を創造。コストの分は、7.07(人口) となる。
 【注】 ;1955年・電卓の総労働力の値段 (コスト) は5,000万円。2000年発売の電卓は、同じ性能なので競争が無ければ、原価700円の電卓が5,000万円で売れる。が、しかし、利益を上げるためには、販売価格を下げ、沢山の人たちが買える価格にする必要がある。これらによって販売価格はコストの許すまで下がる。企業の利潤はコストを超えた分であることは明白。
  剰余価値の利潤部分は貨幣と交換されるが、それを差し引いた残りの剰余価値は、貨幣との交換無しに、“現物” で買う側(一般消費者)に渡る。

同時に取引される労働力・量の等しい商品は同じ値段(原価・コスト)となる ( 下表を以って説明 。)  「交換価値」 の計算式
品目 A:<従業員・役員>の労働力量 B:<機械>の労働力量  (A+B):コストの労働量 コストの許す販売価格
 自動車 30万円・15(人口) 5万円・10,000(人口) 35万円・10,015(人口) 35万円
 プラズマテレビ 20万円・10(人口) 15万円・10,005(人口) 35万円・10,015(人口) 35万円
 1トンのコメ 32万円・50(人口) 3万円・ 9,965(人口) 35万円・10,015(人口) 35万円
 100ダースのビール 16万円・8(人口) 19万円・10,007(人口) 35万円・10,015(人口) 35万円
 500個の電卓 15万円・10(人口) 20万円・10,005(人口) 35万円・10,015(人口) 35万円
 【注1】 : 論理の表現であり、実態を表したものではありません。
 【注2】 : ≪機械・労働力(人口) の算出方法≫ まず一つの商品の「機械の労働力・量」に、適当な正数を設定します。この数値を機械の労働力・量(人口)とし、そしてその、総労働力・量(人口) を定数とします。他の商品については、この定数から人間の労働力・量(人口) を減じたものが機械の労働力・量となります。(相対価値の算出)
 【注3】 : 1トンのコメと500個の電卓では、原価の労働量は同じでも、商品全体の労働量は天と地ほどの差がある筈です。それは剰余価値の「現物」部分が大きく異なるからです。しかし、「現物」は貨幣と交換されません。下図のようになります。


「剰余価値」 発生の論理
 ( 現状から、矢印 (⇒) の新しい生産設備・システムに移行した場合を仮定 )

 <従業員・役員>の労働力量
 <機械>の労働力量
 労働力の量
(商品の価値)
 15(人口) 10(人口)  10,000(人口) 10,005(人口)
 労働量の値段  人件費(含・関係費)÷生産台数 = 30万円
      
  人件費(含・関係費)÷生産台数 = 20万円
 減価償却費(含・諸経費)÷生産台数 = 5万円
       
 ⇒ 減価償却費(含・諸経費)÷生産台数 = 10万円
 労働力1(人口) の値段  300,000円 ÷ 15 = 2万円
     
  200,000円 ÷ 10 = 2万円
 50,000円 ÷ 10,000 = 5円
      
  100,000円 ÷ 10,005= 10円
剰余価値の増加分

  計算式 ⇒  10,015 − 8,584 = 1,431

利潤・現物

 「商品の価値」 とは何か ?

   商品」とは何か? (国語辞典による)
    【イ】 商品とは、売り買いや取引の対象となる品物

   商品の 「価値」 とは何か? (国語辞典による)
    【ロ】 どのくらい役に立つかどのくらい大切か、という度合い。
    【ハ】 あたい。ねうち。

 つまり、「商品の価値」 とは、『売り買いや取引の対象となる品物で、あたい ( 価。値。 ) を有するもの』 となる。

   あたい」 とは何か? (国語辞典による)
    【二】 値。数値
    【ホ】 価。値段

 従って、一般的に 「商品の価値」 と言えば、「商品に注ぎ込まれた労働力によって造られた労働量」(原価労働量+剰余価値労働量) と、「商品の値段」(原価+利潤)、この二つの解釈になる。
    
 @ 商品(製品)の価値 = 総労働量 = 性能具現物 ⇒ 性能価値(相対的な価値であり、交換価値は不明)
 A 商品(製品)の価値 = {原価労働量+利潤労働量} の 価格 ⇒ 交換価値


 マルクス経済学の 『使用価値論』 は間違い

 マルクス経済学では、交換価値(こうかんかち、value in exchange,exchange value)とはある商品の使用価値がその他の商品の使用価値と交換される場合の比率に現れる価値量を指す。[『ウィキペディア(Wikipedia)』] としている。


 この、マルクスの “使用価値論” が如何に間違っているかを考えてみました。

 誰もが商品を購入する時は、その商品の “効能書き” や “説明書” を見たり聞いたりして、購入して使用します。
 もし、衝動買いして、実際使用してみると、予想していたような性能が無かった為、使い物にならなかった、と成りかねません。余談ながら、結婚する時、“男なら誰でもいい” という女性はいないでしょう。やはり、“性能価値” です。

 このように、生産された商品には、性能が元々予想 (計画) されていて、その性能具現物が商品です。また、ある性能を持っているからこそ、その商品を使用するわけで、どんな性能があるか分からない物を買うバカはいないでしょう。

 使用価値をいくらいじっても “交換価値” に結びつくファクターは無いし、仮に、使用価値を “商品の価値” だとしても、“交換価値” とのファクターは無い。

 “交換価値” は上図にあるように、
  ( 原価労働量 + 利潤労働量 ) の価格 = 交換価値
となります。

 


  労働価値説とは何か?

 労働価値説(ろうどうかちせつ、labour theory of value)とは、人間の労働が価値を生み、したがって労働が商品の価値を決めるという思想。(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)

 商品は、自然界に存在するあらゆる物から人間の志向によってつくられる。
 商品の成り立ちを巻き戻していくと、最終的には自然界に存在する物質にたどり着く。例えば、鉱石、原油、山の木材、海の魚、などにたどり着くわけである。これらの物質は、自然界に存在するだけでは、商品にはならない。それを運んだり、加工したりする人間の労働によって、さまざまの商品に成る。従って、すべての商品は 「労働の固まりである」 と言える。この事は、小学生でも理解できる筈である。
 しかし、いざ、その 「労働量の算定」 となると、数値は存在する筈だが現実的には不可能となる。


 『労働価値説・性能価値論』 商品は膨大な剰余価値を含んでいる

 カール・マルクスは、『剰余価値論』 を完成させるのに10年かかったとされていますが、残念ながら、彼の理論は間違っています。
 その間違いの元になったのが、労働力を人間だけに限定した事です。自明の通り、商品を造りだすことは人間的志向だけができる事です。従って、商品造りに参加するものは全て労働力となる筈です。マルクスは、人間の労働力だけを労働力としたために、その後の論理は訳の分からないものになっています。

 「剰余価値」 についても、なにも、そこに働く労働者をこき使わなくても、最新の設備を導入すれば、商品コストは減少し、その分、利潤が増えます。この論理は、論述するよりも図解したほうが分かりやすく、「剰余価値」の存在が証明されます。その 「剰余価値」 の 「利潤」 は、商品の普及との関係で変化します。しかし、「剰余価値」 そのものの変化はなく、『現物』 は残っている筈です。

 「剰余価値」 から『利潤』を引いた残りが 『現物』 です。
 例えば、今使っているパソコンです。このパソコンを真空管時代に作ったとしたら、パソコン本体もさることながら、その本体を作動させる為の電力は、数十万キロワットの消費電力となり、発電所の建設が必要となります。それを考えたら、今の、消費電力150ワット10万円前後のパソコンはタダみたいなものでしょう。

 つまり、「剰余価値」 の巨大な 『現物』 のお陰で、豊かで便利な生活があるのです。この事は、すべての人々の学問や労働などの勤勉な行いは、社会を豊かにする事を意味しています。
   


“IT社会” 発展のために、7時間労働制・労働制度の改革と減価償却資産・耐用年数30%伸長 の実現を。

『人間機械と失業』

小学生・高学年から一般まで読める本



 
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世界の失業者数 (millions) ILO発表
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Youth, total 69.5 79.3 88.2
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4-1 東欧・ソ連の体制崩壊の原因
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