人間機械と失業 第三次産業革命からみた社会・経済論
      失業・雇用問題と学校教育

          『教え子』
 かって、第2次世界大戦を戦った我が国では、「教え子」 を戦場へ送るな!、を掲げて先生たちが反戦運動に立ち上がった。その正しさは今日みんなが認めている。そういう意味では、戦争に反対することで平和が保たれることを体験し、且つ、トランジスタの発明による産業革命によって戦争の目的のない時代へと変化したこともあって、反戦運動を実践することは今日ではやりやすくなっている。
 反戦運動と同時に、核兵器廃絶が叫ばれている。ところが、原爆などの核エネルギーは、将来、地球と小惑星の衝突を避ける手段として、尤も有効なものと言われている。その点では、核爆弾の保有は、その使用や管理は別として、必要なものとなる。戦争は国民の支持なしには出来ないし、核戦争に踏み切る大義名分は、今日には無い。

 今日の 「教え子」 はどうなっているのか
 「教え子」 を社会へ送り出す先生たちの一つの大きな悩みは学生の就職問題だと、テレビや新聞で報道されている。しかし、真剣に 「教え子」 が全員、就職して社会で活躍することを考えている先生はあまりいないようだ。以下指摘したい。
 第一は犯罪である。貧困を原因とする犯罪や自殺は、年々増加している。何らかの失敗や過ちによって職を失い、再就職の道の厳しさに絶望して、犯罪や自殺に及ぶケース。失業問題が存在しなければ避けられたと考えられ、当事者はもとより犯罪被害者にとっても、人間の尊厳を無くしている。これら事件のあとの先生たちの主張のなかに、失業をなくせ!、と云うことばは報道では聞こえてこない。監視カメラや警備の強化で国民を守れるとでも思っているのか?

 第2は経済である。すばらしい生産能力のある国で、たくさんの貧困者 (ホームレス・失業者) がいる。そして、それは年々増え続けている。この先どうなるか 「教え子」 に何と説明するつもりだろうか。「教え子」 が、「ペット人間」 になり、人間の尊厳を踏みにじられるのを教師は見ている筈である。
 仕事が無い状態を放置する事は、 ニヒリズムの社会であり、学問を否定する事になる。だから、この事を放置しておいて、「教育改革」などありえない。人間機械による人間の駆逐の実態を学生とともにみてほしい。21世紀は、この、失業・雇用問題を解決すれば、ばら色の未来が見える世紀となるであろう。

 21世紀の社会主義的政策は、計画経済 (企業の公有化や国有化) ではなく、国民誰もが働ける労働制度の確立である。

雇用問題は21世紀最大の政治課題

 家もある、車もある、パソコンもある、携帯電話もある、テレビもある、自動沸かしの風呂もある、冷蔵庫もある、電子レンジもある、掃除機もある、ウォッシュレットのトイレもある、ひとつだけ無い物がある。それは、就職先である。就職さえしていれば快適な生活ができる時代なのに。物価は安定していて、物は有り余るほどある。21世紀の最大の政治課題は雇用問題に尽きる。
 (人類の栄枯盛衰に於いて、生活必需品の普及度100%と言う時代は今日以外にない。失業問題さえ目をつむれば夢のような豊かな社会だ。)
 ストレスと脳
 強いストレスを受けると、うつ病など、脳の病気にかかる確率は、百人に一人ぐらいになる。また、日本人は不安を感じやすい。( 月刊誌 「ニュートン」・2002/11月号 ) 
 就職先が見つからない、あるいは、今日の飯が食えない、というストレスはどれほどのものか。人の痛みを、今、みんなが考える時だ。
 雇用問題の解決策

 
現在の、雇用に対する労働の需要供給は、有効求人倍率の0.6という数字にでているように、需要が不足しています。今日の社会状況のもとでの労働の需要は、ひとり一人の労働力を小さくすることによってつくられるべきであり、生産高を増やすことによる其れではない。具体的には、「7時間労働制・労働制度の改革」 と、「減価償却資産・耐用年数の30%伸長」 です。

 こうすることによって、労働の需要が拡大するので、失業者の減少と、現状の労働の買い手市場による低賃金労働の問題や、過労死問題も解決されるでしょう。

【注】 ; 有効求人倍率が、10年以上の長期にわたって1.0を割り込んでいることは、憲法違反の状態です。国は早急に失業問題についての解決策を国民に示す責任がある筈です。

 
  失業増大の放置は、国家によるニヒリズム (虚無主義) の実行になる
 人々は、自分を大切にする為に国家の一員になる。が、しかし、その国家が失業した人に仕事を与えないことは、その人の価値を否定した事になる。国民の価値を否定する事は、明らかなニヒリズム (虚無主義) の実行である。
 ニヒリズム (虚無主義) は、テロリストや個人だけが実行するのではない、今や国家が実行しているのだ。

現下の、自殺とテロは、政治の不作為が原因

就職難の自殺やテロの原因は、深刻な大量失業を放置している政治にある。犠牲になった人たちは、さぞ残念無念だっただろう。

“IT社会” 発展のために、7時間労働制・労働制度の改革と減価償却資産・耐用年数30%伸長 の実現を。

『人間機械と失業』

小学生・高学年から一般まで読める本




 ジオログ


世界の失業者数 (millions) ILO発表
Year 1993 1998 2003 2008 2013
Total 140.5 170.4 185.9 190.2 215
Youth, total 69.5 79.3 88.2
 社会・経済を第三次産業革命の観点から見るコンテンツ
1 グローバル化
2 トランジスタと産業革命
2-1 産業革命とは何か
3 アルゼンチンとアメリカ
4 朝鮮半島
4-1 東欧・ソ連の体制崩壊の原因
5 戦争のイベント
5-1 アメリカ・FRBによる錬金術
9 新・経済学理論
9-1 二つの労働人口
9-2 「商品の価値」とその値段
 9-3 インフレターゲットの必要性
9-4 「時短」・原資は 「耐用年数」 伸長で
9-5 ヒステリシス現象の正体
9-6 生活必需品の普及度100%
9-7 もう一つの “GDP”
9-8 性能価値論
14 香具師の手法
15 失業問題と少子高齢化
16 出版のきっかけ
17 ストレスと脳
18 1930年代の不景気
7時間労働制は何故必要か
6 失業者のサポート
7 慈善事業
8 貧困の鏡
10 ワークセェアリングの限界
11 企業会計制度の盲点
12 外形標準課税
19 企業財務のゆがみ
20 主計局と耐用年数算定
21 縮小する社会
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