人間機械と失業 第三次産業革命からみた社会・経済論
     経済学に於いて機械を労働人口とみなす考え方

 図解論文 ・ 『人間機械労働人口・論』

 商品の性能向上と労働力 何を以って産業革命と言うのか?

 産業革命を説明するとき、従来は、機械など生産設備を含む、商品の経済的な生産額や生産量が、ある時期を境に著しく増加したことをもって、産業革命の証拠としていました。しかし、現下の産業革命については、それだけでは十分ではなく、その本質は曖昧にされています。それは、商品の性能向上 (商品の価値増大) の点です。
 商品の価値増大は、人間と機械の労働力によって成されたもので、労働力増大の証です。(詳しくは『人間機械と失業』をみてください)

自動車をみてみよう
 自動車という商品の場合
 現在生産されている、エンジンのマイコン制御やパワーウインド、パワステ、オートマ、などの性能と耐久性をもつ車を、50年前の1955年 (昭和30年) に作ったとしたら、一体いくらになったでしょうか? 当時は真空管の時代です。おそらく、今日の飛行機より高い値段となったでしょう。従って、商品の価値の増大を認識することによって産業革命が見えてきます。そして、この価値の増大が社会・経済に大きな影響を及ぼしています。
 つまり、もし、この商品が製造装置やシステムであった場合、その 「性能」 によって、そこで働く人間は駆逐されます。そして、それは、すべての産業分野で起こります。この認識の作業が、今の経済学には欠けていると思います。(機械や道具などの人間的な振る舞いを、“労働力” と見ないマルクス経済学説の影響か? )
 商品の価値の基準となるのは、労働制度の下で一日働く人間の労働力、あるいは、それと同等の機械の労働力となります。(労働価値説の展開について)

 2004年・自動車一台を作る労働力の内訳 ( 労働力の量とその値段を概念として表現。)
項目 A:<従業員・役員>の労働力量 B:<機械>の労働力量 (A+B)
労働力量
労働力量 15(人口) 10,000(人口) (※) 10,015(人口)
労働力量の値段 人件費(含・関係費)÷生産台数=30万円 減価償却費(含・諸経費)÷生産台数=5万円 35万円
労働力量1(人口) の値段 300,000円 ÷ 15 = 2万円 50,000円 ÷ 10,000 = 5円
 (※) ; 機械の労働力量は、適当な正数を設定。

商品は労働の固まり (二つの労働力による商品生産の論理図)

 相対値算定法による
A、B二つの商品の
 「交換価値」 の計算式
 (下図参照)

 商品Aの労働力量=aM
 商品B   々  =bN

 (ab は費目から算出した人間の労働力量。MN は、機械の労働力量。)

   { 商品A=商品B } ⇒ { ( a+M )  = ( b+N ) }
 
 【注1】 : MNの数値は無数にあるが、「価値」 の比較には、どちらか一項目に適当な数値を設定すればよい。

 【注2】 : 「原価の価値」 の部分だけが交換条件となるで、原価の同じ商品は交換できる。

 【注3】 : 原価は同じ商品でも、剰余価値はそれぞれ違う。しかし、交換条件には含まれない。


 「商品の価値」 (性能価値) と その価格(値段)
 色んなところで売買される商品は、人間的志向によって出来上がっています。従って、商品は人間的労働の固まりでもあります。
 この商品の価値は、価格(値段) で表されますが、その商品の価格(値段) は、価値に対して比例や反比例の関係にはなりません。例えば、商品の価値101ポイントの商品を、2万円のコストで作っていたのを、最新の生産体制に変更する事によって、2千円のコストで作る場合です。
 例えば、8桁電卓を見てみましょう。(色んな商品に適用してみて下さい)
 まず、2万円の電卓が発売されたとします。その電卓に含まれる人件費は1万円、その他の経費が1万円とします。その後、同じ性能の電卓が2千円で発売されたとします。この電卓に含まれる人件費は5百円、その他の経費は1千5百円とします。
 これら二つの電卓は、ほぼ同じ機能のものです。ところが、先に発売されたものは2万円で、後からのは2千円です。
 つまり、先に発売された電卓から見ると、あとの電卓も2万円の価値があります。後の電卓から見ると先の電卓は2千円の価値しかありません。

 この場合、二つの電卓の価値は同じなのに対して、二つの価格(値段) がついたわけです。その理由は、先の電卓のと後からの電卓では、労働力に差が有るからです。つまり、先の電卓は、100の労働力で、労働量100に対して、後の電卓は10の労働力で労働量100を造ったわけです。

 「商品の価値」の増大と、「貨幣の量」 の増大は、比例関係にならない
 先に発売した2万円の電卓は、1年間に10万台販売していたとすると20億円の売上です。後に発売した2千円の電卓は、1年間に1千万台販売したとすると200億円です。売上金額は10倍ですが、売り上げた電卓の台数は100倍となります。つまり、「商品の価値」 は100倍なのに対して、「貨幣の量」 は10倍しか増えていません。
 この事は、過去の時点から、現在の経済成長を見ると100倍の成長であり、社会の富が100倍に増えたことになります。しかし、その値段 (貨幣の量) の増加は、10倍しか増えないので、「トランジスタの発明による産業革命」 の “凄さ” を分かり難くしています。
 尚、今まで2万円だった電卓と同じ性能の電卓を2千円で買える事は、以前の商品と同じ労働量を、安い値段で購入できることであり、「消費者」 は、その恩恵を受ける事になります。( 剰余価値の行方⇒ )
 
 商品の生産に於いては、過去に生産された設備等の価値は減少していくので、そこで生産される商品の価値は同じでも、コストは割高になります。
         

       “IT社会” 発展のために、7時間労働制・労働制度の改革と減価償却資産・耐用年数30%伸長 の実現を。

『人間機械と失業』

小学生・高学年から一般まで読める本




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世界の失業者数 (millions) ILO発表
Year 1993 1998 2003 2008 2013
Total 140.5 170.4 185.9 190.2 215
Youth, total 69.5 79.3 88.2
 
社会・経済を第三次産業革命の観点から見るコンテンツ
1 グローバル化
2 トランジスタと産業革命
2-1 産業革命とは何か
3 アルゼンチンとアメリカ
4 朝鮮半島
4-1 東欧・ソ連の体制崩壊の原因
5 戦争のイベント
5-1 アメリカ・FRBによる錬金術
9 新・経済学理論
9-1 二つの労働人口
9-2 「商品の価値」とその値段
 9-3 インフレターゲットの必要性
9-4 「時短」・原資は 「耐用年数」 伸長で
9-5 ヒステリシス現象の正体
9-6 生活必需品の普及度100%
9-7 もう一つの “GDP”
9-8 性能価値論
9-9 集音器 (補聴器)
14 香具師の手法
15 失業問題と少子高齢化
16 出版のきっかけ
17 ストレスと脳
18 1930年代の不景気
7時間労働制は何故必要か
6 失業者のサポート
7 慈善事業
8 貧困の鏡
10 ワークセェアリングの限界
11 企業会計制度の盲点
12 外形標準課税
19 企業財務のゆがみ
20 主計局と耐用年数算定
21 縮小する社会
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