人間機械と失業 第三次産業革命からみた社会・経済論
        デフレ経済と政治

  野師やしの手法・小泉首相のスローガン政治

 今、社会の流れは、失業者の増大と、国・地方の財政危機、この二つが破局へ向かって進行している。車でいえば、車が大きな溝にはまりこんで、ハンドルがきかない状態で、「失業」 と 「財政危機」 という谷底へ向かって、突っ走っているのである。
 これを、あたかも自分が操縦しているかのように見せるのが、小泉首相のやり方である。彼に言わせると、「不良債権処理を加速させたから失業者が増えるのは当たりまえでしょ、痛みに耐え、構造改革を粛々と進めればそのうち財政危機も脱出できる」 と。
 しかし、家計簿をどんなにいじっても収入が増えないのと同じで、“官のリストラ” だけで、他に何もしないなら収入は増えない。失業者が増大するだけであろう。

 そして、不良債権問題のあとにくるのは、円とドルとの金利差の縮小 (たとえば、日銀の公定歩合の引き上げー不良債権処理を急ぐのも、このためかもしれないー世界各国からの圧力?) による円高、「円高だから失業者が増えて当たり前でしょ」 となりはしないだろうか。
 CDの中のオーケストラを指揮して、さも、自分の指揮による演奏のように見せるところに野師の影がちらつく。小泉首相の論が定まるのもそう遠くないだろう。(2002・10・02)
  


   モグラたたき
 小泉首相の口癖の、「大胆かつ柔軟」 について考えてみた。電子・国語辞典には次のようにヒットした。

     大胆 〓 度胸があって危険をかえりみないようす
     柔軟 〓 ゆうずうをきかせるようす

 以上から連想するピッタリのものは、あの、「モグラたたき」 である。モグラが出てきたら、当たろうが当たるまいが、思い切りたたく。次に出るのをいつでも叩けるように、ゆうずうをきかせておく。つまり、小泉首相のスローガン政治は、公約破りの、行き当たりばったりの政治ということになる。しかし、それを、『私の一貫した変わらない姿勢、「大胆かつ柔軟」 も公約ですょ』 と平気で云うところに香具師の影がちらつく。

   香具師(やし) の手法
 小泉首相の口癖は、「改革無くして成長なし」。この言葉は、「成長」 と 「改革」 との因果関係を証明することが難しいので、みんなを黙らせる。小泉首相自身、これを問われると 「やってみないと分からないでしょ」 と、さりげなくかわし、後の逃げ道をつくる。

 
今、政府で考えられている 「構造改革」 は、財政の帳尻合わせが目的であって、いくらかの 「改革」 はあっても、直接 「成長」 に結びつくものではない。従って、この 「スローガン」 は、政権獲得・維持の手段として考えだしたのではないのか。
 「香具師の手法」 と指摘するのは、ここにある。
 彼に言わせると、
『国民は、いろいろな増税も含まれていることを承知の上で、「構造改革」 路線を支持したんですょ』 となる。
 しかし、
7時間労働制・労働制度の改革と減価償却資産・耐用年数30%伸長 を実現しない限り、失業者は増えつづけ、そして、“増税” が繰り返されるだろう
 つまり、先進国の企業会計制度は、「労働制度と減価償却資産・耐用年数」 を時代とともに変えることを前提として、はじめて合理的である。例えれば、現行の企業会計制度は、古びて変形した一升枡で、国民の生産した物を量っているようなものである。

 「小泉改革」の総仕上げ とは?  その流れを見てみると
 (1) 2007年; 定率減税の廃止。金融崩壊防止のゼロ金利政策の廃止。財政崩壊防止の為に、政策金利の引き上げ。

 (2) 2008年; 政策金利の引き上げによる税収の増加。同時に不況の深刻化深まる。

 (3) 2010年; 税収不足による消費税率の引き上げ。不況が深刻化し、暴動の発生か?

 
ここまでに為らない事を祈りたい。(2006/2/5)

 民主党の 「経済オンチ」 2009/09/29

 “子ども手当て”、“高速道路の無料化”や“ガソリン税の廃止”のマニフェスト実現のために、な、なんと、7兆円という膨大な予算の組換えをやるつもりらしい。

 中央官庁の職員達は、“民主党さんが要・不要の仕分けをしてくれれば、私たちはそれに従って仕事をするだけです”と言っていましたネ。いままでの悪役は、“霞ヶ関の役人”だったが、こんどは、それは言えなくなるのです。これに失敗すれば、霞ヶ関の木っ端役人も笑うだろう。

 “子ども手当て”“高速道路の無料化”や“ガソリン税の廃止”などによって、日本の経済が活性化し、失業率も下がって (この政策では需要は増えない)、“友愛”社会が実現する、と考えているらしいが、どんなに日本経済全体の需要を増やしても 第三次産業革命の時代の供給過多を埋める事は出来ません。

 ましてや、削られた予算には、沢山の人間がしがみついているので、予算カットは人間カットとなるんです。と、同時に、この予算カットによって、日本経済全体の需要は減少するのです。

 民主党の経済政策は、従来の自民党の“需要拡大による景気拡大”と同じ思想のようである。
 おそらく、この実験は、早晩、破綻する筈だ。

 民主党をはじめ共産党まで、今日の社会・第三次産業革命の時代を認識していない。
 現下の経済政策は、“需要の拡大”では無く、“供給過剰”をひとり一人の労働力を減少させて供給を正常化する、つまり、供給を制御する政策を打ち出すべきである。

 それには、手始めに「7時間労働制ー実質・週30時間労働」を施行すること。


“IT社会” 発展のために、7時間労働制・労働制度の改革と減価償却資産・耐用年数30%伸長 の実現を。

『人間機械と失業』

小学生・高学年から一般まで読める本




 ジオログ


世界の失業者数 (millions) ILO発表
Year 1993 1998 2003 2008 2013
Total 140.5 170.4 185.9 190.2 215
Youth, total 69.5 79.3 88.2

 
社会・経済を第三次産業革命の観点から見るコンテンツ

1 グローバル化
2 トランジスタと産業革命
2-1 産業革命とは何か
3 アルゼンチンとアメリカ
4 朝鮮半島
4-1 東欧・ソ連の体制崩壊の原因
5 戦争のイベント
5-1 アメリカ・FRBによる錬金術
9 新・経済学理論
9-1 二つの労働人口
9-2 「商品の価値」とその値段
 9-3 インフレターゲットの必要性
9-4 「時短」・原資は 「耐用年数」 伸長で
9-5 ヒステリシス現象の正体
9-6 生活必需品の普及度100%
9-7 もう一つの “GDP”
9-8 性能価値論
9-9 集音器 (補聴器)
14 香具師の手法
15 失業問題と少子高齢化
16 出版のきっかけ
17 ストレスと脳
18 1930年代の不景気
7時間労働制は何故必要か
6 失業者のサポート
7 慈善事業
8 貧困の鏡
10 ワークセェアリングの限界
11 企業会計制度の盲点
12 外形標準課税
19 企業財務のゆがみ
20 主計局と耐用年数算定
21 縮小する社会

since 2002/01/02     
アクセス数の推移