目次

西山尾根道廃道の怪!!
意見:田辺千代
黄色いチラシ情報

おことわり:Web版では広告を掲載していません。



西山尾根道の廃同決議に
 さあ、みんなで異議の声を!!

『西山を守る会』と『黄色いチラシ』の応援者
平成16年6月1日号NO.283号 Web版
荻田印刷 TEL・FAX 046-241-8990
1981年創刊 毎月1日発行
編集発行人:荻田豊 上荻野車庫前
西山を守る会ホームページ
../tanabe_chiyo
郵便振替口座(名称・西山を守る会)
00260-1-41948
西山尾根道廃道の怪!!
 今年の当紙は西山一辺倒です。ちよっと長いですが、今月号をじっくり読んでください。その原因がはっきりします。そして共感者がひとりでも多く増えることを期待しています。

 五月一日発行の「あつぎ市議会だより」に三月議会の一般質問の一部が掲載されています。その中に「西山の採石事業 自然破壊という認識は」という見出しの質議があり、環境部長が「今の自然に相当な部分で影響があると認識している」と言っています。そのような認識をもつ市がなぜ西山の市道(尾根道)を廃止したのでしょうか。議会議事録や過去の書類から探ってみましょう。




1.平成十四年十一月八日の「荻野地区自治会長と市長との集い」の議事録から

  宮郷自治会長 西山採石計画の廃止はできないか。

  開発指導課・農政課・環境総務課 西山採石計画の廃止については、既に許可されておりますので、難しいと思います。

 解説 市の答弁の中に「平成七年九月より現況の区域を拡張する計画…」とあり、業者が増設を計画した年もわかります。この時点で「既に許可されておりますので、難しいと思います。」というのはウソの答弁になります。


2.平成十五年九月議会で議案第89号「市道(西山尾根道)路線の廃止及び認定について」が継続審議となった切っ掛け

 九月の都市経済常任委員会で太田委員の発言の中に「だからタベも和田委員さんのところへも電話が入っている・・・」というところがあります。

 解説 この電話は現・西山を守る会代表の花上義晴さんの電話を指しているようです。花上さんは、市民にも議員にも説明がなく、唐突に提出された西山の尾根道の廃止議案に気付き、徳間議員に電話をし、道路問題の審議を付託されている都市経済常任委員会のメンバーである和田議員と太田議員に電話をしたのです。


3.尾根道についての関戸副委員長の正論

 都市経済常任委員会副委員長の関戸議員が九月の委員会では素晴らしい発言をしています。抜粋してみましょう。
 「この議案第89号に関しては、私、ちょっと現場を踏破していないので、一部推測で物を言うんですが、もうこれは生活道路というよりも、現時点においては登山道、場合によってはハイキング道かなということになっていますね。
こういったものを廃止するというのは、生活道路のように周辺自治会長さんだとか、そういう単純な手続手順で廃止してしまったんであっては将来禍根を残すこともあり得ると。
多分この隣接砂利採取業者、もう歴史ある企業のようですから、そんな違法まがいに砂利採取とか、違法まがいの環境破壊とかをやっているとは思えませんけれども、しかしながら、これはもう本当に、市民、県民どころか県外からも愛好家なんかがいるような道路のように推測できるんですね。
したがって、こういったものの廃止というのは、先はど文化財保護法云々辺にも抵触していないのかどうなのか、いろんな疑問が出ていましたけれども、多分お聞きするまでもなく、現下の法律はクリアされていると思うんですよ。
しかしながら、太田委員のお話にもありましたように、もう本当にこの東丹沢山ろくのすばらしい環境を保全したいと市民意識調査の中でも高い数値が出ていますように、だけれども、現行法ではそのような砂利採取が可能になるという段階にあって、そういったものを食いとめられるのは、こういう道路を……。
私も知らなかった、ここに厚木市道があるということを。
しかし、これは道路の用に供する供さないという問題もありますけれども、むしろ環境悪化の歯どめにもなり得る道路なんですね。
そうすると、皆さんみたいな道路専門でやっていらっしゃる、それが担当でやっていらっしゃるから関係ないよとおっしゃるかもしれないけれども、これはやはりかなり時間をかけて綿密な、業者の調査ではなくて行政の調査と市民の理解が得られない限りは、軽々に業者都合で、それでまた道路の用に供されていないとかの理由で廃止というのはいかがなものかというふうに思いますね。(中略)
単純な生活道路扱いではだめだというふうに思いますね。」

 解説 どうですか、だれにでも良く理解できる正論ですね。しかし、彼は三ケ月後の十二月の委員会では「当委員会に付託されているのは道路問題であって環境問題ではない」と言って、景観も登山者の問題もすべて切り捨てているのです。


4.荻野地区への説明は二回のみ

 さて、九月議会に議案を提出する以前に市民の意見を聞くべきだった市側は継続審議になってから地元に説明をしています。手元に、平成十五年九月二十九日の荻野地区自治会長連絡協議会議事録の写しがあります。案件の一番目に「採石区域拡大に係る市道の認定及び廃止について」とあり、以下「道路部宮台次長、竹下道路管理課長、山田道路管理主幹が西山の図面により説明をする。現段階では反対や要望をする余地はないようである。」とあります。

 解説 おかしいですね。「反対や要望の余地はない」とは、だれが判断したのでしょうか。これも情報操作でしょうか。さらに、二回目は委員会直前の十二月十日、自治連の回覧もなく、ほとんど住民が知らない間に行われました。


5.尾根道利用等についての市側の矛盾

 前記の関戸副委員長の発言の次に道路管理課長が「現況は山の中で、私ども何回か現地調査をした中で、ハイキング道には指定されていない。それとたまたま現地に行ったときに、ハイカーというんですか、そういう人たちともお会いしなかったと。ですから、道路利用形態としてはほとんど利用されていないのかなと、そういう考えを持ってございます。」言っています。
 しかし、この二ケ月前の平成十五年七月九日に市長が県知事に回答した意見書では「西山は本市のハイキングコースに指定していないが、起伏に富み眺望も良いコースとして知られ、多くの登山客が経ケ岳・華厳山・高取山と稜線(上飯山・平山間)を歩いている。また、西山には、発句石、経石、子蚕石等もあり山全体として本市の観光資源の一つであることから、景観が大きく変化しないように配慮すること。」と述べています。
(担当 生活環境課公害対策係)

 解説 尾根道に関して、道路管理課と生活環境課公害対策係とは見解が大きく違います。これは、市全体として十分な議論をしていない証拠です。そして、道路管理課は関戸副委員長の発言「環境悪化の歯どめにもなり得る道路」を意図的に利用価値のない道路と決めつけているのです。


6.尾根道を残して採石はできるのか

 十二月の委員会で太田委員が「道路を残して採石事業を行ったとしたら、市の道路管理課としてはどいうふうに対処するの」と問うと、道路管理課長は「道路を保存しながら採石事業を行うということは非常に困難なことかと存じますが、まるっきり・・・」と答えています。  解説 これは尾根道を残せば採石が困難になると言っているに等しいことです。九月の委員会でも道路管理課長は「まずこの岩石採取事業、この性格上、現在の市道の機能を残すことは非常に困難ということで」と言っています。


7.市道である尾根道の廃止及び認定を議会が認めなかったら

 十二月の委員会で森住委員は「開発に伴って、今回は道路の認廃、こういったことなんですが、例えば議会でこれはだめですよといったときに、事業者として財産権の侵害とか、そういったものも出てくる可能性というのはあるんでしょうか」と質問しています。
 これに対して道路部長は「これは一つの例え話で申し上げますと、議会で否決されて認定がなされなかった場合、それはあくまでも私どもが指導する際におきましては、もちろん法律は議会の議決が最優先でございますので、そういったことを想定した上で、そういったこともございますよと。(中略)
よって申請者の方にも、その上、納得していただいた上で行っているものと、そういうふうに理解しております」と述べています。

 解説 議会が尾根道の廃止を認めなくても何ら賠償責任はないと言っているのです。


8.道路管理課長の問題発言 〜市民側でなく、業者側〜

 九月の委員会で道路管理課長が「環境アセスの関係、現在手続き中で、これから林地開発、岩石採取の申請と、予定どおりいくものと私どもは判断しておりまして、それとこんな言い方をしていいか、ちょっと問題があろうかと思うんですが、事業者の今後のスケジュール等もございますので、委員さん言われるように、地元の調整がまだ不十分だと、そういうお話ではございますけれども、私どもといたしましては、これを進めさせていただきたいと、そのように…。」と述べています。

 解説 何故市民側ではなく、事業者側に立った発言をしたのでしょうか。これを調べてみますと、平成十一年の覚書に行き着きました。


9.市長の腹はずっと以前から?

 市長は採石業者と平成十一年七月一日に「華厳採石工場における岩石採取拡大計画に係る覚書」を結んでいます。

 解説 採石場の増設は市道(尾根道)を廃止しなければできないのですから、市長自身は覚書を結んだこの時点ですでに廃道を決めていたことになります。だから道路管理課は市長の意向に沿って動いていたのです。
 本来、市長は覚書を結ぶ以前に尾根道の認廃問題を議会に提出し、採石業者に便宜を計るか環境破壊を食い止めるべきかを慎重に審議すべきだったのです。
 意識的にか、これを怠り、廃道を前提にした環境アセスを採石業者や県と共に押し進めたのです。そして、市民には「県が決めたことだから」と言い、「西山の命運は市道にあり、それは市民が握っていたこと」をわかりづらくしているのです。
 前記の「荻野地区自治会長と市長の集い」での「既に許可されております」や荻野自治連議事録にある「反対や要望の余地はない」のように、真実をねじ曲げ、世論を操作しているのです。


10.議事録の改ざん

 十二月委員会議事録には、太田議員が「こんな山にはだれも登って来ないよ」との意を込めて郷土の先人の俳句を皮肉り、荻野中学校の校歌にまで歌われている高取山を侮辱して言った戯れ句でなく正確な句が書かれていました。そこで議会事務局議事課議事係に行き質問すると五日後に回答がありました。「太田委員の発言の中に、発句石の句に関する発言が、『西山や鴬鳴けども人は来ず』、『此の山や鴬鳴けども人は来ず』と二回あり、どちらの発言も一部異なることから、記憶違いによるものか意識的な発言か本人に確認したところ、うろ覚えによる言い誤りであるとのことでしたので、正確な句『此山やこの鴬に人も居ず』と修文したものです。」と。
 句だけ修文しても前後の発言でバレバレです。議事録は発言者が何を言ったかを最優先すべきで、句が間違っていたから修文したという議事係の回答には無理があり、明らかに議事録の改ざんです。


 口直し ある会報に掲載されていた「西山の発句石」の筆者は「こに西山に鶯の鳴き声がしきりに聞こえる。山には人はひとりもいない。この鶯の鳴き声を聞くのはは私ひとりだけだ。鴬の鳴き声だけが聞こえる静かな山にいる作者の幸せなひとときを想像する。きれいな鳴き声をたっぷり聞いている作者は、自然と一つになってこの俳句を詠んだ。『此の』山と『この』鴬の言葉に加えて『この私』といいたかったかもしれない」と思い、また裏面の寿年の句「老を鳴く鴬も居る若葉かな」については、「『老を鳴く』には、ふたつの意味があると思う。この山の若葉のなかで、姿を見せないで盛んに鳴いている老いた鴬と、老いている自分自身を重ねて表現したとも思われる。きれいな鴬の鳴き声を聞き、鴬と一体になって若葉のなかで鳴いている自分を思いながら、喜びをかみしめている作者の姿に感動する。」と言い、「私は、522mの山にある石に俳句を刻むという心の豊かさに感心した。ふたりとも自分以外には人がいない山 の中で鴬の声を聞いて俳句を詠んだ。自然にとけ込んでいる優雅な俳人の姿に、ある生きる姿勢を学んだ」と結んでいます。


 如何でしょうか。郷土の先人の俳句を太田議員のように使う人もいる一方で、会ったこともない200年以上も前の俳人と心の交流ができる筆者のような方もいらっしゃるのです。


 厚木市民の多数が後者であってくれたなら、議会の決定に異議を申し立てることは容易なことと思います。

意見

西山を守ることは
  私たちが
守られることです!!

日本のステンドグラス史研究家
  田 辺 千 代
E−mail:tanabe_chiyo@ybb.ne.jp

黄色いチラシ情報

●藤江隋介絵画展
会期 6月2日(水)〜6月27日(日)
会場 アツギ・ミュージアム(飯山)
 当紙の遊び友だちで、鳶尾に住んでいました故藤江正孝さんの一子陽介君の作品展が開催されます。是非ご覧下さい。

●『西山尾根道廃道の怪』解説します!
 『西山を守る会』では、今月号記事のより詳細な内容のワンコイン(500円・資料代実費)説明会を開催します。
◇日時 6月4日(金)午後7時  調理室
      5日(土)午後1時  和室
      6日(日)午前10時 和室
◇会場 荻野公民館(鳶尾団地内)
◇申込み 事務局 TEL 046-241−8990 荻田

●西山登山は六月十三日 (雨天二十日) 松石寺 午前九時半集合