拙著「わかった気になる?一般均衡理論--ブラウワーの不動点定理の証明付き」(同志社大学経済学論叢,59巻3号,2007)を少し修正した
「泥縄式不動点定理の解説--競争均衡,ナッシュ均衡の存在証明付き(暫定的なpdfファイル)」
を用いて,ブラウワーの不動点定理の証明を理解するのに必要な位相数学の基礎と,その定理の交換経済における競争均衡の存在証明および非協力ゲームのナッシュ均衡の存在証明への応用について解説する。
理論経済学のコアをなすのはブラウワーの不動点定理とそれを多価関数(対応)へ拡張した角谷の不動点定理による競争均衡の存在証明であろうと考えられるが,ほとんどの理論経済学者にとって自らの論文で不動点定理やそれに関連したものを使う機会はない。かく言う筆者もここ数年不動点定理を論文で扱っているが,経済学の研究を始めて20年以上そのような機会はなかった。
しかし,ブラウワーの不動点定理の証明を理解すること(理解したと思うこと)は数理経済学の一里塚とも言えるもので,将来役に立つかどうかは別にして研究に対して自信を持つことにつながり,よい思い出にもなるであろう。
学生の希望によっては次の英語の文献を用いるかもしれない。
Rubinstein "Lectures
Notes in Microeconomic Theory (Second Edition)", Princeton Univ. Press. (pdf ファイル)