子供が自閉症、自閉傾向、アスペルガー症候群、広汎性発達障害、etc.と言われたら

診断については基準があって、自閉症という診断を下すには所定の条件が揃っていることが必要です。条件の一部しか満たしていない時、もしくは、親に面と向かって自閉症と言い切ることを躊躇する、あるいは診断を付けにくいケースだと専門家の方が感じられるケースもままあるようで、そのような時に「自閉傾向」などと言われたりするようです。

タイトルに列挙したように表現には色々あるわけですが、これらのことを言われた場合、自閉症対応の育て方あるいは自閉症の子供向けの対応が必要だと思ってまず間違いありません。(希に専門家の判断ミスの場合もあるようですが、自閉傾向と言われた子に対する自閉向け療育の副作用はないと思って構いません。)

言い替えると、これらの言葉は「自閉者向けの育て方をして下さい」という意味に解すべきなのです。

自閉者向けの育て方とは

お子さんの状況によって多少違いがあるので診ていただいた専門機関等でお聞きいただくのが一番ですが、比較的「知能の高い」子を例にとっておおまかに言うと

自閉的「こだわり」、言い替えれば変な行動や「趣味」などをなくそうとするのではなく、社会的に受け入れられるものにゆっくり変えていく。(自閉でない場合は、なくすことも可能。自閉の場合、禁止しようとするとかえって悪くなる。)

暗黙の了解事項などが見えないので、社会のルールや常識などを明示的に教える。(自閉であれば訓練しても見えるようにはならないが、非自閉の場合は明示的な方法によらず教えることができる、というか自分で自然におぼえていくのでとりたてて教える必要がない。)
その際、自閉児は年齢に応じたルールの変化にとまどうことが多いので、初めから大人としてのルールを教える。

状況に応じて自分のことを説明したり、他人に援助を求めたりすることができるようにする。(自閉でない子なら、大人に甘えるなどの方法で自然に相手に働きかけることができるが、自閉の子には難しい。乳幼児期に「手のかからない大人しい子」だったり、癇癪持ちだったりするのはこのためである。)

周囲の人が「変人だけど許せる」と思えるような成人になることを最終目標に置く(自閉者の変な印象をなくすのは無理です。無理になくそうとすると心の安定を欠くようになります。)

などがあります。

詳しくは、「自閉症 成人期にむけての準備 能力の高い自閉症の人を中心に」パトリシア・ハウリン著(ぶどう社)などの本をご覧下さい。

親も自閉者である場合

自閉者の気持ちや困難がわかるあなたは、お子さんをうまく助けてあげられると思います。ご自身にはわからないことについては配偶者など身近にいる非自閉者に援助を頼むようにすると良いでしょう。幼い頃から身近に自閉仲間がいる、という幸運な自閉者はめったにいません。(あなたが自閉者であることは、お子さんにとってはある意味で幸運なことなのです。)

自閉者が非自閉の子供を育てる場合は

非自閉の子は何もしなくても自然に社会のルールや他人の気持ちに気づくことができますから、その場合、特に注意することはないと思われます。目や耳の不自由な親は子供にものの見方や音の聞き方を教えることはできませんが、障害のない子供ならひとりでにおぼえてしまうのと同じことが起きるからです。

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