最近教え子によるカミングアウト、なぜ彼が最近調子が悪かったのか、彼の行動でなんとなくわかるような気がしました。彼を応援する立場で少し古いけど、アメリカの一事例を中心に、知らない人が少なくないと思い、皆さんに紹介します。
と思うのは、教職課程の学生さえも、LGBTの言葉さえも知らない人が少なくないことからです。
むろん、日本には、彼(女)だけの問題ではないです。日本教育史の観点から考えると、外国人の学習権、障がい者の学習権、女子の学習権、犯罪者の学習権、などさまざまな分野における差別と学習権の問題が存在してますね。
今日はアメリカの公立学校におけるの「男子」生徒による男子トイレ使用を容認した連邦控訴審判決に関する話です。今、日本でもLGBT(lesbian, gay, bisexual and transgender)の学習権が大きな社会の課題となってますね。
連邦控訴裁判所は、2016 年4 月19 日、トランスジェンダーの「男子」生徒が公立ハイスクールの男子トイレの使用を制限する学区教育委員会の方針を支持した連邦地方裁判所の判断を違法として訴えていた件に関して、生徒の主張を認めて地方裁判所に本件を差し戻す決定を下しました。これまで,連邦政府の財政援助を受ける教育機関においては原則として性差による差別を禁ずるものの、トイレやロッカールームなど一部の施設における性別使用は認められてきました。しかしながら,性差の意味するところの解釈は明確でなかったことから、社会を二分する問題に法的明確さを求めていた全米の学校にとって今回の判決は、大きな意味を持つものとみられていますね。
本件の原告は,誕生時の性別は女性であったが,現在は自身を男性と認識し、ホルモン療法を受けている「男子」生徒です。在学するバージニア州グロスター・カウンティ学区の公立ハイスクール(Gloucester High School)において男子トイレの使用許可を学区教育委員会に求めたものの、受け入られなかったことから同原告は、学区の決定が性差による差別を禁じた1972 年の教育関連法改正法(Education Amendment)のタイトルIX の規定及び法の下の平等を定めた合衆国憲法修正第14 条に反するとして、学区教育委員会をバージニア州の連邦地方裁判所に訴えました。この訴えに対して、連邦地方裁判所は2015 年7月27 日,タイトルIX の規定が児童・生徒の性別認識(gender identity)による性差に言及したものではないとして、生徒の訴えを退けています。
タイトルIX では、連邦からの財政援助を受ける教育機関の教育プログラムへの参加を「性差(sex)に基づいて」拒むことが禁じられているが、学校に対してトイレやロッカールーム、シャワー施設、宿泊施設、運動チーム、及び特定の条件下における男女別授業などの性差を認めています。しかしながら、この「性差」が生物学的な意味に限定されるものか、個人の性別意識に基づくものも含むのかについては明示されてないです。政府は、2015 年1 月7 日,連邦教育省公民権担当局長補佐代理名で公表された市民からの質問に対する回答の中で、タイトルIX が述べるところの「性差」には性別認識に基づくものも含まれるとする見解を明らかにしました。政府が示したトランスジェンダーの児童・生徒に対する考え方は裁判関係書類や学区教育委員会の方針の中で支持を広げているものの、州や学区に対する法的拘束力を持つものではなく、判例も確立されていないことから,州や学区によっては連邦政府の判断を受け入れていないところもあります。
こうした状況において、バージニア州を所管する第4 巡回区連邦控訴裁判所は、2 対1で原告による訴えを支持し、連邦地方裁判所に当該事件を差し戻す決定を下しました。その理由として同裁判所は、地方裁判所が連邦教育省の定めた関連規定(通知)に対して適切に従っていないこと、原告による対応を審査する際の法的手続きに誤りがあったことを指摘してます。そして連邦法の解釈に曖昧な部分がある場合、裁判所は当該法に関する政府機関の解釈に委ねるべきであるとしました。
今回の判決は、教育に関する基本的権限を持つ州において法案として提起されるトランスジェンダーの生徒のトイレ問題に一石を投じたとみられます。
さて、体操着の着替え場所など、さまざまな課題を抱いている日本の場合はどうなっているのか!?
[G.G., by his next friend and mother, Deirdre Grim v. Gloucester County School Board,(No. 15-2056), (4thCir, 2016)
(
https://caselaw.findlaw.com/us-4th- circuit/1732026.html)などを参照。