読書感想文 最近読んだ本の感想。 2003年6月までに読んだ本はこちら

料理本2冊

最近読んだ本ではないですが、食欲の秋到来ということで、手持ちの中からセレクトしてみた2冊です。両方文庫本の体裁をとっているので、かさばらないのがいい。
普通の料理の本って、カラー印刷のグラビアたっぷりで大きなサイズだったり、載ってる料理の内、実際作ってみたのはホンのちょびっとだけだったりして、どうも有効利用率が低いのでほとんど買いません。新聞の毎日の料理コーナーや、スーパーにおいてあるフリーペーパーなどが一番。

小林カツ代のすぐつくれるおかず(講談社+α文庫)
カツ代さんの料理は、材料が単純で作り方も簡単なので私にはぴったり。何しろ軽量スプーンやカップを使って料理するのが大の苦手で、ぎっくり腰で寝こんでいた時、ダンナに料理を教えようとして「○○の分量は?」「…てきとう」、「どんな形に切るの?」「…てきとう」、「何分ぐらい煮るの?」「…てきとう」と、「てきとう」を連発してダンナを困惑させた主婦である。
お料理苦手なあなたでも、この本のメニューは全部、本当に手軽に作れますよ。
↓しおりや付箋など挟みまくり。この中にYOSHIの定番メニューがいっぱい。

美味しくパンを食べよう!(講談社文庫)
この本はイラストが美味しそうなのだ(^^)一時期パン作りに凝ってた時に買った本です。色々なパンの焼き方や、パンを使った料理(サンドイッチやおやつも)が載ってますが、パン焼きを覚えたい人向けと言うよりは、基本はわかっててレパートリーを増やしたりアレンジのアイデアを仕入れたい人向け。YOSHIはもっぱら見て楽しんでます。

引越しと、いぬ
つれづれノート12
(銀色夏生)

2003/?〜10/2読了

日記エッセイのつれづれノート、もう12冊目です。
最初は一人だった銀色さんも今は子供二人と犬一匹との共同生活イン宮崎。

銀色さんのゆるがない精神が好き。
実際にこんな人と付き合おうとは思わないけど、この日記を読んでいると、せいせいする。
好きなものは好き、嫌いなものは嫌い。それでいいのだ。
子供にも親にも犬にもこびない、男はもちろん。
一定の距離を保って付き合うことの心地よさが伝わってくる。

そして、この日記を読んでいると、いつもむしょうに美味しいものが食べたくなる。
取り寄せグルメとか、自分で作る簡単だけどけっこういける一皿料理(パスタ・どんぶりなど)とか。

軽いめまい
(金井美恵子)

2003/9/16〜20読了

長編小説

 “めくるめく文体と辛辣な精神が、昨今の毒にも薬にもならぬ文学界に一石を投じるか?夫と子供と4人、マンションで暮らす平凡な日常。彼女がその中で覚える軽いめまいにも似た一瞬とは・・・”という書評とも言えない程度の、女性雑誌の書籍紹介コーナーの記事を見て、自分も夫と2人、当時は戸建てで暮らしていた平凡な日常を送る主婦だったので(こう書くとあまり共通点はない様にも思えるけど)、この金井美恵子の『軽いめまい』という小説を読んでみたいと思って、長いこと最寄の図書館――十年位前は市の中央図書館だったのに、別の場所に新しく中央図書館が建設されてからは、一地区の図書館として縮小されてしまった――に入るのを待っていたのに、最近はすっかり忘れていたが、文庫本の棚にあるのを見つけて、早速借りてきたのをワクワクしながら読んでみると、めくるめく文体というのは本当で、句読点ばかりで途切れることのない段落が、二ページも続いていたりして、読み始めるとどうにも止まらないので、電車の中ではいつも本を読むのだけど、仕事帰りに『軽いめまい』を読んでたら、二駅も乗り過ごしてしまって、エレベーターのない駅なので、階段を上り下りしてホームを移らないと反対方向の電車に乗ることが出来なくてうんざりしたけど、それでもまた続きを少し読んで、今度はちゃんと地元の駅で降りることができた。
 主人公の一人称で、くるくると、とりとめなく語られるこの小説の中には、二度、スーパーマーケットの売り場の商品を、延々と思い浮かべるシーンがあって(それもやっぱり、3ぺージ近く続く一つの文章で)、夕飯の買い物に出掛けたものの、献立が一向に決まらないので、野菜売り場・魚売り場・肉売り場・お惣菜売り場を何度も行ったり来たりしている内に、なんだか偏頭痛がして来そうで、いやあな気分になってきたときの感じが、軽いめまいの感じと似ていると言えば、言えなくもないけど、そんなことは日常茶飯事で、だからこそこの小説のタイトルは『軽いめまい』で、あくまでも軽く、主人公にはなにも特別な事件が起こるわけでないし、マンションの主婦達の噂話を軽く聞き流しながら、その話を夫に話してもちゃんと聞いてもらえずにイライラしたりするのも、誰しもが経験のあることだと思う。

 ・・・と、ちょっと金井氏のまねっこの文体で感想文を書いてみたんですけど(ちゃんと真似になっているかどうかは、さておき)、この感想文を読むのに耐えがたい気分を味わった方は、『軽いめまい』は読まないほうがいいかもしれません。でも、いい加減に書いてみた私の感想文とはもちろん違う物だから、一度立ち読みで最初の方をちょっと読んでみて、止められなくなった方は、ぜひ買って最後まで読んでみてください。でないと、本屋が閉店する時間までその場を離れられなくなっちゃうかもよ。

夫婦公論
(小池真理子・
藤田宜永)

2003/8/11〜20読了

作家夫婦による交換エッセイ。ひとつのテーマについて夫婦が公論というか、口論というか・・・を繰り広げます。夫・藤田宜永の力ない反論が、イマドキの男女の力関係を象徴しているようです。

結婚してる人ならこの本読んで「そうそう!」とうなづかずにはいられないでしょう。ただし「夫が藤田さんそっくり」とは限りませんが。私が一番笑ったのは、TVやビデオを家で見ていてロマンティックなシーンになると、突然どうでもいいようなことを喋りだしたり挙動不審になったりする夫についての話。藤田宜永とうちのダンナの共通点、ここにあり。

ついでに言うと、あとがきも、「そうそう!」なんですよ、この本。いやほんま。ぜひ読むべし!

屋鵜
(乙川優三郎)

2003.8.4〜8読了

江戸時代小説
短編集

お家(いえ)のために自らを犠牲にするということは、かなり近い時代まで、よくあったことだけど、じゃあ今ではほとんどないかというと、そう言うことでもない。
したくても出来なかった結婚や、したくなかったのにさせられた結婚。夫婦が数十年も別々に暮さざるを得なかったりということは、現代も経験している人はいるだろう。
それがいいのか悪いのかは、全てが通りすぎてしまった頃にやっと、分かるのかもしれない。

私は「家」のために何も犠牲にしたことはなかったけど、はたして、私の「家」はこれからどんな歴史を刻んで行くだろう。
あ、ひとつだけ、犠牲にしたこと思い出した。実家のとーちゃんの借金の肩代わりしたっけ。ちょびっとだけ。(ーー;)

作品に関しては、「五年の梅」のほうが好きでした。

もめん随筆
(森田たま)

今年の初めごろ〜
最近まで

文字通り、随筆集です。

なにやら復刻版らしい、文庫のわりに上品な装丁と、タイトルの「ほんわか度」に惹かれて、数年前に買ったまま「積読(つんどく)」してた本。

当時の私は着物道にどっぷりはまってたので、着物のことが書いてあるのかなあ、なんて思ったけど、そうでもなくて、東京出身の著者が嫁入り後関西に越してきた時のエピソードなどが中心でした。(大阪の女について書かれた部分は、笑えた。昔も今もおんなじかってね)

古典仮名遣いのままで出版されています。レトロな気分に浸りたい方におススメの1冊。

朗読者
(ベンハルト・
シュリンク)

2003.8.1〜3読了

翻訳小説

 数年前に話題になったドイツの小説。3部から成る構成。第1部を読んでいる間は単なる恋愛小説かと思っていたら、2部からの急な展開に驚いた。まさかユダヤ人の強制収容が関わってくる話とは・・・。(もう今さらだし、ネタバレしてもOKだよね?)

 主題とは関係ないけど、「その人にとって一番良い事が、本人にはそうは思えないことがあるということを君は小さい時から知っていたんだ」と言うような意味のことを主人公の父親が言ったがこのセリフ(シーン)は良かった。

 小さな朗読者だった主人公は、その後ハンナと再会してからも、ひとりの朗読者でありつづけ、彼女の代わりに彼の意思で彼女を守ったり助けたりしようとはしなかった。これは父の言葉が彼の中で重大な意味を持っていたからだと思う。

五年の梅
(乙川優三郎)

2003.8.3読了

江戸時代小説
短編集

 「うまい!一気に読んだ」という書評を見て、3年越しで読もうと思っていた本をやっと図書館で借りた。そして、その評価の通りの感想を抱いた。本当に「一気に」読んでしまった。

 一本目の「後瀬の花」。全てを捨てて駆け落ちした男女の会話がストーリーを作っているが、読んでいる内に二人の置かれた異常な事態に気がつかされるような仕組み。時代物ではこういうのは珍しいので、驚いた。表題作「五年の梅」も、主人公の一生懸命ながらちょっと突拍子もない行動がコミカルで、おもしろい作品。

 全ての作品に流れるテーマと言うのを著者が意識していたかどうかは知らないけれど、私には「やり直すということ」がどれだけ大切なことかと考えさせられた。時は流れるものであり、いくらやりなおしても元通りになることはありえない。それでも、最後には少しでも幸せな想いができるようにと、懸命にやり直しをする人間のしたたかさと寛容さに感動した。寛容とは、自分の犯した罪や過ちを許すことができなくては、やり直すことも出来ないのだということ。許せない人々は時に自分を殺(あや)めることで時間を止めてしまうい、もはやそれ以上に不幸にも幸せにもなれない。できることなら私は、最後まであがいて「幸せだった」と思いながら人生を終えたい。

おひで
(北原亞以子)

2003.7.10.〜13読了


2003.7.14.〜19?

江戸時代小説、短編集。

慶次郎縁側日記シリーズ第3作。元定町周り同心の慶次郎が隠居してからのお話。隠居と言っても現代ならまだまだ働き盛りの40代。事件も女も、慶次郎を放っておいてはくれやせん。(なんとなくべらんめえ)

『おひで』ではオヤジ達の淡い恋も描かれていて切なく、ほろり。(ちなみに慶次郎はヤモメ)

このごろ出番の増えた、慶次郎の義理の息子・晃之助(定町周り同心)がめちゃくちゃいい男だと書かれているので読むたびにTVドラマ化して欲しいなあと勝手な想像を膨らませています。

『おひで』に続くシリーズ第4弾『峠』はせっかく途中まで読んだのですが図書館の返却期日がきてしまったのでいったんお返しいたしました。またいつか続きを読もう。

プチ哲学
文と絵:佐藤雅彦

2003.7.11.〜17読了

 文と絵は“だんご3兄弟”“ポリンキー”などで皆様ご存知の佐藤雅彦さん。雑誌OLIVEに連載されていたそうです。

かわいいイラストと「哲学」というには身近すぎる話題が見開きで1テーマずつ載っていて、気軽に読めます。(ここだけの話、立ち読みでも結構いけるかも)こういうの好きだなあ。ねずみとチーズの話なんて、一時流行った『チーズはどこへ行った?』より「なるほど」って感じでしたよ。

HULA SPIRIT
フラ&ハワイ
50の話
(ハルヨ・カセヤ・
キャロル)

2003.7.7.〜13読了

 フラをやっている人ならこの本、ご存知でしょう〜。ハワイのハラウ(フラの教室)の裏話やロコガールの日常についても書かれています。
 きっといろんな人がこの本の感想をネット上にアップしてると思うので、詳細について興味のある方は調べてみてください。

私の感想としては、裏話的な部分がとってもおもしろかった。フラ(アウアナ=現代フラ)を踊っている時は常に笑顔を求められるんだけど、その結果「歯が乾いて上唇にひっつく」という話。私だけじゃないんだ!とほっとして、おかしくなってしまった。ホントにひっつくんだよ、これが。

 写真のほとんどがカラーじゃなかったのがザンネン。せっかくきれいなレイや、メリーモナークの衣装の写真も載っているのに。

消えた人達
(北原亞以子)

2003.7.4.
読了

長編江戸時代小説

 まるでサスペンス小説を読んでいるようにぐいぐい読んでしまいました。(時代劇サスペンスって感じですかね)

「消えた人」というのは、実際に駆け落ちなどで行方をくらました人であり、それと同時に、ある人の人格がすっかり変わってしまう以前の、皆が知っている昔の彼(彼女)のことをあらわしています。

作中で、数人の男女が姿を消します。彼らの友人達が、始めは「昔の彼ならこうするだろう」という推測のもとで捜索をするのですが、「消えた人達」は誰もが予想もしなかった行動に出たために事件が複雑になっていくのです。

 性格なんてそう簡単には変わらないとよく言いますが、何かきっかけがあれば、人は変わってしまえるのだと思います。良い方向に変われるのならばいいですが、逆の場合が多いのも悲しい事実。

 北原亞以子の時代小説もよく読みます。短編集「その夜の雪」「恋忘れ草」など読みやすくてオススメですよ。