第1章 タバコの「常識」を検証しよう
- 検証1 軽いタバコは安全か
- 検証2 本数を減らせば大丈夫か
- 検証3 タバコはストレスを解消するか
- 検証4 タバコで集中力がアップするか
- 検証5 意志が弱いからタバコがやめられないのか
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検証1 軽いタバコは安全か
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- 軽いタバコのからくり
下の図をみて下さい。パッケージに記載されているニコチン・タールの量(表示量)はタバコの煙を測定器で(実際の喫煙ではありえない)特殊な条件(※)のもとで測定しています。軽いタバコではフィルターに穴(写真)があけてあるために、測定器が吸引したときに、穴から周囲の空気を吸い込みます。すると集められた煙は薄められ、測定値は低く出るというわけです。しかし原料となるタバコの葉は同じものですから、実際に喫煙者が摂取するニコチンや他の有害物質の量は変わりません。つまり穴あけトリックにより、測定値をごまかしているのです。(※特殊な条件:1分ごとに一回2秒間、35ミリリットルの煙を吸引)
- さらには、喫煙者はフィルターの穴を指や唇でふさいでしまうため、実際には煙が薄まらないことが多いのです。
- もし煙が薄まっていると風味が軽いと感じるため、より深く吸ったり、肺により長くためたりする代償喫煙が起こります。そのため吸入される有害物質の量は同じか、かえって増えていることさえあります。
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| 検証2 本数を減らせば大丈夫か |
- タバコの本数を減らすためには大変な精神力がいります。しかしそれに見合った効果が薄いことがわかっています。ここでも代償喫煙が起こります。すなわち1本あたり吸い込む煙の量が増加してしまうために、本数は減っても有害物質の量は減らないのです。
- また例えば1時間に1本吸っていたところを2時間待つことになりますから、伸ばした1時間はとてもつらいので、やっと吸えた1本がこれまで以上に貴重な1本と感じてしまいます。するとさらにタバコへの未練が募り、たいていの場合は元の本数に戻ってしまいます。
- 本数を減らすのは、労多くして得るものが少ない、割に合わない方法といえます。
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| 検証3 タバコはストレスを解消するか |
- 私が禁煙外来を始めて驚いたことは、禁煙した人たちの多くが、「禁煙したらストレスが減った」「禁煙してからイライラしなくなった」と報告してくれることです。これはタバコはストレス解消のために吸うものだと信じていた私自身、常識を覆された経験でした。
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| 検証4 タバコで集中力がアップするか |
- タバコを吸うと集中力が上がり、仕事がはかどるイメージを誰しも持っています。しかし下の図を見ていただくと、吸うふりだけと比べて喫煙後に作業効率が約10%低下することがわかります。意外ですね。
(浅野牧茂ら)
- 脳の血流を特殊なカメラで撮影したものです。赤や黄色の色調は血流が多い部分を示し、青い色調は血流が少ない部分を示しています。タバコを1本吸った後の写真では、明らかに赤や黄色の色調が減少し、青の色調が増加しています。これはタバコによって脳血流が落ちたことを意味します。(写真提供:香川医科大学放射線科 佐藤功助教授)
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- タバコを吸って集中力が増したと感じるのは、ニコチン切れによる集中困難が、タバコによって元にもどったに過ぎなかったのです。
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| 検証5 意志が弱いからタバコがやめられないのか |
- タバコがやめられないのは意志が弱いせいではありません
- 調査によると喫煙者の約7割はタバコをやめたいと考えていますが、実際に禁煙に成功する喫煙者はわずか数%です。とすれば喫煙者の6割以上は意志が弱いことになりますか?いえ、そんなことはないはずです。歴代首相をはじめ、社会的に成功した人たちの中にもタバコがやめられないという人はたくさんあります。では、なぜなのでしょうか。
- タバコがやめられないのにはいくつかの理由があります。
- ニコチンには強い依存性(麻薬のような作用)がある
- いつでもどこでも吸えるため、習慣になりやすい
- やめにくい体質(タバコがやめにくくなる遺伝子が発見されている)
- 喫煙が容認されている社会(自販機で簡単に買える、周りに喫煙者が多い、喫煙可能な場所がまだ多いなど)
- 特にニコチンの依存性は、タバコの最も本質的な部分です。次回はこの点について詳しく学習しましょう。
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