分離発注型の住宅とは
 分離発注型の住宅とは建築士と打ち合わせを行い、基本設計、実施設計を作成し積算、内訳書(概算工事金額)を算出し、一括で施工業者に請け負わせるのでなく、各々の工事の工事業者に分離発注する工事の事を言います。一般の方は意味が分からないですよね。まずは私が設計事務所、建設会社を渡り歩いてきての建築の現状を説明します。
分離発注で住宅を造る。
現況のメーカー、建設会社のシステム
 現在のメーカー、建設会社のシステムは、建て主と契約が締結すると、大工さんを筆頭に設備屋さん、電気屋さん、屋根屋さん、塗装屋さん、クロス屋さん等々の外注業者に発注します。その外注屋さんの数は20数社にのぼります。つまりメーカー、建設会社自体には職人が居なく下請けの専門業者が建てていくシステムになっています。時には孫請けそのひ孫請け等が仕事に携わる場合も出てきます。もしかすると全て自前でやっている会社があるかもしれませんが、私の少ない情報では聞いたことが無いです。
現行システムの問題点
 現行システムの問題点はメーカー、建設会社は広告や営業マン等の経費、業者への支払い、銀行からの借り入れ利息(無借金と言う会社少ないでしょ)ショールーム、展示場運営等、会社を運営していくにはかなりの経費が掛かります。それはもちろん建て主の工事金額に含まれているわけです。下請け業者もその会社を運営していくのにまた諸経費が掛かり、それは全て工事金額に含まれてきています。さらに材料の物流も複雑になり、本当の建物の値段を把握出来る人はいないと思います。
さらなる現行システムの問題点
 さらなる現行システムの問題点として、メーカー、建設会社はあらゆるコストダウンを計るために、打ち合わせや工事に掛かる時間短縮を計ります。打ち合わせや設計は殆ど標準仕様等の限られた情報の中から選ぶようになり、ベルトコンベア式に建物の打ち合わせが始まり、気が付いたときには工事が着工となるわけです。工事の方も以前は半年以上も掛かっていた住宅の建築は最短で2か月で完成します。これは社員の人件費を削減する目的と、いかに早く工事費を回収できるかと言う事もあると聞いています。つまり建て主の意向とは反して、施工側からの視点で建物が作りあげられてきています。もちろんどんな仕様でも良いし、早く工事が終わって安ければ良いと言う建て主であれば、ハウスメーカー、建設会社でも良いでしょう。
自分で作り上げる住宅「分離発注型住宅」
 分離発注型住宅とは思い切ってハウスメーカー、建設会社を自分でやってみると言うことです。もちろん建て主は専門的な知識は持っていないです。分からないことだらけだと思います。設計事務所が補助していく物です。実際ハウスメーカーや建設会社の現場監督の大きな役割は
1.工事期間内に工事が完了する事。
2.建て主と打ち合わせしている事項が現場が一致しているかの確認。
3.予算内に工事費が納まっているかどうかの確認。
4.工事の不備が無いか確認する事。
5.専門業者の工事手配
大きく分けるとこの5点になると思います。
 分離発注型住宅は建て主を中心に進んでいくため、工期は自由に変更が可能です。気になる箇所があればいつでも工事をストップする事が出来ます。
 建て主と専門業者の打ち合わせになりますから、仲介が入らないので、建て主の意向がまっすぐに職人に伝わります。
 予算の確認は着工前に専門業者と契約になるので、変更事項がなければ追加工事無しで完成出来ます。
 工事の不備、工事手配は設計事務所が随時現場を見回り行います。
分離発注型住宅に適した方
1.こだわりのある住宅をご希望の方
2.工事期間が十分ある方
3.建築を色々勉強していきたい方。
4.なるべくコストを抑えたい方
分離発注型住宅の注意点
 分離発注型住宅は現在増えてきてるものの、設計事務所側、専門業者側もまだ不慣れなため一部手探りの状態にある。
 建て主側に大きな労力を必要とする。
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