彗星の日記

〜ブラッドフィールド彗星の巻〜

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第1章  彗星を見つけるまで・・・



     4月25日



 ずいぶん前から噂されていた、3彗星の地球大接近。ついにそれを見れる時期が来ました。4月下旬は、今年発見されたブラッドフィールド彗星と、リニア彗星。日本での見頃はブラッドフィールド彗星が25日〜26日の未明のようです。

 ピーク(太陽に一番近くて、地球上で一番明るい条件で見れる日。)から1日遅れの27日朝早3時に起きました。そして窓から外の様子を確認。ちょっと凹みました。せっかく早起きしたのにあいにくの曇り空です。それでも位置だけ確認しときたいと思い、家から車で10分程の高台に向かいました。そこは、大阪平野の最北端といってもいい所で南に大阪平野北部の夜景が一望できます。

 大阪の街明かりが空の雲を照らしてさらにに雲の存在をアピールされていました。だるいこと限りなし。もし晴れていてもこれだけ明るいと良く見えないだろうと思い、家に帰らず山に向かっていい場所(東側が開けて、低い空まで見渡せる場所)を探しに行くことにしました。





発見した場所からの日の出


↑↑上が携帯カメラ↑↑
↓↓下がカメラ画像↓↓


 最近街開きをしたばかりの、箕面市と茨木市に跨る山間部にできたニュータウン『彩都』、の更に奥を目指しました。彩都への分岐点から更に山に入っていくと道はやがて片側1車線から、大型車通行不可の小さな一本道になりました。周囲もいい感じに暗くなってきました。と、そこで急に視界が開けました。山の中に小さな集落がありました。田んぼも広がっていてなかなかいい場所です。ここならだいぶ暗い星も見えそうなので、恐らく晴れていれば彗星も見えるでしょう。ということで、その辺りで少し高くなっている所を探しました。

 車から降りて方角を確認しました。日の出前でだいぶ明るくなっています。彗星は太陽の昇る付近の空に現れるので、真東ではなくおおよその位置で分かります。その日はもうすることがないので、携帯とカメラで一枚ずつ写真を撮って家に帰ることにしました。

 やっぱり携帯よりカメラの方がリアルに再現されています。




     4月26日



 この日は朝3時半に起きると真っ先に昨日確認した場所に向かいました。到着したのは4時。少しゆっくりして、カメラ出して、三脚に固定して・・・とのんびりやっていたら空が少しずつ明るくなってくる時間です。この時期意外と早く太陽が出ることに気づかされました。

実は写真を撮るにはちょっと明る過ぎる時間です。言ってももう春分の日を過ぎて一ヶ月ですからねえ。ちなみに4月26日の大阪の日の出は5時13分でした。もっと早く起きればよかったと少し後悔しながら準備してました。






 そういえば、カメラを紹介するの忘れてました。天体写真を撮るにはシャッターの速度を変えれるカメラが必要です。例えば、1/250秒、1/125秒、・・・・20秒、30秒、B(バルブ)などです。時間が長くなればなるほどフィルムに取り込む光の量が増えて、暗い夜空でも星が写るってことです。普通の使い捨てカメラとかは1/125秒と聞いたことがあります。最低10秒程はいると思うので、使い捨てカメラなどでは写せないということです。

 ちなみに今使っているカメラは祖父からもらったもので、もらわなかったら写真も撮っていなかったし、彗星も見に行ってないし、このページもなかったことでしょう。




前の日ヨドバシカメラで買った三脚とセット






うまく撮れた(?)1枚



画像反転

 はい、これ。何?ただの夜景?よく見たら空に微妙な星みたいなんが見れるけど・・・で、彗星は・・・?

 て思われた方、大正解!!前にも書きましたが、明るすぎです。だからもっと早く行ってればよかったんです。でも、星があまり見えないのは光害のせいなのかもしれません。光害とは、簡単に言えば街の明かりが空を照らして暗い星を見えなくしているって感じかな?十津川とかに入ったら急に星が一杯見えるでしょう。あれは光害の影響が少ないからです。

 そこで、星を確認しやすいように下に写真を反転したものを載せときました。ちなみにこれはペガサス座(あの有名な四角形)付近です。矢印辺りに彗星がいるはずなんですが・・・どうやら写りこんでいない様です。くそ〜光害め!

 ということで、この写真が次の撮影地を探すきっかけになりました。もっと街から離れたところでなければ・・・





  • 考えるよりまず行動する方だと思う→Yes
  • 思いついたらすぐ取り掛かる方だ→Yes


  •  でありながら、

  • 実行する前によく考える→Yes
  • よく見通しを立ててから行動することが多い→Yes


  • (適性検査より)


     でもあり、この対極の質問の回答にいつも頭を悩ませ、考え込んでいる自分ですが、

     まず1つ目の行動力。その日のうちにいい場所を探そうと思いネットで色々探していました。条件としては、東側が開けている、街の光からなるべく遠くの2つです。この条件を満たすのは郊外の夜景スポットかなあと思い、「天狗岩」という場所を見つけました。

     そこは、昨日見ていた場所から更に20分程山に行った所です。サイトの写真で見ると、手前は山で、かなり奥の方に小さく大阪の夜景が見えています。これなら周りも暗いだろうと思ってそこに決定しました。ただ、その道の1キロ先を見ると、「北摂霊園」の文字が・・・夜中一人で山奥で近くに墓地。かなりチキチキでした。しかしここは彗星を見るのを最優先させて、それくらいは我慢しようと思いました。

     ここで2つ目の計画性<。周りが暗くて夜景が見れるくらい開けているのはいいです。しかし、夜景を見るのではありません。目的はあくまで彗星です。彗星は東の空低くに見えます。なので、天狗岩から東に天狗岩の標高より高い山があっては見えません。そこで、家にある地図を開いて等高線で高さを推定し、そこから東に視界が開けているか確認しました。ま、問題ないでしょう!

     今度は行動力と計画性。道も分岐点が分かりにくいし、本当に視界が良好か確かめるために行ってみることにしました。やっぱり見えないということになればまたまた計画がパアです。

     結論から言えば、ベストポジションでした!

      
    天狗岩周辺の地図。横には霊園





    天狗岩からの眺め(京都方面)
    ちょっと早いですが、夜景もなかなか



    明日の朝の予想(妄想!?)





         4月27日・28日

               雨                雨                雨                雨



         4月29日

    朝起きれませんでした (笑)


         4月30日




     今日こそ絶対見てやる!と思い明日の準備をしました。念のため天気予報をチェックして、掲示板で生の情報を確認して早めに寝ることにしました。すると、こんな書き込みがありました。「竜王山の展望台から見たけれど、光害がひどすぎる」 この竜王山は、まさに行こうとしていた天狗岩のすぐ裏の山でした。あれだけ街から離れていてもダメなのか・・・と思いながら他の書き込みを見ていると、「三田で今朝彗星見えた!」というものがありました。これだ!!

     そのとき時間は深夜0時をちょっと回ったところでした。時間は全然余裕。ということで、思い立ったらすぐ行動する私ですから、すぐに三田に向かうことにしました。




    あ、天狗岩の方ですが、あれはやめました。せっかくあれだけ時間かけて調べたのに・・・・

    まあ明るくて彗星見えないんならしょうがないかな?(ホントのところお墓にかなりビビッてました)




    「峠」という文字に過剰に反応






     176号線で三田に向かいました。宝塚をこえたあたりから片側一車線の山道に入り、流石に周りも一気に暗くなり、期待が高まります。前の方でトラックがその前のゆっくり走る軽自動車を煽っているのがなんとも可哀想だったのを覚えています。

     さて、まもなく三田の文字が見えてきました。家からちょうど1時間。やっぱり夜中は道がすいています。コンビニの駐車場に入り、地図を広げてこれから向かう先を決めました。

     すぐに決定しました。「猪ノ倉峠」という文字が飛び込んできました。峠なら高くて視界もまあまあなはず、と思い迷わず向かいました。





    ここで突然、 猪ノ倉峠 プチ紹介コーナー

    ということで、せっかくですのでココでどんな危機に遭遇したか紹介しときます。
    なかなかスリリングな体験をしました。
    みんなで行くならいいけど、一人でしたもん。
    誰も助けてくれない、しかも圏外で連絡取れない、などなど。
    まあ今考えたらたいしたことないと思ってます。



    いきなりダートかよ!
    と突っ込みたくなる入り口




     県道68号川西三田線から分岐して小さな峠を越えるとそこからいきなりダートでした。横に田んぼが広がっていたので、農道として使われているのだと思います。

     まあ、そんなに狭い道ではないのでそのまま先に進みました。

     上の地図で言うと、ちょうど少年自然の家のすぐ横です。





    何か嫌な予感・・・






     右から来た道と合流してしばらくすると、序々にですが高度を上げてきました。周りも田んぼだったのですが、気づいたら道の両側を木が覆う形になっていました。道も車のわだちだけが通れるくらいに凸凹になってきました。これまでの経験から、注意信号が・・・でも峠はもうすぐ、と思い突き進みました。

     上の地図で言うと、合流して峠までの間くらい。






    予感は的中!
    ひたすらバックで戻りました





     写真を見てお分かりのように、道かなり荒れてきました。大きな水溜りもありはまったら抜けなさそうで、仕方なく道の真ん中の高い部分に片方のタイヤを乗せて走りました。車内揺れまくり。フロントガラスに空が見えるほど上を向くときもあれば、反対に地面に向かって落ちるような時もありました。とにかく激しかった。

     そしてついに決断を下すときが来ました。残念、無念。あと少しのところまで来ているのは分かってるのに。これ以上進めないほど周りの木が迫ってきました。

     後は経験したことがある人は分かると思いますが、恐怖のバック約100メートル!後ろ暗くてほとんど何も見えません。わずかなブレーキランプの赤だけが頼りです。何人か一緒だったら誘導を頼むのですが、今は一人。勘だけを頼りに、半ばどうにでもなれって感じでバックしました。道も荒れてるし、訳がわからなくなりそうでした。

     しばらく下がると、何とかUターンできそうな広さを見つけ、何とか危機を脱出できました。

     そして周りが田んぼで広いところで早速写真を何枚か撮りました。





    さてさて、早速写真が仕上がってきました!!

    まずは2枚程写真をご覧下さい。多分知っている星のはずです。




    北斗七星




    カシオペア(左上)






    そして、彗星近くにあるペガサス座



    ペガサス座






    いよいよ彗星付近を拡大します。ではご覧下さい。













































    写っていませんでした(泣)







    いくつか原因が考えられます。

    つはカメラの性能。
    多分これが一番の原因ではないかと・・・
    あまり詳しいことを書いても分からない(自分もあんまり)ので簡単に言いますが、
    「手持ちのレンズの感度があまりよくない」ってことです。
    もっと簡単に言うと、「暗い星は写らない」ってことです。(致命的


    つめは時期の遅さ。
    ピークは25日未明と言っていたんですが、彗星は移動しているわけで,
    だんだん地球から離れていっています。
    その為、日を追うごとに暗く見えにくくなるってことです。
    下に表を載せておきました。



    Apr. 25  4.4 等級
    Apr. 27  5.0 等級
    Apr. 29  5.6 等級
    May. 1   6.0 等級
    May. 3   6.5 等級
    May. 5   6.8 等級




    まあまあ、今回は残念な結果に終わったけど、ニート彗星C/2001 Q4 ( NEAT ) には期待です。
    実は、今回狙っていたブラッドフィールド彗星はあくまで「おまけ」です。
    この彗星はたまたま3月頃に発見されたもので、本命は5月中に見ごろを迎える
    ニート彗星C/2001 Q4 ( NEAT ) 、リニア彗星C/2002T7 (LINEAR)だったのです。


    ニート彗星C/2001 Q4 ( NEAT )


     肉眼彗星になると期待の2大彗星の一つ,C/2001Q4彗星は,現在,南天を移動中。日本からは5月まで観察不可能。オーストラリアのシドニーで5.0等の観測報告があります。こちらは現在で最大光度2.0等の予報です。日本からの観測対象としては,確実にこちらの彗星の方が好条件です。




    リニア彗星C/2002T7 (LINEAR)


     肉眼彗星になると期待の2大彗星の一つ,C/2002T7彗星は,現在,日本からは観察不可能。4月中旬に明け方の空に3.5等程度で姿を現す見込み。現在の光度は予報より暗めで,このままの状態を維持するとなると,5月での最大光度は2等程度までとなりそう



    ちなみに、2、3等星というとオリオン座の三ツ星くらいの明るさなので、
    うまくいけば街中でも見れるかもしれません。



    そういうことなので、次に期待してて下さい!



    2004年5月6日


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