彗星の日記 part2

〜ニート彗星C/2001 Q4 の巻〜

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前回のブラッドフィールド彗星は残念な結果に終わってしまいました。
例年なら次に見える彗星は数年後の筈なんですが、そこは今年は「彗星の当たり年」
今月中旬ごろに見ごろを迎えるのがニート彗星C/2001 Q4 なのです。
7日頃〜13日頃が、日本から観測しやすい場所にあるようです。



 ところで、ニート彗星C/2001 Q4なんですが、なぜニート彗星の後ろに「C/2001 Q4」が付くのかと思ったことはありませんか?実は僕も知らなかったのですが、ニート彗星、リニア彗星などは、いくつも存在しています。

 もともと彗星の名前は第一発見者の名前が付けられます。日本人が発見した彗星もあります。「百武彗星」「工藤・藤川彗星」などなど・・・。今回のニート彗星(NEAT)はアメリカNASAのJPL(ジェット推進研究所)のNEAT(Near-Earth Asterios Tracking:地球接近小惑星追跡)チームが、2001年に発見したことで、今の名前が付いています。

 ちなみにリニア彗星はアメリカ マサチューセッツ工科大学付属リンカーン研究所の地球接近小惑星(LINEAR = Lincoln Laboratory Near-Earth Asteroid Research)プロジェクトチームの発見、ブラッドフィールド彗星はオートスラリア・サウスオーストラリア州Yankalilla在住のブラッドフィールド(Willliam A. Bradfield)氏発見の彗星です。




     5月7日


さてさて、早速ニート彗星C/2001 Q4(めんどいし、これからはニート彗星で)の観察と行きましょう。
前回の反省を活かして、今回は以下の点を克服しました。



1.レンズの感度に関して。



なんとも怪しい入れ物






  これはどうすることもできません。そこで、フィルムの感度を上げることにしました。前回のフィルムはISO400。今回購入したフィルムはISO1600。あまりよくわかりませんが、単純に4倍になったってことでしょうか。まあ、暗い星も写りやすくなったってことです。ISO1600のフィルムなんて今まで使ったことがありませんでした。フィルムケースも透明ではなく黒いケースに入っていました。外からの強い光にすぐに反応してしまうからでしょうか?





2.シャッタースピードに関して。



 前回の撮影ではカメラに内蔵されているシャッタースピード(30秒)を使っていましたが、今回リモートコードというものを買ってシャッタースピードを自在に操ることができるようにしました。これによって今までは30秒分の光しか捉えられなかったものが、何分、何十分とシャッターを開いておくことができるようになりました。これによって、またまた暗い星まで写るようになります(予定)





その2つを今回増強して、早速夕方6時頃から能勢に向かって車を出しました。
今回は瑠璃渓(京都府園部町)に行ってみることにしました。
しかし、家を出る直前からうす雲が出始め、一応行ったものの明るい惑星や、
一等星の星数個しか見ることができませんでした。
しかも雲の向こうにぼんやりと。ニート彗星観測1日目は見ることができませんでした。




     5月10日

雨だるい!



     
5月14日

この日もバイト。久々の晴れなのに・・・
しかもこの日、19時からのバイトなのに大阪市内で面接が18時からありました。
面接が終わったのが19時。もちろん遅刻です。
まあ、当然前もって遅れる連絡はしてましたけど。


そこである作戦を決行しました。どうせ遅れる連絡してるし、
ちょっと15分くらい彗星観察してからバイトに行こうと。
この日バイトに入ってた方、すいません。ホントとはもっと早く行けました。
けど15分の間に何ができるかって言ったら、たいしたこと出来ません。
市内の明るい空を避けて山に入ることも出来ないし、
じっくり腰をおろして観察することも出来ません。
ただただカメラのフレーム内に彗星があるだろうという場所の見当だけつけて、シャッターを切りました。
全部で5,6枚でしょうか。
彗星が写っているかいないかは、運まかせです。
その写真、明日現像に出して明後日仕上がる予定です。

以前のこともあるので、全然期待しないで待っててください。











     
5月21日

実はですねえ、写真仕上がりました。
でも、あまりにも写りが悪すぎて、写真屋さんが何も写っていないと勝手な判断をして、
彗星を写した写真だけカットされていました(泣)

それは何で分かるかというと、写真の縮小版で確認しました。
ちゃんと星は写っています(微かに)
それを依頼した写真屋に言うと、火曜までに仕上げます、と言われ、またまた待つことになりました。



写真が一応仕上がったこの日、またまたチャンスは訪れました。
たまたまバイトが休みになったのです。しかも前の日までの天気予報は「晴れ」
これはチャンスと思い、前もって図書館で地形図を調べてどの辺りで観測しようか決めてい場所に向かいました。



この方法が正しいのか分かりませんが、いつもこんなやり方で場所を探しています。
  ↓      ↓      ↓      ↓      



  • まず地形図を図書館でコピってきます。


  • 地図上で観測する方向に街明かりが少なく、大体視界の開けてそうな所を見つけます。


  • その地点から観測方向に向かって直線を引いて、標高が高くて障害物になりそうな所に印をつけます。


  • 観測地点と障害物の最高点を線で結び、縮尺から実際の距離を計算します。


  • 観測地点を基準(標高0メートル)にして、障害物の高さ(実際の高さ−観測点の標高)を求めます。


  • それぞれの点の実際の距離、標高差で tanθ の数値を求めます。


  • その数値を、高校の教科書の最後のページなどにある、三角関数表と照らし合わせて θ の角度を求めます。


  • その角度分だけ観測地点から見えない、ということになります。


  • よって、この角度が低い方が観測に向いているということになります。





  • ・・・・あってるのかなあ?? 理系の方、アドバイスお願いいたします。


    この方法で調べて結構街中から離れてて、
    西の空に障害物がほとんどない(θ=0.5)場所を能勢で見つけ、そこに向かったのです。



     自分はやっぱり雲をよんでいるのかなあって思いました。就活で大阪市内に出ていて夕方まで晴れていたのに、帰ってきていざ出発って時になったら西からだんだん雲が近づいて来るというケースがたいへん多い。

     衛星写真で雲の様子を見るとうす雲が西から迫ってきています。天気予報も昼11時発表のものでは「晴れ」になってたけど、17時発表のものは「晴れ、夜は曇り」とか。なんでやねんって何回思ったことか・・・

     今回も同じでした。出発する時間には完全に雲に覆われていました。折角バイトもないのに。少しでも晴れるという期待をしつつ出かけました。




    道路から一段下がっているので
    ヘッドライトの明かりも気にならない



    西の空はこんな感じ。
    開けているけど全面にうす雲が





    薄明終了まで待ったけど、全く晴れる様子なし。
    衛星写真見ても雲が切れそうにないので、今日は諦めて帰りました。
    能勢でもまだ街明かりが明るいので、もっと山奥のポイントを探しながら帰ることにしました。
    亀岡まで行きましたが、どこも光害がひどすぎる。
    大阪付近には光害を気にすることなく真っ暗な空で星を楽しめる所がないのかって思います。

    その思いが最終到着地点、峰山高原まで足を運ばせたのです。(5月24日)



         
    5月24日・・・・・・・最終章



    峰山高原




     最終決着の場所は兵庫県神崎郡大河内町の峰山高原です。ここを選んだ理由は、彗星を観察している人が集まる掲示板に関西ならここがいいと書き込みがあったからです。大阪からかなり遠い(往復約300キロ、高速代合計2800円)けど、最後のチャンスと思ってここに遠征することにしました。

     標高900メートル、視界は360度良好、付近で光害を発すると思われる姫路市からの距離約30キロ、条件は完璧です。後は当日の天候次第。予報では「晴れ」。移動性の高気圧に覆われるということです。

     今までのことがあるから天気のことが一番心配でした。遠くに来てるのに雲が出てて見えなかったんじゃ話になりません。時間もお金も労力も全て水の泡になってしまいます。





    大阪池田を走行中。
    天気はまずまずかな。



    中国自動車道、加西市付近走行中。
    雲行きが怪しい。頼むから晴れて!





    中国自動車道宝塚インターから乗り、福崎で播但自動車道に乗り換えて、市川北で降りました。
    そこから峰山までは30分程で到着するくらい近いものです。
    これから山に入るし、一応ガソリンを満タンにして備えました。
    標高900メートル付近まで予想通りのおよそ30分かけて登り、まもなく高原入り口のゲートが見えました。
    ゲートをくぐってすぐに右手に車100台程停めれそうな広い駐車場が見えました。
    その駐車場の端に先客がいたので、反対の端に車を停めました。
    日は沈んだけどまだまだ明るい19時15分頃の到着でした。


    さっき上で最後のチャンスと書いたのですが、これには2つの理由があります。



    1.彗星の明るさ>>>>>暗

     NEAT彗星の日本からの観測の好機は5月13日頃です。この日を境に彗星は地球から遠ざかり、日に日に光度が落ちていきます。24日の光度は4等級ということです。4等級というと街中では肉眼では確認できないくらい暗くなっています。


    2.月の影響>>>>>明

     月の明るさを侮ってはいけません。街中では大して明るいとは感じない月ですが、街明かりのない山奥にい行けば街灯の様にまぶしいものです。24日は月齢4.9の月がちょうど彗星の見える方向、西の空に出ています。これから日ごとに明るさを増していきます。彗星の淡い光は月明かりによって消されてしまうのです。




    話が反れたので本題に戻ります。
    駐車場に車を停めてしばらくお菓子食べたりして休憩しました。
    そして落ちついてしばらくしたらカメラセットして暗くなるのを待ちます。
    24日の日没は19時8分頃なので、観測開始は20時半頃からです。
    暗くなるのを前に一番星(金星)、二番星(木星)が見え始めました。
    最悪です。雲に見え隠れしています。
    てか、ほとんど隠れてしまった。
    西から次々と雲が迫ってきます。少し諦めモード入りましたが、車の中で仮眠して待つことにしました。











    あまりの寒さにパッと目が覚めました。
    携帯で時間を確認すると20時をまわっていました。
    窓の外はすでに真っ暗。ていうより街灯もなく何も見えませんでした。
    さすが標高900メートル。5月でもかなり寒いです。
    車に積んであったフリースと、アップ2枚を重ね着して車からでました。
    セットしていたカメラを確認して空を見上げました。
    空にはやたらと明るい月が出ています。

    あれっ、月が見えているってことは・・・だんだん暗さに目が慣れてくると、星が見え始めました。
    しかもすごい数の星!彗星も見えていないのに興奮してしまいました。
    だってこんなに星を見たのは十津川で見て以来でしたし。
    しばらく、あれが何座、こっちが何座って自分の中で夢中で確認していました。

    そういえば、駐車場の反対側に同じようにカメラセットしてたおっちゃんがいたなあ
    っていうのを思い出してそっちを見ました。
    そしたらおっちゃんはちゃっかり観測を始めています。
    おっちゃんは2台三脚を立てていました。
    おそらく一台は固定撮影(僕がいつもやっているやつ)、
    もう一台はガイド撮影(機械で自動的に星を追いかけるので、かなり暗い星まで写せる。機械は数万円〜十数万円。)
    ちょっとうらやましいです。いつかは買ってみたい。
    それより晴れている間に撮影をしなくてはと思い、撮影を始めました。。



    峰山高原到着頃の西の空
    左上は月です



    月を望遠で撮ってみました
    影の部分もかすかに写っています



    姫路方向の空
    ないと思っていた光害が・・・



    東から昇るさそり座



    北斗七星と小熊座


    北極星を見つけよう

    しし座
    何となく面白い写真になりました



    夜鷹山


    西の空

    実は左の写真、
    どこかに彗星が写っています。
    星図と比べて探してみてください。


    そして改めて左の写真を見ると・・・

     肉眼では他の星と変わりありませんでしたが、双眼鏡で見ると星の周りにうっすらと淡い光を放った感じに見えました。




    えー今回のこの企画は、彗星も肉眼で見れたし、写真にも一応収めることができたので終わりにしようと思います。
    あんまり見てくれてないみたいやし・・・
    みなさんにはかなり期待外れだったかと思いますが、自分では結構満足しています。
    ま、固定撮影ではあれが限界だったみたいです。


    てことで、今後は旅行の方に力を入れて行きたいと思います。

    2004年 5月 29日    


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