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「伊勢物語」より「芥川」
文学史の復習(空欄を選択すると答えが見えます。)
・文学史上、奈良時代以前を「上代」、平安時代を「中古」、鎌倉時代・室町時代を「中世」、江戸時代を「近世」と呼ぶ。
・「伊勢物語」は平安時代初期に書かれた「歌物語」である。
・「物語」には、現実にはありえないことを前提にした「伝奇物語」、短い章段からなり、クライマックスで必ず和歌が詠まれる「歌物語」がある。日本文学史上最高の作品といわれる「源氏物語」は両方の性質を受け継ぎ、しかも日記文学的な内省観や現実にもありえるようなリアルさを持っている。
・「伊勢物語」の著者は未詳である。
・「伊勢物語」の主人公はただ単に「男」と表現される場合が多いが、物語全体を通してみると、明らかに在原業平の半生記と読めるように書かれている。彼は皇族の血を引く男で、ハンサムで歌がうまいことで有名であった。
・教科書の「芥川」は第六段、「東下り」は第九段である。全体では第百二十五段まである。
・章段のうち、短いものの例を挙げる。
第二十八段
昔、色好みなりける女、いでていにければ、
などてかくあふごかたみになりにけむ 水もらさじとむすびしものを
口語訳・・・昔、浮気な女が、家を出ていなくなってしまったので(詠んだ歌)
何でこんなに会うことが難しくなってしまったろう、水も漏らさないような、固い契りの仲だったのに
このように短い章段では、詞書と短歌だけといって差し支えないようなものもある。
口語訳
昔、男がいた。
女で、手に入れられそうになかった人を、長年にわたって求愛し続けていたが、
やっとのことで盗み出して、とても暗いところに来た。
芥川という川を連れて通ったところ、草の上に置いた露を(見て、女は)、
「あれは何?」と男に聞いた。
行く先は遠く、夜も更けてしまったので、鬼のいるところとも知らず、
雷までひどく鳴り、雨も激しく降ってきたので、がらんとした蔵に、
女を奥に置いておいて、男は弓とやなくいを背負って戸口にいる。
早く夜が明けてほしいを思いながら座っていたところ、鬼はすでに(女を)一口に食ってしまっていた。
(女は)「あっ!」と言ったけれど、雷の騒音で、聞きつけることができなかった。
だんだん夜が明けていくが、見ると、連れてきた女もいない。
地団駄を踏んで泣くけれど、どうしようもない。
あれは何、真珠なの、とあの人が聞いたとき、ああ、あれは露。と答えて、露のように二人とも消えてしまえばよかったのに!