汗をかく、頭を掻く、恥を掻く、いびきをかく…。
これは方言ではないが以前から気になる言葉の一つであった。
なぜか、土壁の下地の木舞いも「掻く」という。
自分でその作業をしていても「編む」感じの方が近いから。
しかし今冬、関東の人が「雪掃き」と言うのを聞いた時、
こちら東北では「雪掻き」なんだけどと思い…。
その時初めて私の脳裏にひらめくものがあった。
そうか、「掻く」というのは「平らかなものに何か跡を付ける」ことなんだと…。
汗は滑らかな皮膚に、恥は平らな心に、いびきは夜の静けさに…。
木舞いも平らな面に格子をつくっていく。
そうなると同じ音の「書く」も、元々は平らな面に何かを「掻く」だったことがよく分かる。
そして「おる」が「織る」でもあり「折る」でもあるように二次元に。
「あむ」が「編む」「網」に通じるように三次元…。
…文字のまだ伝わっていない遥かな遠い時間に…。
|