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「古民家を手解体、そして再生する」という。
思い立ってから数年、既に二回あまりの機会に恵まれたのだが、その与える示唆は
想像以上のものがあった。
私は建築の仕事に関わってきて三十年近くになるが
果たしてその内容はどんなものだったろう。
大学では日本の木造についての授業はほんのわずか。
各部分、部材の名称をおぼえる程度でしかない。
何を学んだかというとコンクリートや鉄骨、製図や計画がほとんどなのである。
現在は職人学校などの創設にもみられるように状況は少しは変わりつつあるようだが。
この辺は最近の音楽教育の西欧一辺倒からの脱却、邦楽取り入れという現象にも少し似ている。
そういう環境で学んだ者が実社会に出ても日本の伝統木造に関心を持つだろうか。
そして、そういう若者が騒々しく貧しい日本の風景をつくっていく。
私自身も最初は、あんな頼りない細い木で作るなんてと思っていた。
しかし古い神社や各地に残る文化財に接すると、なんともいえない雰囲気に包まれる。
迷い十年、木造の勉強十年、滅びつつある文化の一つとしてとらえる十年。
長い長い回り道の月日であったように思う。
それでも、それらはほとんどが本から学ぶものであった。
古建築は現代の建物とは違い、ほとんど全部分解することができる。
家全体が大きな組み木細工なのである。
一つの部材を外すたびに昔の職人の仕事ぶり、息遣いが聞こえてくるように感じる。
外し方が分からなくて切ったりこわしてしまった部分もいくつかあるが。
それらの作業は今まで頭の中だけで学ぶのとは全く違う世界のものであった。
厚く積もったほこり、スス、色あせたしっくい、土壁…。
大きくうねるような真っ黒な梁、大黒柱、桁、それらの継ぎ手…。
静かに鎮座する石たち…。
それらは無言だが実にストレートに心に語り掛けてくる。
「古民家は私の先生だ!」
何度つぶやいたことだろう。
これを自分だけでなく建築や街作りに興味を持つ若い人たちと共有できたら…。
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築110年の古民家再生をみんなで学びながら進めていくのが一雲建築学校です。
再建する場所は二本松ですが、まだ決まってはいません。
また資金も不足しています。
これからどのように進めるか、どのようにしたらよいのか。
みなさんの参加と熱い協力、支援を待っています。[ほんとの空、一雲基金]
毎月、第三水曜日、例会を開きます。昼1時半〜または夕6時半〜
場所 寺島さん宅、梅沢宅、ほか各地を巡回
連絡先 古麻比の会 梅沢昭吾 070−6950−4989
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