京都迎賓館
京都御苑内に平成17年4月に現代和風建築として開館いたしました。
盛夏の時期に行われます、一般参観時には京都いけばな協会加盟流派が持ち回りで迎え花をいけています。


小松流 中村 展山 小松流 中村 展山
平成24年8月  一般参観  桐の間 脇床 平成25年8月  一般参観  桐の間 床の間 
花材 胡蝶蘭 秋桜 紅花 禊萩 猿捕茨 花材 どうざん躑躅 蔓梅もどき あじさい(水無月) 鉄線 大毛蓼 葉鶏頭
花器 浅野美芳作 金工吊り船 花器 信楽焼 雪彩模様こげ茶色花瓶(大原熏作) 



「比叡月映」借景に春爛漫の風情

桜の古木と啓翁桜の若木に、牡丹、やぶ椿を組み会わせて。古木、花のつぼみで、現在、過去、未来の、時間の流れを表現する。

花器は小川宣之さん作の青白磁の水盤「海景」。

「夕映の間」

 京都迎賓館の大会議室「夕映(ゆうばえ)の間」は,主に二国間や多国間の国際会議の場として使用される。 京都の北東に位置する比叡山の月照と、西山に位置する愛宕山の落日を描いた綴(つづ)れ織が東西の壁面を飾り、西陣織を施した椅子など、丹精込め作られた調度品が、整然と配置されている。
 
 東側の壁の「比叡月映」と名付けられた綴れ織には、京都から眺めた比叡山の姿が描かれている。
日本仏教の母山ともいわれるこの山を、京の人達は親しみをこめて叡山とも呼ぶ。叡山のふもとには、天台声明の発祥地の大原や八瀬童子、かま風呂などで名高い八瀬の里があり、その傍らを高野川が流れる。

 川に沿った鯖街道は、春は桜・石楠花
(しゃくなげ)夏はつつじに紫陽花(あじさい)。秋はコスモスと
紅葉。冬は山茶花
(さざんか)に椿、と四季を通じて花があふれ名所となっている。
 
 過去、八瀬遊園地という場所があった。子供達が喜ぶ遊具やプールがあり、春は大勢の花見の客でにぎわつていた。私自身も幼いころ、すがすがしくふりそそぐ花びらを一身に受けとめた記憶がある。

 
 夕映の間での壁面装飾と出会った時、八瀬で過ごした幼き日を思い出した。「比叡月映」を借景に、
日本の花王「桜」と中国の花王「牡丹」を取り合わせて飾り花を制作した。斜め後方に桜の古木を挿し、
どの位置から見ても鑑賞できるよう、見る位置によっても花の姿が変化するよう、桜の若い枝を、前後左右にを散らして挿した。中央には八千代椿という不思議な名を付けられた牡丹、根元の締めにはやぶ椿の開花を添え、春爛漫の風情を再現した。

 
 「桜花」は、爛漫(らんまん)と咲き誇り潔く散る姿ゆえに、いにしえの人々の心を深くとらえ引きつけた。里人は遠くの山々の桜花を眺めて、その年の稲の実りを占ったとも、豊作の前祝が花見の宴のはじまりだとも、言われている。「夕映の間」の叡山の月照から、桜の記憶が依代(よりしろ)の
ように舞い降り、呼び覚まされたように、これからの季節、春の月の光が桜花咲く里を照らす。人々はうららかなる風景に魅了されるであろう。ほどなくどの山々にも桜花が咲きあふれる。

                        (中村展山・京都新聞 平成18年3月掲載)


藤 の 間


小松流 トップページ 小松流 事務局 小松流 役員紹介 小松流 花の展覧会
新着情報 小松流 紹介 展覧会のお知らせ
中村展山の作品 中村博翠の作品 中村凜翠の作品