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山梨の田舎暮しと災害・防災対策
(生命・身体・財産の保護)

「地震被害想定」の信頼性は、地震の基本情報の正確さに依存する

2004.04.17

著者:古明地 光久

国土庁の指示により、各都道府県は「地震被害想定調査」を行ないました。山梨県には、山梨県地震被害想定調査報告書(平成8年3月)があり、ネット上で閲覧することができます。

被害の想定に際しては、山梨県特有の地震と震源域を設定し、各地震に対する震度や規模を推定する必要があります。次に、地層内や表層における振動の伝播・増幅・減衰状態を求め、地形などを考慮しながら被害の程度を見積もります。建築物、火災、電力・上水道などインフラ関係、交通施設、人的被害などについて、具体的な被害想定が行なわれています。

これからも分かりますように、被害想定の信頼性は、一にも二にも、震度や規模といった基本情報の確かさに依存します。残念なことですが、「山梨県地震被害想定調査」が作成された平成8年の時点では、現在ほど、信頼に足る基本情報が存在していたとは云えません。なお、最近の基本情報については、T章とU章において、地震調査研究推進本部作成の「確率論的地震予測地図の試作版(地域限定)について(平成14年5月29日)」などを紹介しました。


何時起きても不思議ではないと云われている「東海地震」、そして巨大地震としての発生が危惧されている「糸魚川-静岡構造線断層帯地震」について、T及びUで紹介しました地震調査研究推進本部作成の震度と、山梨県地震被害想定調査で用いられた震度とを単純に比較してみましょう。


山梨県地震被害想定 地震調査研究推進本部
東海地震 山中湖で震度6(強)、甲府盆地で震度6(弱)。 山梨県の南半分の殆どが、震度6(弱)か震度6(強)もしくは7であり、北半分は、震度5(強)以下となっている。写真
糸魚川-静岡構造線断層帯 糸魚川-静岡構造線断層:断層に沿って震度6(弱)の地域が分布し、釜無川に沿って震度6(強)の地域が分布している。震度7の地域は存在しない。 震度7の地域は、小淵沢町、長坂町、須玉町、竜王町、それと甲府市甲府駅付近から、玉穂町、田富町、三珠町と南西方向に位置する身延線沿い(地盤の堆積層のため、地震強度は2倍程度に増幅されます)。山梨県の8割以上が震度5(強)以上。山梨県の2割近く(断層帯沿い)が、震度6(弱)以上の地震に見舞われる。写真


震度と被害の程度とを以下に示します。


地震震度6弱以上とは、震度階級が6弱、6強及び7のことであり、気象庁の解説表の一部分を以下に示します。この表は、震度計により観測された震度と現代社において実際に発生する現象や被害との対応を解説したものです。詳しくは気象庁のホームページをご覧ください。

気象庁震度階級関連解説表(平成8年2月)

震度階級 人間 屋内の状況 屋外の状況 木造建物 地盤・斜面
人は揺れを感じない。

屋内にいる人の一部が、わずかな揺れを感じる。
屋内にいる人の多くが、揺れを感じる。眠っている人の一部が、目を覚ます。 電灯などのつり下げ物が、わずかに揺れる。

屋内にいる人のほとんどが、揺れを感じる。恐怖感を覚える人もいる。 棚にある食器類が、音を立てることがある。 電線が少し揺れる。

かなりの恐怖感があり、一部の人は、身の安全を図ろうとする。眠っている人のほとんどが、目を覚ます。 つり下げ物は大きく揺れ、棚にある食器類は音を立てる。座りの悪い置物が、倒れることがある。 電線が大きく揺れる。歩いている人も揺れを感じる。自動車を運転していて、揺れに気付く人がいる。

5弱 多くの人が、身の安全を図ろうとする。一部の人は、行動に支障を感じる。 つり下げ物は激しく揺れ、棚にある食器類、書棚の本が落ちることがある。座りの悪い置物の多くが倒れ、家具が移動することがある。 窓ガラスが割れて落ちることがある。電柱が揺れるのがわかる。補強されていないブロック塀が崩れることがある。道路に被害が生じることがある。 耐震性の低い住宅では、壁や柱が破損するものがある。 軟弱な地盤で、亀裂が生じることがある。山地で落石、小さな崩壊が生じることがある。
5強 非常な恐怖を感じる。多くの人が、行動に支障を感じる。 棚にある食器類、書棚の本の多くが落ちる。テレビが台から落ちることがある。タンスなど重い家具が倒れることがある。変形によりドアが開かなくなることがある。一部の戸が外れる。 補強されていないブロック塀の多くが崩れる。据え付けが不十分な自動販売機が倒れることがある。多くの墓石が倒れる。自動車の運転が困難となり、停止する車が多い。 耐震性の低い住宅では、壁や柱がかなり破損したり、傾くものがある。
6弱 立っていることが困難になる。 固定していない重い家具の多くが移動、転倒する。 開かなくなるドアが多い。 かなりの建物で、壁のタイルや窓ガラスが破損、落下する。 耐震性の低い住宅では、倒壊するものがある。耐震性の高い住宅でも、壁や柱が破損するものがある。 地割れや山崩れなどが発生することがある。
6強 立っていることができず、はわないと動くことができない。 固定していない重い家具のほとんどが移動、転倒する。戸が外れて飛ぶことがある。 多くの建物で、壁のタイルや窓ガラスが破損、落下する。補強されていないブロック塀のほとんどが崩れる。 耐震性の低い住宅では、倒壊するものが多い。耐震性の高い住宅でも、壁や柱がかなり破損するものがある。
揺れにほんろうされ、自分の意志で行動できない。 ほとんどの家具が大きく移動し、飛ぶものもある。 ほとんどの建物で、壁のタイルや窓ガラスが破損、落下する。補強されているブロック塀も破損するものがある。 耐震性の高い住宅でも、傾いたり、大きく破壊するものがある。 大きな地割れ、地すべりや山崩れが発生し、地形が変わることもある。


平成7年1月17日午前5時46分、あの阪神・淡路大震災(地震発生時には、兵庫県南部地震と呼ばれていました)が起きました。この地震のマグニチュードは7.2、そして震度は6から7とされています。東海地震の地震防災対策強化地域そして糸魚川−静岡構造線断層帯の山梨では、これと同じ程度の震度が予想されています。

さて、忘れもしないこの日、私は東京の家で、このニュースを見ました。夢中になってテレビ画面を撮影しました。私が撮影したテレビ画像をお見せしたいと思います。