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今回のお題
 菰野町には、たくさんの民話が残っています。  第3回菰野町手づくり民話絵本コンクール2018では、 「五郎兵衛地蔵」を取り上げます。

「五郎兵衛地蔵」概要


〇五郎兵衛という男がいました。
〇お地蔵さまの前の石がみんなの邪魔になると思って動かしました。
〇その後、五郎兵衛が困難に直面したとき、お地蔵さまは五郎兵衛を助けてくれました。
 「人が見ていなくても、石を動かして、よい行いをした」ということでしょう。
〇後に、お地蔵さまは「五郎兵衛地蔵」と呼ばれ、多くの人に大事にされました。
〇現在、五郎兵衛地蔵の前にある石は「重軽石」と呼ばれ、軽々と持ち上がったときは
 願い事が叶うと言われています。










むかし、むかし、五郎兵衛という正直な百姓がおってな。
ある時お地蔵さんの前に大きな石があって、みんな困っておった。
五郎兵衛はなんとかそれをどかし、
信心深く手をあわせたそうな。

五郎兵衛さんには大事なひとり息子があったんじゃが、
その息子が、ある夏、はやり病にかかって大患いした。
案じた五郎兵衛さんは、日頃信心していた地蔵さんに
息子の按配がよくなる様、一心不乱に願かけした。
何度も手をあわせていると、不思議な声が聞こえた。
「五郎兵衛、お前は良いことをした。
誰も見ていないのに、みなのために邪魔な石をどけた。
自分のためだけではのうて、人のためにしたことが、良いことなんじゃ」

お地蔵さんが五郎兵衛さんの行いを見ていてくれたのか、
五郎兵衛さんの願いが通じ、
息子の重い病いも薄皮がはげるように次第になおり、
元通りの達者になり、
やがて嫁をもらい、家を継いでくれた。

そこで、五郎兵衛さんはいっそう信心して、
地蔵さんのそばに、雨露をしのぐだけの小屋を建て、
ここにひとり住みついて、お地蔵さんをお守りしたそうじゃ。

それから人は、この五郎兵衛さんの名を取って
このお地蔵さんを、「五郎兵衛地蔵」というようになったということじゃ。

※お地蔵さんの前には、丸い手頃の石が置いてあります。
この石のことを重軽石といいますが、ここへ詣る人は願い事があると、
まずお地蔵さんにお祈りをして、この石をそっと持ち上げてみて、
願いが叶うかどうかを石の重さで占います。
願いが叶う場合は、石が軽々と上へあがるそうです。