水枕の使い方
水枕で頭部を冷やしても下熱効果はほとんどありません。安楽のために用いるものです。患者の希望を聞いてから使いましょう。
水枕の作り方は
を参考にしてください。氷の量、水は、希望する冷たさに応じて加減しましょう。プロ(看護師さん)の世界では7:3の割合がベストだそうです。高熱時で冷たさを持続させたいときは、一つかみの塩を入れると氷が長持ちします。水枕を使うときに、頭がぐらぐらする、高さが低いと言う方には、二つのタオルを用意しましょう。それぞれタオルを折りたたみ、水枕の両側に置きます。水枕中央部がへこむようになり安定が増し、頭部にも良く当たるので気持ちよく冷えます。また枕が低すぎると訴える方には、折りたたんだバスタオルを敷くことにより、布団が湿ることも防ぐことができて一石二鳥です。
角がとがった氷だけは避けてください。勢いよく頭を乗せると思わぬ怪我につながります。お勧めは、スーパーで生鮮食料品持ち帰りの際に、無料でいただける氷です。理由を話せば快く分けていただけると思います。
水枕の効果
発熱時に、氷を入れた水枕で頭を冷やしても解熱効果は、ほとんどありません。解熱効果を期待するならば、太い血管がとおっている腋窩、鼠径部(腋の下、太ももの付け根)背部(背中)を冷やした方が効果的です。しかし頭を冷却する事により気分を爽快にし、血管を収縮させるので頭痛などの疼痛を緩和するため、主に用いられています。最近、感染症による発熱に対して、解熱剤の使用を抑制する治療が多くなってきました。解熱鎮静剤に含まれる 「ジクロフェナクナトリウム」と言う成分が脳症を引き起こすらしいのです。細菌、ウィルスの感染によって、身体は自己免疫力を高めるために発熱するので、それを薬剤で無理やり下げることによる弊害が論議されるようになり、一般にもようやく浸透されてきたからです。インフルエンザ脳症、心筋症などです。ですから解熱効果は期待できないものの、発熱による不快感、頭部などの疼痛を緩和し、安静を助けるための水枕は非常に効果的です。水枕によって安静が保たれ、睡眠も得られれば、総合的には大きな治療効果が期待できます。ただし発熱初期の段階で、寒気を催す体温上昇時には、水枕等の冷罨法は逆効果です。また幼児で水枕を嫌がる場合も不要です。水枕は、基本的に気分を爽快にする目的に広く用いるべきでしょう。
乳幼児と水枕
乳幼児の発熱には、あまり氷枕は勧められません。特に氷点下20度まで冷えている保冷枕は危険ですらあります。氷少な目の水枕がいいようです。基本的には医師の指示を守ってください。
頭痛と水枕
頭の血管が拡張して起こる「血管性頭痛」拡張型頭痛の片頭痛、発熱に伴う頭痛に水枕は非常に効果的です。血管が拡がって炎症を起こすと、そのまわりの神経が刺激を受けて痛みが現れます。水枕、氷枕で頭を冷やし安静にし血管の炎症を抑えると痛みが和らぎます。自分にあった冷たさが作れる水枕ならではの冷たさが有効です。冷やしすぎにならないように痛み、不快感にあわせて氷の量を変えて冷やしてください。また薬が飲めない「つわり」による頭痛、二日酔い等の頭痛にも大変有効です。しかし緊縮性頭痛には冷やすと逆効果である場合が多く症状が悪化する場合がありますので注意が必要です。
水枕と氷枕
水枕、氷枕と聞くと氷を目いっぱい入れた「ひえひえ」枕を想像しますが、水枕は、氷に塩を混ぜた「ひえひえ」枕から「水道水の水枕」まで温度に変化を持たせられるのも大きな特徴です。基本は気分爽快ですから、高熱時は「ひえひえ」枕、熱帯夜の夜は、冷やしすぎで頭痛の起こらない程度の「氷少な目氷枕」のぼせや二日酔いでの水枕と使い分けをお勧めします。特に熱帯夜の寝入りばなに氷枕は最高の枕ですが、数時間で生ぬるくなってしまいます。深夜に起きだして氷を入れ替えるとかえって不眠症になってしまいますので、お勧めは、枕もとに水だけの水枕を用意して、取り替えるのです。?とお思いの方、実際試してみると、気温が高くとも、畳や床が冷たいように、室内の水枕も適度な冷たさを保っています。やや気温が下がる深夜はこの程度の冷たさがかえって気持ち良いものです。また、湯たんぽと逆の利用で水枕を足元においても涼しいものです。ただ足もとを冷やす際は、口金がはずれ易いので必ず口金を二つ掛け、レバーを交互にしておくことをお勧めします。
スポーツ選手と水枕
競技前のウォームアップ時水枕にお湯を入れて筋肉を暖めているスポーツ選手がいます。うまく考えらています。もちろんアイシングにも最適で水枕の柔らかさは、どこにでもフィットします。海外遠征の際にも持参するそうで寝苦しいときは、水枕にするそうです。
水枕は湯たんぽとして使えるか?
以前の水枕には湯たんぽとして使用可能とありましたが、メーカーとしてはあまりお勧めしていません。海外では水枕の一回り小さいものがホットウォーターボトル(ゴム製湯たんぽ)がポピュラーですが、ゴムが劣化するため熱湯は入れないように注意書きがあります。個人的には、使っています。熱湯も入れています。しかしお勧めできません。水枕は、湯たんぽとして使われることを前提として作られていないので、お湯を入れるときに危険があるのです。氷を入れているときに手が滑っても、濡れるだけですが、熱湯だと、大やけどをしてしまいます。皆さんは水枕を湯たんぽとしては使わないで下さい。
水枕使用時の注意点
口金が斜めになって水漏れの原因 確実な口金の二丁掛け
一番トラブルが多いのが、口金のしまり方が不適切のため水漏れと、口金が外れることです。口金は必ず、並行に閉めること、水を入れる部分の一番狭いところに閉めることです。病院では口金を2個使うところもありますが、これは非常に効果的でお勧めします。口金は薬局で300円程度にて別売しています。次は、水枕の寿命でゴムに穴があくこと、ゴムが溶着することです。水枕の寿命は10年から20年とゴム製品の割に長寿命です。しかし使用頻度が少ないためにいざ使うときになって穴があいてしまっていたことがあるようです。ゴムは紫外線と風に弱いため保管時は箱に入れるのが基本のようですが、経験上?水を入れたままで保管しても耐用年数は変わりません。最低6ヶ月に一度水の入れ替えをすれば溶着することもありません。穴があく際は、ピンホール状態で針で刺したような穴があくので見つけるのは困難です。布団が濡れて気づく場合が多いようです。
水漏れはじわっとくるのでなかなか気づきません。冷罨法の本などでは、逆さまにして確認するようになっていますが、逆さまにしたぐらいではほとんど水は漏れず頭を乗せてしばらくしてから、少しずつ漏れてきます。「口金の二丁掛け」が極めて効果的です。
水枕の俳句
稲森宗太郎歌集「水枕」昭和5年8月1日刊行
水まくらうれしくもあるか耳の下に氷のかけら音たてておよぐ
ゆたかなる水枕にし埋めをればわれの頭(あたま)は冷たくすみぬ
水枕に頭(かしら)うづめつつアルプスの雪渓の中にひとりわがゐる
しんしんとしむ冷たさよ目に耳にこごりて白き花さき玉へ
水枕に目を閉ぢをれば谷川の底ゆく石の音の聞こゆる
水まくらつめたきなかに目をあけば寒鮒と我は生れ変りゐる
水枕に眠りしわれは谷川のふときすかんぽむさぼり食ひぬ
水枕にしみこごえたる目をあげて若葉やはらかき藤の花を見ぬ
枕べに白き小虫のまひ入りぬ外(と)の面(も)は春の夕べなるべし
この句は、作者が大正13年ころから病床に伏せ、初めて使った水枕の心地よさを歌った遺稿です。
無限回廊 夢幻堂舗主・夢幻くららさんのページから
氷枕の生態 視覚編
氷枕の生態 音声編
トップページに戻る