四季のエッセイ        @
水の音
 古池や蛙飛びこむ水の音。芭蕉の句だが、
小学校の国語の時間、先生がドブーンと飛び込んだ情景だと説明したところ、児童の倉田
百三が手を挙げる。この池は寂しいところにあって静かで、小さな蛙が飛び込んでも微かに水音が聞こえる情景をうたったものだと思います。チャポーンの方がいいという。
 小学校同窓の庄原市教育委員長の渡辺泰邦
さんが文芸春秋に回顧文を寄せている。
 実は、芭蕉は、蛙飛びこむ水の音は出来たが上の句に悩み、弟子其角に相談を持ちかけている。古来、蛙は鳴き声が詠まれるのが決まりで、芭蕉はこれを飛び込む水の音としたところに独創性があったとされていた。
 芭蕉と倉田百三、ある日の邂逅であった。