四季のエッセイ        @

山茱萸

 あっ山茱萸が咲いている。F夫人は花に詳しい。その声につられて見上げると、黄色い早春の花が満開だ。古来、中国伝来の花は字が難かしい。だから植物学の牧野富太郎さんは、はるこがねばなと命名してくれている。
 もし私が日蓮なら草木教を創設したい。
牧野さん、宗教にも関心があった。「植物知識」にそう書いている。私は草木を本尊とする宗教を樹立して見せることが出来る。私は草木を無駄に枯らすことをしなくなった。この慈悲的な心、すなわち思いやりの心をなんで養いえたか、私はわが愛する草木でこれを培った。また私は草木の栄枯盛衰を観て、人生なるものを解し得たと思っている。
 みなさん、花に一掬の涙をと結んでいる。