甲子夜話

   四季のエッセイ        @
 聖地甲子園のセンバツ開幕の日に、一筆。
 平戸藩主の座を四十一歳で退いて隠居した松浦静山は、江戸に出て随筆家となる。一八四一年没するまで、二十年間に書きつづった随筆は、正編百巻、続編百巻、第三篇七十八巻に及ぶ。文政四年霜月の甲子の夜より書き始めたことから、甲子夜話の表題がつく。
 藩主時代に、田沼意次や松平定信が主導した寛政の改革、シーボルト事件、大塩平八郎の乱などを論評したほか、風俗・他藩や旗本に関する逸話・人物評・海外事情、果ては魑魅魍魎に関することまでにその筆が及んでいる。平成のいま、平凡社東洋文庫から計二十巻の直筆原稿が刊行されている。
 球児たち見習い給え、この老いの健闘。