肘笠雨

   四季のエッセイ        @
  今夜の巨神戦、一雨ありそうと気象台。
  甲子園上空に時ならぬ寒気が流れ込んで
きているのだ。目下三、五位と低迷の両チームだが伝統の一戦、水を差して欲しくない。
 テレビ観戦にその心配はないのだが、急な
雨といえば、忘れられない思い出がある。西京極球場だった。一天にわかに掻き曇り、さあーっと冷たい風が吹いたと思ったら、滝のような雨に見舞われる。満員のスタンドに逃げ場はない。あちこち悲鳴の声が上がる。
 ひじかさあめとか降り来ていと慌ただし。
源氏物語の世界と同じだ。肘笠雨とは、不意の雨に肘を頭にかざして傘代わりにする。
 夜遅くには北風も吹くそうだ。敗戦ショックで風邪ひくのは巨人か、阪神ファンか。