五木の子守歌

   四季のエッセイ        @
おどまかんじんかんじんあん人たちゃよか衆
 何とも哀愁に満ちた「五木の子守歌」だ。聴く人をしんみりさせる。わたしたち平家の落ち武者は、乞食も同然の小作人だけれど、あちら源氏が監視のために派遣してきた三十三人衆はいいご身分。地主のお侍たちだ。
 五木にはもう一つの悲話が残る。慶長の役で豊臣秀吉によって日本に連行されてきた朝鮮の陶工たちだ。芥川賞作家の村田喜代子が小説「龍秘御天歌」に描く。死者の妻である百婆は、朝鮮式の葬式・土葬にしようとする
が、日本式火葬もやむを得ないと考える息子たちと衝突する。
 五木の子守歌は、陶工たちが故国朝鮮を偲んで歌った日本のアリランだった。