サイダー

   四季のエッセイ        @
 夏子からお中元に三ツ矢サイダーが届く。
ビールでないのはお酒はもう駄目の合図か。パンフレット「宮沢賢治とサイダー」が添えてある。賢治は、花巻農学校で教師をしていた明治の半ば、給料が出ると蕎麦屋にかけつけ天ぷら蕎麦と新商品三ツ矢サイダーを注文するのが常だったという。蕎麦六銭、天婦羅蕎麦十五銭、対してサイダーは二十三銭、現在だと千五百円はする贅沢品であった。
 ことしも終戦の日が近い。GIと一緒にや
ってきた同じ炭酸飲料のコカ・コーラは、カフェインを含むという。その点、飲んだ時の清涼感が抜群の創業百二十年のサイダーは、年寄りに優しい夏の飲物かも知れない。
 ありがとう、夏子。心して戴きますよ。