沖縄の豚

   四季のエッセイ        @
 豚小屋で産まれた過去をもつ十九歳の正吉はスナックで泡盛を飲んでいた。突然、豚が店に飛び込んでくる。芥川賞受賞作、又吉栄喜「豚の報い」は、そんな小説であった。
 沖縄の豚は、中国の属国であった時代に伝わった小型の黒毛で、アグ―と呼ばれた。コクのある旨味、低コレストロールが人気で、「鳴き声以外は全部食べられる」と、皮、内臓、血まで余すところなく食用とされた。
 豚といえば牛だが、牛肉に見向きもしないのが中国人だ。牛はコストパフォーマンスが悪く育てるのに時間もコストもかかる。牛は労役のための役割が強く、食べるためだけに飼われている豚とは立場が違う。
 さて日本は。関東は豚肉、関西は牛肉だ。