四季のエッセイ        @

匹か、頭か、

  鈴虫一匹、牛馬一頭。動物の数え方だ。
西部劇映画で、馬上のカウボーイが牛たち
に新しい草を食べさせるために牧草地から牧草地へ移動している。群れから離脱した牛はいないか、牛の頭=head(ヘッド)を絶えず目で追っている。牛を一匹ではなくて、一頭二頭と数えるのはこのことによる。
 昔は、牛も馬も匹で数えていた。荷車を引
かせたり、農耕をさせたり、人間はいつも牛
馬の背後からその姿を見てきた。左右二つに
分かれたお尻。お互いが互角、すなわち匹敵
している。源氏も今昔物語も匹を使う。
 尾びれで泳ぐ魚は一尾、二尾。羽で飛ぶ鳥
は、一羽、二羽だ。小学生にはどう教えよう
か、昆虫学者は蝶を一頭、二頭と呼ぶ。