保護中の餌について

餌は数日ごとに切り替わっていきます。

餌の危険

ほ乳類でないので牛乳を消化することができません。またパンは消化器官の中で発酵することがあります。牛乳を浸したパンは、他に餌がない場合でも与えないでください。


スリ餌のみ/粟玉のみ/ミルワームのみ...など単品では栄養が不十分で“栄養失調”による障害が発生します。餌は組み合わせて必ず青菜やカルシウムを補給することを心掛けてください。

また、ペットショップなどで安価に入手できるビタミン類は栄養は不十分で気休めにしかなりません。健康なヒナには新鮮な青菜、元気がないヒナには必ず獣医さんの処方による栄養補給を行ってください。


スズメのヒナは巣立ちまで親の運んで来る「昆虫/青虫など」で育ちます。本来のベストは親が運ぶような青虫ですが代用としてミルワームがあります。健康に育てるために昆虫食は必須です。しかしミルワームにはビタミンが不足して脂肪が多いために青菜/すり餌/ボレー粉を必ず与えてください。
餌の種類

緊急用

保護して親に戻すまで、あるいは保護施設への搬入までなど短期のみに有効な餌として【かた茹で卵】【ドックフード】【ぬめりを取ったご飯】などを与えることができます。ドックフードはドライタイプ(乾燥餌)を1〜2分お湯に付けて柔らかくしたものを、しっかり水を絞ってから食べさせます。

ヒナに【冷えている餌/水分の多いもの】は下痢などの原因になり命に関わりますので与えなようにしてください。


与えられない物

成鳥用の餌をふやかしたものは、ヒナに与えないでください。最悪の場合には消化できずに内臓内で詰まってしまって命を落とします。

お米(焚いてない)も生後1年未満のヒナは消化できません。田んぼでスズメが食べているのはまだ実が固くなっていない緑の穂のお米になる前のミルク状態のものです。

ラビットフードを与えたというお話を聞いたことがありますが、うさぎのペレットの原材料は【アルファルファやチモシーなどの牧草の粉末】です。スズメに与えたら害にしかなりませんので使えません。


食べる量


餌の間隔

日の出から日没まで餌を食べさせる必要があります。写真のヒナの首の羽のない位置が「ソノウ」で食べた餌が一旦溜められる場所です。ここが軽く膨らむ程度まで食べさせてあげるので、指で確認しながら餌を与えてください。(スズメは、首の右側だけにあります)

巣立ち前と巣立ち後では一度に食べる量が減って“飛びやすくなる”ために体重の変化が見られる時期がありますので、食べる量は糞の変化で判断する必要があります。


「3時間ごと」などと書いてあるケースがありますが、それはセキセイインコなどの場合です。セキセイインコのヒナの一ヵ月分の成長をスズメのヒナは2週間程度で成長します。その成長に必要な分だけ食べます。自分でチョコチョコ移動できるようになるまでは、ソノウを確認してペッタンコになっていたら餌の時間です。消化の早い場合や羽の揃っていないヒナの場合には30分で空になってしまいます。鳴いて欲しがったらソノウを確認し空であったら食べさせる方法もOKです。

ある程度、ひとりで餌を拾って食べられるようになったら2時間おきに、様子を見て3時間と間隔をひろげて、朝一番と寝せる前のみ、さし餌卒業と進みます。

緑色に見える部分がソノウ

ソノウには羽が生えていないために【翼の付け根の前で、白い首の羽の下のあたり】に息を吹き掛けたりして羽を動かすと確認できる。


餌を2口ほど食べさせると、食べた物が透けて見えるので、その時に確認して場所を覚える。それから餌を追加してソノウが膨らむまで食べさせる。

次の餌をあげる前にソノウの中に餌が無くなっていることを必ず確認する。

ソノウは必ず常に確認して位置がわかるようにしてください。


保護することになった場合の餌(窓口で飛べるようになるまで保護するように指示されたら)

羽のない時期


目も開かないヒナの場合には10〜15分間隔ということもあります。

【ミルワーム、すり餌(7分)、ボレー粉、青菜】の総てが必要になります。スリ餌を与えるために【育ての親】という道具が便利ですので一緒に購入するといいです。

・ミルワーム---冷蔵保存しないで常温にしておいた方が脱皮して白くて皮の柔らかい消化しやすいミルワームを与えることができます。(白くないものでも大丈夫)ミルワームはアゴがヒナの内臓に噛みついてしまうなどの事故がありますので、必ず頭を潰して(割り箸の先端で押しつぶしたり/カッターなどで頭を落とす)、大きい物は2〜3等分に切って与えます。

ボレー粉は白いものをお買い求め下さい。これは擦って粉にします。

青菜はコマツ菜がお勧めです。【ホウレン草/ネギ類(ニラなど)は与えてはいけません】キャベツやレタスも水分ばかりで栄養素が少ないので避けた方がいいでしょう。

・スリ餌---青菜を擦ったものに、スリ餌を加えてボレー粉の粉末も混ぜて耳たぶほどの固さに練って食べさせます。

まずミルワームを数匹与えてから、単品では不足する栄養を補うために上記の青菜とボレーを加えたスリ餌を食べさせて栄養のバランスをとります。


羽が揃い始めたら

上記の餌の【スリ餌】を減らし、しっかり煮て柔らかくした【粟玉】を少量混ぜて与えます。羽がない時期のヒナには粟玉を消化するだけの消化力がありませんので、少量だけ混ぜて未消化のままで糞に出て来ないかを確認してください。

消化できていたら2〜3日ごとに【スリ餌】と【粟玉】の割合を替えていき、粟玉を多くしていきます。

【粟玉】とは、ヒナ用の餌で剥いた粟に卵黄とハチミツなどを絡ませたものです。カビや細菌などを消毒するためにも必ず熱湯で煮て、そのお湯を捨てて与えてください。


羽ばたき始めたら

巣立ちの時期を迎えたので、昆虫や幼虫メインだった生活から親と一緒に餌を拾って食べる生活に変わる時期です。

【粟玉】も十分に消化できるようになっていますので、殺菌のための熱湯消毒は必要ですが、ふやかす程度でも消化できます。(はじめは、未消化で糞に混じって排泄されていないかチェックする)

ここまで来たら【すり餌を卒業】させてあげて【ひとり餌】の訓練を開始します。

・煮た粟玉の水気をしっかり切って、鳥カゴの下にバラバラと粟玉を撒いておいて自分で興味を持ってついばむ練習を始めます。すり餌も粟玉もすぐに腐敗するので入れっぱなしにせずに掃除して綺麗にしてあげてください。

どうしても食べてくれない子には、ふやかした粟玉+ボレー粉+青菜すり潰しにちょっぴりのハチミツなどで甘い味をつけると食べてくれるかも知れません。


スズメの画像がありませんでした。。。

・ミルワームもピンセットの先から受け取って食べるようにします。食べられないようでしたら今まで通りにノドの奥に入れてあげますが、毎日「今日はできるかも知れない!」ので、ピンセットの先から取らせてください。

・ピンセットの先から取って食べられるようになったら、今度はヒナにミルワームを見せたら目の前に落として拾って食べられるようにしてください。


餌を拾えたら

粟玉から【皮むきミックス餌】または【粟の穂】へ切り替えます。

下に落ちているのが粟の穂

ついばんで食べると殻が残るので食べられるようになったのが確認できます。


成長不良のインコの羽根の状態を保存していた画像なので粟の穂が見えにくくてすみません。

粟玉やすり餌といった、ふやかして与える餌は腐敗も早いし、水分でカサを増してあるので食べているわりには十分な栄養があるとはいえません。【皮むきミックス餌】も【皮付きミックス餌】の栄養価が半分以下になっているので“通過点”としての餌になります。

最初はクチバシで餌を持ち上げてもコロコロとクチバシで転がして落としているだけだったりしますので、ちゃんと食べられているのか“糞の質”(餌が足りないと下痢のような糞になる)と“糞の量”(1日の総量)も欠かさずにチェックしてください。

・ボレー粉もそのまま鳥カゴに入れてあげます(小皿などが便利)

・青菜は葉のままで1〜2枚洗濯バサミなどで鳥カゴに固定してあげます

・御猪口などに水を入れ、そこから指でクチバシを濡らしてあげることで覚えます。無理に水を飲ませる必要はありませんので、2〜3日かけて覚えてもらいましょう。

ミルワームも頭を潰して落としてあげましょう。ミルワームの脱走防止になりますし、ヒナが成長するとクチバシでミルワームを上から下までくわえ直しながら身をほぐしたり、床に叩き付けてたりして食べられるようになります。

自分で拾って食べられるようになるのに応じて、挿し餌の回数を“3時間置き”→“朝昼晩”→“朝と晩のみ”と減らして行きます。


ひとり餌完成へ

皮なしのミックス餌の中にあるカナリアシードの殻を剥いて食べられたり、粟の穂を啄んで剥いて食べるようになったら【皮付きミックス餌】に切り替えます。これで餌に関してはひとり餌マスターです!

ガツガツと食べてくれるようになったら、朝晩には種子の殻をちゃんと吹いてあげて、“餌があると思ったのに殻ばっかり”で飢えてしまうことがないように気をつけます。


注意点

挿し餌で与えるものは、ミルワームの他には【スリ餌】か【粟玉】にボレーや青菜を入れた物だけです。

挿し餌とは、自分で拾えない/食べられないほどに未熟なヒナか弱っている鳥に与えるものですから、ミックス餌などを強制的に食べさせては消化できずに命を落とすことになりますからご注意ください。

また、ふやかした餌は腐敗が早いのでその都度新しいものを作って与えて、作り置きはできません。

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