獣医さんに診ていただけるまで

具合の悪いヒナを獣医さんに連れていくまで。 3%の糖分補給など注意事項をしっかりお読みになってから行ってください。

鳥の身体について

鳥の体温は41〜42度と人間に比べてとても高温です。

絶えず餌を食べる事で得られるエネルギーの多くは、その高い体温を維持するために使われています。---具合が悪くなるとまず体温を維持するのが困難になります。

具合の悪い鳥の様子は、

1、羽根を膨らませてウトウトして反応が鈍くなる(膨羽嗜眠)
2、手で持ち上げたときに、人間の指に触れる足が冷たく感じる
3、糞の状態が水っぽくなる

などのことが見られます。このために鳴かなくなったと感じることもあります。

頭を背中にいれないこともあります。


背中の中央の羽を広げて翼の上に出していたりする姿になる鳥も多いみたいです。(もちろん健康な鳥もこの姿勢で寝ていることがありますが、昼間からウトウトして羽を膨らませていたら要注意です)

具合が悪いので体温を維持することが困難になる(膨羽)→体温が下がることで内臓の動きが鈍くなり消化能力が落ちる(下痢など)→食べていたとしても消化できずに排泄されたりしたり(未消化糞)または餌が内臓に詰まってしまう(食滞)→栄養が取れずにより衰弱する→飢餓

というように、早め早めにケアしてあげないと大変なことになります。

また、自然の中で捕食される立場にある動物は本能によって“元気なフリ”をしていますので、容態が急変して急に具合が悪くなったと見えるのですが、急に悪くなったというよりも、すでに元気なフリもできないくらいに弱ってしまっているということが多いです。


注意すること

糖分補給をする前に必ず“保温”(または温度管理)ができていることが大切です。

応急処置を施しながら病院に行くまでの体力を維持しなければならない場合には“28〜30度”の温度管理が必要な場合が多いです。

保温ができていなくて、体内に入ってきた糖分をコントロールできない状態(体内の活動が不十分)では最悪の場合には手の施しようがなくなる場合があります。

温度管理は、重症になればなるほど温度の幅もなくなり細かい監視が必要になってきます。保護したとき炎天下にさらされていた場合などは熱中症などもありますから状況に応じてケアが変わってきます。

まだ獣医さんの開いている時間の保護でしたら素人判断せずに「必要な連絡先と注意事項(獣医情報)」のページの連絡先に相談して獣医さんに診ていただくのが先決です。

糖分補給はあくまでも獣医さんに診ていただく前の衰弱を食い止めるだけの処置でしかありません。糖分補給で元気になったとしても、それは元気なフリをできるだけに回復したのに過ぎませんから、必ず獣医さんでの治療を受ける必要があります。


糖分補給について:状態が悪ければ悪いほど、薄い栄養分から与えなくてはなりません。急に濃い糖分を与えると高血糖になり、その糖分を抑制するためにインスリンが大量に分泌されるために、糖分補給前よりもさらに低血糖になってしまいます。

この副作用による低血糖の状態になってしまうと、呼吸が乱れて痙攣などの症状が出たりと交感神経症状として素人には手の施しようがなくなってしまいます。これを防止するために、薄い糖分から根気よく続けてあげなくてはなりません。

体力の維持を目的として糖分補給をしますので、元気が出てこない場合には夜通しの看護になります。


3%の糖分

3%の糖分:水100ccに砂糖3g(小さじ1杯)を溶かして37度〜40度にします。(高温だと火傷の心配)

・まず3%の糖分を【クチバシの上下の隙間に1滴付けて自力で飲ませます】決してクチバシを開いて無理に飲ませないでください。弱っているので気管に入ってくる水を振って吐き出す力もありませんから誤飲が原因となり命を落とすことがあります。※気管の入り口は、舌の奥の「V字の後ろ」にあります。またクチバシの付け根にある鼻に水が入った場合も同様の危険があります。

1滴飲ませたら次の1滴のペースで、数滴(1ml〜2ml)飲ませたら30分〜1時間休憩させます。(小さいヒナほど休憩時間が短くなる)

これをくり返して、回復が見られたら糖分を5%にあげてみます。


5%の糖分

5%の糖分:水100ccに砂糖5g(小さじ2杯弱)を溶かして37度〜40度にします。(高温だと火傷の心配)


・3%の糖分から切り替える場合、まず1〜2滴だけ飲ませ様子を見ます。回復が不十分だった場合には、低血糖がおきて拒絶反応(苦しんだり/呼吸が荒くなったり/痙攣など)が起きます。その場合には3%の糖分補給に戻ってください。
・3%の糖分と同様にして飲ませては休憩をくり返して、目をパッチリと開いて食欲が出てくるまで5%の糖分補給を続けてください。


食欲が出てきたら

元気が出てきたといっても、糖分(液体)を吸収することができていただけの体調なので、いきなり餌を与えても消化する体力がなかったり、内臓にも負担が掛かってしまいます。(食滞などの危険)

トロトロにした流動食からはじめてください。(このあたりで長い夜も開けて獣医さんに行ける時間になると思うのですが、回復にあわせて徐々に流動食の濃度を上げていきます。)

・すり餌があれば、5%の糖分を使ってトロトロに作ってあげます。

・粟玉しかなければ、指で潰せるまで煮てすり潰したものを5%の糖分でトロトロにします。

・小鳥用の餌がない場合には、ゆで卵の白身(通常は全卵を使いますが、白身のみの方が消化がいいため/栄養価は不完全ですが...)をペーストして5%の糖分に混ぜてください。

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